学生サポート

暴力を受けていると思われる学生がいたら・・・

顔のあざを隠して来ている学生がいます。ふだんより元気もないようですし、DVではと疑ってしまいます。しかし、下手に聞けません。かえって授業を欠席するようになるのではと気がかりです。何かうまい対処方法はありませんか?

顔のあざということですから、何らかの暴力を受け、心配な状況に置かれていることが想定されます。本人に聞きづらい場合には、事情を知っていそうな友人などから情報を集めてみるのもいいと思います。ただ、周囲の人に話していないことも多いと思いますので、一番は本人に尋ねることでしょう。その際には、こちらが「心配している」というメッセージを伝えることが必要です。「助けたい」という気持ちがあることを丁寧に伝えましょう。あまり話したがらない場合には、根掘り葉掘り聞いたり、無理強いしたりしない方がいいと思います。話したい気持ちになったらいつでも聴くということは伝えてください。
実際に、保護者からの暴力があるということがわかった場合、大学生は18歳以上ですので、児童相談所などの保護対象からは外れますが、シェルターを利用するなどの方法もあります。女性であれば、女性相談センターに繋ぐこともできます(※ 男性の場合にも「男性のための悩み相談」(電話相談)などがあります)。どう対応したらいいかわからない場合は、学生相談室にもご相談ください。
友人や交際相手からの暴力も考えられます。とくに近年は、交際相手からの暴力が増えており、「デートDV」という言葉もよく聞かれるようになりました。こうしたケースでは相手への愛着依存の問題があったりして解決が難しい場合もあります。暴力を受けていても、自分が悪いから仕方ないといった考えを持っているため、周囲へ相談することも難しくなります。とはいえ、状況によっては、生命の危険もありますので、見過ごすわけにはいきません。話を聴く際には、「そんな相手とは別れた方がいい」など相手を否定するようなことを言っても受け入れられないことが多いので、避けた方がいいでしょう。暴力の程度や状況などを確認しながら、相談者が冷静に自分を振り返れる時間を作りましょう。学外には行政機関などの相談窓口がありますので、そういった専門機関に繋いでいくことも念頭に入れていく必要があります。