保健センター

結核

疫学

我が国は、かつて結核の蔓延国でした。昭和25年の人口10万人あたりの結核死亡率は146.4、死亡順位の第1位にあり、「死の病」として恐れられていました。それから60年以上を経た現在、平成24年の死亡率は1.7まで減少し、死亡順位は26位にまで後退しています。
結核の罹患率はこのように減少傾向ではありますが、平成24年の新登録結核患者数は2万1千人以上にのぼり、人口10万人あたりの新登録患者の罹患率は16.7となっています。この数値は、欧米先進国で3〜6ですから、我が国は結核の中蔓延国として位置づけられています。ちなみに、韓国は89,中国は65、フィリピン224、タイ89ですから、東南アジアではまだまだ蔓延しています。

症状等について

  1. 結核は空気感染がほとんどで、結核患者の咳やくしゃみに含まれる結核菌が、肺の奥底まで吸い込まれて初めて感染の可能性が出てきます。
    鼻や口から吸い込んだほとんどの結核菌は、鼻腔/口腔/気管支の粘膜で処理されるため、健康な人では感染の可能性は低くなります。
  2. 結核菌が体内に侵入し、人体の免疫システムが働く状態になったことを「感染」といい、ここまで約2ヵ月かかります。
    感染しただけでは他の人には感染しません。
  3. 感染した人全員が発病するわけではなく、ほとんどの人は免疫機能が勝って発病せず、一般的に発病するのは1~2割の人です。結核は、世界の人口の3分の1が感染しているといわれています。
  4. 主な症状は、咳,痰,微熱,全身倦怠感,食欲不振,寝汗,胸の痛みといった「風邪に似た症状」ですが、これらの症状がいつまでも続きます。
    特に2週間以上、咳や痰が続く場合は、医療機関を受診してください。

潜伏期間と感染期間について

  1. 誰にでも日常生活の中で空気感染の危険があり、感染者の早期発見と、発病者の初期段階での適切な治療が重要です。
  2. 日常生活での注意  =マスクの着用と手洗いの励行=

治療等について

  1. 結核の治療は、決められた薬剤を決められた期間、確実に内服し続けることが重要です。
  2. 学校保健安全法では結核は第二種感染症に指定されており、学校医その他の医師において感染の恐れがないと認めるまで出校停止となっています。

予防方法について

  1. 人口の密集している都会は、誰にでも日常生活の中で空気感染の危険があり、感染者の早期発見と、発病者の初期段階での適切な治療が重要です。
    「定期健康診断」は毎年必ず受けてください。
  2. 空気・接触・飛沫感染しますので、手洗いとうがいの励行、及びマスクの着用を心掛けてください。