ダイバーシティセンター
活動報告書(2022年度)
テキスト版は以下のとおりです。
活動報告
障害領域
相談・支援事例
身体障害、難病、病弱・虚弱等の学生に対する学修支援、就職活動支援などに対応しました。学修支援では、SA(スチューデント・アシスタント)学生の協力を得ながら、毎日の授業でノートテイクによる情報保障をおこないました。
SA講習会・SA交流会を実施
障害のある学生をノートテイクなどで支援するSA学生を養成するための講習会と、よりよい支援のためにSA学生同士が情報交換するための交流会を実施しました。
バリアフリーマップを改訂
各キャンパスのバリアフリーマップを一新しました。改訂にあたっては、各キャンパスを実際にめぐり、バリアとなる箇所やアクセスしやすいルートを確認する現地調査をおこないました。現地調査には、身体障害のある本学の学生も参加しました。
ジェンダー・セクシュアリティ(GS)領域
相談・支援事例(のべ68件)※2022年4月~2023年2月
性別に対する違和感がある、恋愛感情がわからない、自認する性別で通学したい、などの相談に対応しました。
学生用ハンドブック・教職員用ガイドブックを配布・公開
ジェンダー・セクシュアリティへの理解を深めてもらうための啓発冊子を全教職員に配布するとともに、HPで公開しています。英語版も間もなく公開予定です。
生理用品の無料配布を開始
「生理の貧困」が社会問題化する中、生理のある人への支援の一環として、多摩キャンパスの一部のトイレに無料で利用できる生理用品を設置しました。利用者からよせられた声をもとに、2023年度は設置場所を拡大する予定です。
グローバル領域
相談・支援事例(のべ2件)※2022年4月~2023年2月
国籍・民族を理由に不合理なあつかいをうけている、などの相談に対応しました。
「Diversity Creator Team(DCT)」主催のイベントを開催
DCTは、学部も学年も様々な学生有志による団体です。多文化共生社会をめざし、「中国」「オーストラリア」「アイヌ」「在日コリアン」などをテーマとしたイベントを開催しました。
その他
学内における啓発活動
新入生ガイダンス、新任教員研修、新入職員研修、教職課程オリエンテーションなどでコーディネーターが講師をつとめました(10件)。また、学生相談室、保健センター、キャンパスソーシャルワーカーなどの学内関係機関との連携を強めるため、定期的な懇談を実施しました。
学外における啓発活動
他大学との情報交換(5件)、セミナー登壇などをおこないました。また、附属校の教職員に対する研修や懇談を実施しました。
ダイバーシティセンター主催イベント
Diversity Days 6/18・6/30(対面)
- 「ホームカミングデー@ダイバーシティセンター」
- 「Rap×Diversity」
ダイバーシティ推進について理解を深める機会として、毎年プライド月間にあわせて実施しています。2回目となる今年は、若手卒業生をダイバーシティセンターに招待して在校生と交流してもらう「ホームカミングデー」と、本学の卒業生でもあるFUNI氏(Rapper)と矢野マイケル氏(アーティスト)をゲストとする多様なルーツと自己表現についての講演&ワークショップを実施しました。前者は10人、後者は60人以上が参加しました。
Dトーーク! 4/25・5/24・6/29・10/27・11/25・12/19(対面)
第1回 「ダイバーシティといわれても・・・~こんなときどうする?~」
第2回 「アニメ・マンガとダイバーシティ」
第3回 「ふつうって何?」
第4回 「人見知りな自分との付き合い方」
第5回 「大切なもの、大切なことを人に伝えてみよう」
第6回 「恋愛、しないといけないの?」
1つのテーマについて少人数でカジュアルに話ができる学生座談会です。全6回の開催で、のべ21人が参加しました。参加者からは「身近な話題だったので参加しやすかった」「来年度も同様のテーマで開催してほしい」などの感想をいただいています。
ダイバーシティとキャリアをつなぐ 6/10・12/5(オンライン)
第1回 いしだゆずま氏
第2回 三戸花菜子氏
ダイバーシティに関わる仕事や活動をしている人をゲストに、その人のライフヒストリーから、参加者自身の人生やキャリアのヒントを見つけるイベントです。ゲストからは、「フルタイム勤務」だけではない自分にあった働き方・生き方や、仕事と並行してLGBTQの居場所づくりなどの活動もする「パラレルキャリア」についてお聞きすることができました。全2回でのべ23人が参加しました。
映像でみるダイバーシティ 7/8・12/16(対面)
第1回 「マイクロアグレッション」
第2回 「特権と抑圧」
短編の映像を題材に、テーマについての理解を深める学生限定のイベントです。テーマに関連した動画を視聴した後、感想や意見を共有しあいました。全2回でのべ10人が参加して、「新たな気づきを得られた」などの感想が届いています。
中央大学ダイバーシティ推進×ハラスメント防止啓発ウィーク2022 Chuo Diversity Week 2022「Safe Campus, Safe Space」 11/11~11/21(対面・オンライン・ハイブリッド)
- ワークショップ「身近な人間関係に潜む暴力と警戒すべきサインを知ろう!」
- 映画『FLEE フリー』上映会・スペシャルトーク
- 留学生企画「学部留学生×ダイバーシティ」
- 講演&ディスカッション「なぜ大学生の私が立ち上がったのか」
- 講演「ユニバーサルデザイン・バリアフリーマップの設計思想と建築計画」
- 若手卒業生企画「Safe Space, Safe Home, Safe【 】」
- 犯罪被害防止講習「それで大丈夫!?DV、痴漢、ストーカー対策」
- ワークショップ「ストリートハラスメントにみんなで立ち向かうためのトレーニング」
- 【展示】「トランスジェンダーのリアル」展
- 【展示】差別に対抗する「知」特集
- 【特別企画】徹底解説!「教職員のためのジェンダー・セクシュアリティに関するガイドブック(配慮と対応)」
ダイバーシティ推進とハラスメント防止啓発について理解を深める機会として、毎年11月に開催している大型イベントです。5回目となる今年は、11日間にわたり、2年ぶりの対面開催(一部オンライン・ハイブリッド)となりました。今年のテーマは「Safe Campus, Safe Space」。一人ひとりが安心してすごすことができ、お互いを尊重しながら成長できるキャンパスはどうしたら実現できるのかを、多種多様な企画が提示する現在の課題と今後の可能性、そして参加者との対話を通して再考しました。映画上映会、講演会、ワークショップ、図書館での展示など全11企画で、学内外からのべ300人以上にご参加いただくことができました。
ダイバーシティスクエア
ダイバーシティスクエア(Dスクエア)は、ダイバーシティセンターの隣にある、学生のための居場所です。主な機能は、安心・安全な居場所の提供、個別相談の対応、情報の収集および発信の3つです。月曜日~金曜日の授業実施日の10:30~14:30に開室しています。
2022年度は年間約400人の学生・教職員が来室しました。
組織とスタッフ
2022年度も、ダイバーシティセンター事務室と運営委員会、3部会が密に協力してダイバーシティ推進の活動に取り組みました。センター事務室ではコーディネーター4名、専任職員2名、兼任職員2名がDスクエアの開室など日々の業務にあたりました。障害領域、ジェンダー・セクシュアリティ領域での専門知識や経験をもつコーディネーターと教職員が力をあわせることで、学生の支援や学内の環境整備を効果的に進めることができています。
ご理解とご支援の御礼
2022年度は、急激にオンラインに移行した学びの環境が再びキャンパスでの対面中心に戻り、ダイバーシティセンターとDスクエアにも学生たちが足を運んでくれるようになった嬉しい一年でした。同時に、コロナ禍でのストレスの影響もあって学生たちが厳しい環境にあることを実感し、力及ばないことに思い悩むこともありました。2023年4月からは、茗荷谷キャンパスをはじめとする都心キャンパスでの活動整備が大きな課題となります。また全学アンケート調査の実施やバリアフリーマップの作成継続などのプロジェクトも予定されています。近隣他大学とのネットワークづくりなども含め、小さくとも一歩ずつ着実に取り組みを進め、学生ひとりひとりが尊重されていると感じ安心して学べる大学であるようにこれからも尽力していきます。
改めて、私たちの活動を日々、ご理解・ご支援くださっている皆様に心から感謝申し上げます。中央大学のダイバーシティ推進の取り組みはこれまで、大学予算と、皆様よりいただいたご寄付、民間財団からの助成金等によって支えられてきました。ご関係の皆様には厚く御礼申し上げます。2023年度も、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。