学生相談室セクシュアル・マイノリティ学生への配慮・対応について

(1)性の多様性と「SOGI」(性的指向・性自認)

 人の「性のあり方」は複雑で、戸籍上の性別、身体のあり方、自分の性をどのように認識しているか(性自認)、恋愛や性愛の対象にどの性別を選ぶか(性的指向)などの様々な要素が絡み合っています。国連などでは「性的指向 Sexual Orientation」と「性自認 Gender Identity」を合わせて「SOGI」という概念を用い、「SOGI」に基づく差別の禁止を規定しています。
 「自身の性の認識である性自認は戸籍上の性別と一致する」、「誰でも異性を好きになる」など、私たちの社会には「これが普通」、「こうあるべき」だと思われている「性のあり方」についての通念があります。しかし、実際は、与えられた性別と異なる性自認を持ったり、同性に性的指向が向いたりすることもあります。そしてこのように「普通」とあり方がずれると、生活の中で様々な困難が生まれたり、また差別的な扱いを受けたりもするのです。
 「SOGI」において少数派であることは、病気や障害ではありません。ただし自身の性自認と身体の状態が一致していないことに対して、本人が苦痛を感じているときに、その苦痛を取り除くために性ホルモン投与や外科手術などの医療を必要とするケースもあります。

(2)性自認と学生生活

 与えられた性別と性自認が異なるトランスジェンダーの学生は、大学生活の中で性別が問題になる場面で、困難を抱えることがあります。呼称の問題や、性別によって分けられた空間(更衣室やトイレ、合宿所など)の使用などがあります。

(3)性的指向と学生生活

 社会の様々な場面で、恋愛やパートナーシップ、結婚などは異性相手に限定されて語られます。そこで異性愛以外の性的指向をもつ学生は、いじめやからかいの対象になったり、また教員を含めた大学の構成員から「いないもの」とされた上での心ない発言に傷ついたりすることがあります。

(4)大学に求められる対応

 本学は2017年10月に「多様な背景をもつ人びとが、ともに学び、ともに働くことのできる環境」をつくるために「中央大学ダイバーシティ宣言」を策定・公表しました。SOGIに関しても重要なダイバーシティの要素として差別の予防に取り組み、セクシュアルマイノリティを含むすべての人が学びやすく働きやすい大学にするため、正しい知識と理解を持ち、実践することが求められています。
 以下に、授業や学生生活、行事実施などの場面において、教職員が配慮すべきポイントをいくつか具体的に紹介します。ぜひ参考にしてください。

  • 性別によって、異なる役割を割り当てない(または性別で服装を指定したり扱いを変えたりしない)。
  • 呼称について、「さん」「くん」、「Mr.」「Ms.」と分けず、「苗字+さん」(英語の場合は本人に呼んでほしい名前を確認)に統一する。
  • 性的指向や性自認について打ち明けられたときや、性に関する相談を受けたときには、先入観で意見を押し付けず丁寧に話を聞き、必要があれば専門家の助言を仰ぐ。ただし、第三者に不用意に情報を開示してしまう(アウティング)ことがないよう細心の注意を払う。
  • 宿泊を伴う授業、行事を企画するときは、(参加者が事前に希望を伝えられる機会を設けた上で、)希望に応じた部屋割りができる施設、大浴場以外の入浴設備のある施設などを選ぶようにする。
  • 性や性別に関する話題を取り上げるときには、聞き手側にセクシュアルマイノリティの人が含まれていることを前提とする。また、セクシュアルマイノリティ当事者でなくても、性や性別に関する不適切な言動に傷つき、苦痛を感じる人がいるということを理解し、適切な知識を持つよう努める。

 なお、性別違和を抱える学生等からの要望に対して、これまで本学が対応してきた取り組みとしては、以下の事項があります。学生から対応の申し出があった場合、所属学部・研究科に相談してください。

  • トイレ使用について:多目的トイレの整備
  • 定期健康診断について:保健センターにおいて別日程を設定(個別対応)
  • 通称名使用:学部・研究科において可否を検討し、一定の条件のもとに使用を許可
  • 学生証写真の差し替え:学部・研究科において事情を考慮し、申し出に対応