中央大学について

中央大学の教育課程における「生成系AI」利用上の留意事項について

English version

2023年6月5日

中央大学(以下「本大学」といいます。)は、高等研究教育機関として、学士課程、博士前期課程(修士課程)、博士後期課程、専門職学位課程等で教育を展開しており、そこには、3万人を超える学生が学修しています。本大学は、全ての学生がディプロマ・ポリシーに定める能力を伸長させることができるように、その教育・学修環境の整備に努めていますが、近時急速に発展している生成系AIシステムを教育・学修に利用することについて、それが能力伸長に繋がるものであるかという本質的な問いがなされているほか、生成系AIシステムが有する倫理的課題や社会的課題等も提起されています。

本大学は、「生成系AIの技術は、現在の社会構造を根底から変化させる大きな可能性を有している」との認識の下、高等研究教育機関として、複数の点に留意しつつ、「生成系AIの研究開発と社会実装を含む利用に取り組むことが、その社会的責任である」と考えておりますが、とりわけ教育課程における利用については、上記の点から、次のような留意事項を定めましたのでお知らせいたします。

中央大学の教育課程における「生成系AI」利用上の留意事項

2023年6月5日
学長決定

(この留意事項の対象範囲)

1 この留意事項は、中央大学(以下「本大学」という。)で教育を担当する全ての教員及び本大学で学ぶ全ての学生を対象とする。

(この留意事項の位置付け)

2 この留意事項は、本大学における全ての教育課程における生成系AIシステムの利用に係る原則を定める。ただし、教育課程を管理する学部、研究科、全学連携教育機構等の教育機関(以下「学部等」という。)は、それぞれが管理する教育課程における生成系AIの利用について、必要に応じて、別の定めをすることができる。また、学部等は、その教育課程を構成する科目担当教員が、この留意事項又は学部等の定めと異なる定めをすることを認めることができる。

(生成系AIシステムの定義)

3 この留意事項において、生成系AIシステムとは、コンピュータシステム(ネットワーク上のサービスとして提供されているものを含む。)のうち、データに基づく学習を行い、かつ、その学習結果に基づく新たな出力を行う機能を備えるものをいう。

(教員による生成系AIシステムの利用)

4 教員は、その担当する科目の教育について、道具として生成系AIシステムを利用し、及び、教材として生成系AIシステムの出力を利用することを妨げられない。

5 教員は、前項の利用を行った場合、当該科目の履修者に対して、当該利用の事実を告知しなければならない。

(学生による生成系AIシステムの利用)

6 学生は、その履修する科目の学修について、道具として生成系AIシステムを用いることを妨げられない。ただし、生成系AIシステムは、利用者が入力した情報を記録及び学習する特性を有することから、次のような情報を入力してはならない。

ア 研究上の秘密等一般に秘密として取り扱うべき情報

イ 個人情報やプライバシー情報等の人格的利益を害する蓋然性のある情報

ウ 他者の名誉等の人格的利益を害することを目的とする虚偽の情報

7 前項にかかわらず、学生が履修する科目においてレポート等の学修成果物(以下「レポート等」という。)の作成及び提出をする場合においては、生成系AIシステムの出力内容を参考資料とすることは差し支えないが、当該出力内容そのものをレポート等としてはならない。

8 学生が、レポート等の作成及び提出をする場合において、生成系AIシステムの出力内容を参考資料とした場合は、当該レポート等に次の事項を明示し、又は、添付しなければならない。ただし、ウ及びエについては、当該科目を担当する教員が予め指示したときは、追加提出に応じることができるように準備することで足りるものとする。

ア 利用した生成系AIシステムの名称及びバージョン

イ 生成系AIシステムの利用日

ウ 生成系AIシステムに投入したプロンプト等の情報及び環境設定

エ 生成系AIシステムの出力内容

(教員による学生の生成系AIシステム利用の制限)

9 第6項から第8項にかかわらず、教員は、その担当する科目の教育に必要と認める場合、当該科目における学修の特定の部分について、生成系AIシステムの利用を禁止し、又は、制限することができる。ただし、これを行う場合には、禁止又は制限の内容及びその教育上の理由を明瞭に履修学生に示さなければならない。

(成績評価)

10 学生が第7項又は第8項に違反したレポート等を提出した場合、当該科目を担当する教員は、成績評価上、当該レポート等が提出されなかったものとして扱うものとする。

11 前項にかかわらず、当該科目を担当する教員は、他の成績評価要素によればS・A・B・Cの評価をもって単位を付与すべき場合であっても、当該学生の成績をF(評価不能)とすることができる。ただし、この措置を行うためには、当該科目を履修する学生に、予めその旨を周知しておかなければならない。

(改正)

12 この留意事項の改正は、学部長会議の議を経て、学長がこれを行う。

以上