FD・SD活動
教育力向上推進事業
本事業の目的
本事業は、本学の伝統と建学の精神を踏まえつつ、グローバル社会においてその存在感を一層高め、様々な分野において、リーダーシップを発揮して活躍することのできる人材の育成に資するよう、質の高い教育プログラムや教育システム等の開発・導入に係る教育取組など、教育課程および教育方法の工夫改善に関する取組や、学生支援、地域・社会連携の工夫改善に関する取組等を主たる対象として、「教育力向上特別予算」を措置することにより、当該取組の積極的かつ着実な推進を組織的に支援するとともに、本学の教育力の向上と活性化を全学を挙げて推進することを目的とし、2012年度から2021年度にかけて行われました。
※本事業のコンセプトを受け継ぎ、本学では2023年度より「教育イノベーション推進事業」を展開しています。
募集タイプ
本事業は、本学の学部、大学院、専門職大学院に係る教育組織および学生支援組織から下記2つの募集区分に分けて(※)募集しました。支援の対象とする取組は、「中央大学教育力向上推進委員会」において書面審査とヒアリング審査を通じて選定しました。
【Aタイプ】支援期間3年間(単年度3,000万円を上限)
- 複数の組織が共同して取組主体となる、新規性に富んだ取組
- 単一の組織による取組であっても、当該取組を基盤として、全学的に波及させることを含めた明確な将来構想を有する取組や、国内外の高等教育機関と連携した取組
【Bタイプ】支援期間2年間(単年度500万円を上限)
- 単独組織による萌芽的取組や学部、大学院、専門職大学院に係る教育組織および学生支援組織における教育および学生支援の個性化・特色化を推進するための取組
※Bタイプは2014年度から新設されました。
本事業における成果
■実施概要
採択取組数:36件(内、5件は私立学校施設整備費補助金及び私立大学等教育研究活性化設備事業において、文部科学省補助対象外経費について教育力向上特別予算を措置した取組)
総執行額:823,297,461円
■教育力向上のための多様な取組の創出
新たな教育プログラムの開発・実施のための取組や、当該組織における教育方法の工夫・改善のための取組をはじめ、地域社会との連携を推進する取組など、本事業を契機として数多くの取組が開始され、その後も本学の特徴的な教育として根付いてきたことが大きな成果として挙げられます。
■特別予算による取組の実現可能性向上
本事業内で採択された取組は既存の教育研究活動をさらに充実させるためのプラスαの活動として実施されるケースが多く、通常予算において実現が困難であった質の高い教育プログラムや教育システム等の開発・導入支援がなされたことも、教育研究活動の質向上につながったといえます。
■各組織の教育取組の可視化
募集・審査・選定の各段階や、採択後の2年目以降の継続審査において、取組内容の詳細計画やその進捗、また予算計画や執行状況などを精査したうえで支援取組を決定する仕組みとして実施しました。これにより、より効果的に教育支援を行うことができ、取組の可視化によって各組織間の切磋琢磨が促進される副次的な成果も生まれました。
さらなる教育力の向上に向けて
本事業を通して本学の新たな特徴として根付いてきた教育に関する意欲的な取組を、今後も継続していくこと、とりわけAタイプに該当する取組については、取組発案者である代表組織内のみにとどまらず、全学的に取組およびその成果を波及させていくことが期待されます。
また、本事業の実績として、教育環境の整備を主な内容とした取組が複数採択されましたが、今後は教育力の向上という事業目的を改めて主眼に置き、さらに新規性に富んだ柔軟な教育プログラムの積極的提案が求められます。
2018(平成30)年に発出された文部科学省中央教育審議会答申「2040 年に向けた高等教育のグランドデザイン」においては、高等教育改革の実現すべき方向性として、「高等教育機関がその多様なミッションに基づき、学修者が『何を学び、身に付けることができるのか』を明確にし、学修の成果を学修者が実感できる教育を行っていること。このための多様で柔軟な教育研究体制が各高等教育機関に準備され、このような教育が行われていることを確認できる質の保証の在り方へ転換されていくこと」が掲げられ、「学修者本位の教育の実現」が謳われています。
本学は、そのような社会の要請を踏まえつつ、本事業で得られた成果をさらに波及させ、学修者本位の教育の実現に資するよう、今後も教育研究活動の質を継続的に高めていくことを目指してまいります。
採択取組一覧
各取組名をクリックすると、各取組の概要や実績をご覧いただけます。