学生相談室コラム「『SNS世代』とインターネット利用」

(1)SNS世代の特徴とインターネット

  • 知識は豊富。
  • 考える前にすぐネットで調べる。
  • 「即時対応」「即時問題解決」を求めてくる。
  • 内省力、問題解決能力が育っていない。
  • 文字でのやりとりは得意。対面でのやりとりが苦手。

 最近、このような学生が増えたと感じることはありませんか。生まれたときからインターネット環境にさらされている世代(概ね1980年以降に生まれた若者)は、「デジタルネイティブ」、「SNS世代」と呼ばれ、そのコミュニケーションの取り方にもいくつかの特徴が見られます。冒頭に挙げたのは、その代表的な例です。
 インターネットは、もはや私たちの生活には無くてはならないものとなっており、双方向のコミュニケーションができるソーシャル・メディア、中でもFacebook、Twitter、LINEなどに代表されるSNSは、いつも一緒にいる友達やたまにしか会えない友達と繋がることでお互いの近況を知り、同じ趣味や嗜好を持つ人と情報交換や交流ができるというメリットを持っています。
 他方、デメリットとしては、「『いいね』疲れ」などと言われるように、ネット上での人間関係に疲れ、人と関わるのが嫌になってしまう、あるいは、情報の取捨選択がうまくできず、情報に翻弄されてしまうことなどが挙げられます。また、個人情報を漏洩してしまったり、違法行為を写真に撮ってアップしてしまったケースなど、深刻な問題に発展する危険もあります。
 また、アルコール依存などと同様、自分の意思でインターネット利用をコントロールできなくなったり、現実から逃避したいという心理状況から過度に利用してしまう「インターネット依存症」も、身体的・精神的健康面や学業、対人関係に多大な影響を及ぼすため、最近深刻化しつつあります。
 学生相談室を訪れる学生の中にも「自分の考えを述べる場面でもネットで答えを探す」、「SNSではとても饒舌なのに、対面での会話はとてもたどたどしい」、「近くにいる相手とでもLINEで会話する」、といった学生が多く見受けられます。また、ゼミやクラス、サークルのメンバーで作った「LINEグループ」内で仲間外れや悪口が蔓延してしまい、「SNS疲れ」を訴えてくる学生も増加傾向にあります。

(2)「SNS世代」、「SNS疲れ」の学生への関わり方

 「SNS世代」の学生、「SNS疲れ」をしている学生には、どのように関わっていくのがよいでしょうか。結論としては、基本的な対応は「学生対応の基本」と同じで、対等な立場として認識する、傷つけない、きちんと話を聴く、学生の立場・意見を尊重する、情報を正確に伝える、秘密を守る、自分の間違いに気づいたら謝る、など、通常の対応と変わらない姿勢が必要です。
 また、対面で話すだけのやりとりでは話が入っていかない学生には文字や図絵で説明する、一度に沢山の情報を処理できない学生には情報を箇条書き(小分け)にして伝えるなど、ちょっとした工夫を加えることで、よりスムーズな理解につながることがあります。また、自分で考えてほしい問題について、「自分で考えて」と言うだけでは突き放したようになってしまうので、その場合はいくつかの選択肢を用意したり、「こういう方法もあるよ」とヒントを提示する方法も考えられます。

(3)教職員自身も振り返ってみる

 言うまでもないことかもしれませんが、学生への注意喚起だけでなく、教職員自身がSNSを含むソーシャル・メディアの使用状況について、今一度振り返ってみるということも重要です。LINEなどを通じて、教職員のプライベートと学生のプライベートが繋がってしまい、境目が無くなってしまっているということはないでしょうか。利用しているソーシャル・メディアが、職務上の利用なのか私的な利用なのか、情報が不特定多数の人たちに拡散してしまっていないか、差別的・誹謗中傷的と受け止められる発言をしていないかどうかなど、プライバシー設定や過去の投稿記事を改めて見直してみていただきたいと思います。