学生サポート

学生から「学修がすすまない」との相談を受けたら・・・

授業中に板書のノートがとれない、自分でとったノートが意味不明でわからない、気が付くと授業とは別のことを考えていてぜんぜん学修も進まない、と訴える学生に出会ったら、どのようなアドバイスをしたらいいでしょうか?

これらの困りごとを相談しに来られたら「詳しくはないけど、以前発達障害の学生が同じようなことを言っていた。少し調べてみては?」などと声をかけてはいかがでしょうか。
マルチタスクの不得手や注意の転導性(気が散りやすいこと)は、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動性障害(ADHD)に認められる所見です。ADHDの症状である場合、薬物療法により改善する可能性があります。また、改善は得られずとも、診断を知ることにより症状とうまく付き合うための工夫を自分で学修したり、診断に基づく配慮願いを大学に申し出ることにより、症状によるハンデを補うための環境調整を行ったりすることができるため、診断を受けることは重要です。
印象として、一般的にADHDの方が受容されやすい傾向があります。現在、インターネット上にはフリーアクセスの診断評価尺度が存在しますので(Diagnostic Interview for ADHD (DIVA 2.0))、参考にするよう勧めてみても良いかもしれません。もし学生が「そうかもしれない」と話すようであれば、診断を受けることのメリットを伝えて、学生相談室や医療機関へ繋いでもらえればと思います。
 なお、もしこうした学生に授業担当者として配慮する場合には、主治医からの診断書や診療情報を基に、学生と学部事務室、担当教員で丁寧に相談されることをお勧めします。