学生サポート

遅刻や課題未提出が目立つ学生がいたら・・・

授業への遅刻が多く、提出物も出てこない学生がいます。最低限の出席はしていますが、居眠りをしたり集中が途切れたりしていることが多いようです。こうした学生にはどのように対応すれば良いでしょうか?

授業終了後に、落ちついたトーンで「最近、授業中に寝ていたり、遅刻してくることがあるようだね。夜はしっかり眠れているの?」と声をかけてみてください。睡眠がとれなくなることは、様々な精神疾患の前兆としてみられる症状ですので、早めの対応が望まれます。睡眠がとりづらくなる理由としては、経済的事情から夜勤のアルバイトをしなければならない状況であったり、家庭や友人関係でのストレスなどが考えられるかもしれません。
また、ADHD(注意欠如・多動性障害)という発達障害があります。ある時点で病気に罹患したということではなく、生来の脳の器質の特徴のために、小中学生の頃から生活上の困難が生じている場合があります。例えば、(1)様々な刺激によって集中が途切れる(授業中に外で音楽サークルの練習音が聞こえるとそちらに耳が傾いてしまうので授業内容についていけなくなるなど)、(2)中長期的な計画を立てそれに沿って課題を遂行することができない、テスト勉強はいつも一夜漬け、(3)時間感覚の独特さがあるために、約束の時間に間に合うように、時間を逆算して家を出ることが苦手、(4)ひらめいたことに過度に集中して、食事を摂ることや眠ることも忘れる、というようなことです。先生の声かけに対して、「すみません、大丈夫です、来週から頑張ります」と言うかもしれませんが、この学生の遅刻、居眠り、課題の未提出が、本人の根性や心がけ次第で解決するものではないかもしれません。そこで、「これまでもこういったことで苦労してきたことはない?」「もし睡眠のリズムが崩れているのであれば生活しづらいし、気分も優れないよね」と伝えた上で、「学生相談室には似たような苦労をしている学生が相談に来ていると聞いている。カウンセラーや精神科の医師もいるから、専門的な知識で解決方法を一緒に探してくれると思うよ。」と伝えてみましょう。学生は「わかりました」と言うでしょうが、初めての場所へ行き、初対面の人と話すのが苦手な場合もありますので、初回は同行してくださると幸いです。