学生サポート

教室に入れない・入りにくいという学生がいたら・・・

他の学生から見られている気がして教室に入れない、入って来ても腹痛などで中途離席することが多く、そのうちに来られなくなってしまう学生がいます。こうした学生にはどのような声かけや配慮をしたら良いですか? 

まず「最近、途中で教室を出ていくことが多かったり休みがちな様子だけれど、体調はどうなの?」と穏やかに声をかけてみてください。学生たちはほんのささいなきっかけから登校できなくなる場合があります。例えば、発表の時に声が裏返った、質問に答えられなかった、お腹が鳴ったなどでしょうか。
繊細できまじめな学生の場合、何らかの事情で1回休むと、先生やクラスの人にさぼっていると思われるのではないかと不安になり、翌週から出席できなくなることがあります。1つの授業で休み始めるとほかの授業へも影響し、ついには家から出なくなるような状況に発展する場合もあるのです。ですから欠席を長引かせないうちに対応することが必要です。
「腹痛での途中離席」について考えると、精神的なストレスが、食欲不振、胃の痛み、吐き気、腹痛、下痢などの消化器系へ影響することは誰にでも日常的にみられることです。原因となるストレスの軽減が必要です。「誰かに見られている」という感覚は、大学生の年代で発症する人が多い「統合失調症」の「注察妄想」という症状にも当てはまりますので、気になる場合は早期に医師に繋げましょう。また「社交不安障害」という疾患では、大勢のいる場所へ出ることやすぐに抜けだせないような閉鎖空間にいると息苦しくなるという症状や、人からどう思われているのかが気になって仕方がないという感覚から、人が怖い、人に見られているのではないか、という強い不安へと発展していく場合もあります。いずれにしても、神経が相当に張りつめていて、外界の様々なことへの過敏さが強いので、このままでは疲弊していき生活に支障が出ることは明らかです。学生相談室には精神科医がおりますので、治療が必要かどうかを判断してもらいましょう。外部の医療機関の紹介や、学内で軽い安定剤などの処方もしてもらうことができます。
医師は、学生との面談の結果「通院加療が必要」「しばらくは途中離席する場合もある。入退室がしやすいドア付近の座席の確保をお願いしたい」「欠席が多くなった場合には、代替課題などでの対応を検討してください」などの意見書を出すこともあります。このような相談室の体制を説明し、「相談室に行くことはあなたの役に立つと思う。相談室と教員、事務室とで連携していくことができる」ということを伝えてください。
また、過敏性大腸症候群や潰瘍性大腸炎、クローン病などの内部障害があり、その症状で腹痛やトイレ離席を申し出る学生もいます。そのような申し出があった場合にも、座席の配慮などをお願いします。