学生サポート

自殺をほのめかす学生がいたら・・・

「死にたいんです」「私なんかいなくなってしまえば」などと自殺をほのめかす相談を受けました。リストカットもしているようです。どのように対応すれば良いでしょうか?

「死にたい」「私なんかいなくなってしまえばいい」などの気持ちは、希死念慮と言います。死にたい気持ちに陥るほど心が危機的になる原因は様々です。学業・仕事・家庭・友人関係・恋愛・健康など、本人が解決困難に感じた問題がきっかけとなったり、具体的な理由がなく慢性的に気分が落ち込んで死にたいと考えたりする場合があります。希死念慮が自殺に直結するわけではありませんが、繰り返し起こることで自殺行動に至ることがあります。
リストカットは刃物で手首を傷つける自傷行為です。身体のあちこちを傷つける人もいます。不快感情(寂しさ・不安・怒り・見捨てられ感など)への対処、緊張感からの解放、現実からの逃避、現実感の回復、自己感覚の回復、怒りの発散、生きていることの確認などの理由があります。人の気を引くために自傷行為をする人もいますが、少数です。自傷行為を繰り返して痛みに慣れてくると、新たな痛みを探してどんどん行動がエスカレートしていき、自殺行動に繋がる場合があります。
希死念慮や自傷行為を人に相談することは、とても勇気がいることです。まずは話をじっくり聴き、話してくれたことを労い、思いやりを持って接するようにしましょう。「そんなに辛い思いをしていたんだね。話してくれてありがとう」「どんな時にそんなふうに思うのかな?」と声をかけてください。可能であれば、具体的に死ぬ計画を考えているのか、過去に自殺行動をしたことがあるかなど、危険性がどのくらいあるのかを探れるといいでしょう。
問題の捉え方は人それぞれに違います。学生の話を「大したことがない」と感じたとしても、安易に「大丈夫」と言ったりしないようにしましょう。お説教も禁物です。問題解決を急がず、自傷行為や自殺行動以外の解決方法を一緒に探っていきましょう。
このような話を受け止めるのは荷が重いと感じる場合もあるでしょうから、あらかじめ聴く時間を決めておくことをお勧めします。
また、たとえ学生から秘密にしてほしいと言われても、「生命、身体または財産の保護のために必要な場合」は第三者への情報提供は認められています。一人で抱え込まずに、周りの教職員や、学生相談室・保健センターへ相談してください。連携しながら対応することは、学生を守るためにも必要なことです。