学生サポート

まとまりがなく一方的な発言をする学生がいたら・・・

講義やゼミ中に、まとまりのない発言を延々と続ける学生がいます。考えを整理できていない一方で、こだわりは強いようです。授業の進行にも影響が出ているのですが、どのように対応すればいいでしょうか?

背景に発達障害の存在が疑われるケースです。講義やゼミの最中に、他の学生の前で、できていないことを指摘するのは避けましょう。もし発達障害であった場合、人前で教員から受けた注意や叱責、友人からの仲間外れ、家族との口論などが、数年以上も経ってから強い感情や表現を伴って想起され、トラウマ体験として蓄積されることがあります。
まずは授業外の時間に呼び出し、「いつも一生懸命発言してくれてありがとう。ただ、考えをまとめて話すのは少し苦手かな?」などと声をかけてみてはどうでしょうか。ネガティブな内容に入る前に、熱心に取り組む姿勢を評価することから始めると良いと思います。また、授業の進行に影響をきたしていることは伝えない方が良いでしょう。本人から「いつも授業を止めてしまってすいません」などという話が出てこない場合は、周囲の状況を認知する力が弱いことが示唆され、発達障害の特性の一つを持ち合わせていると考えられます。ほとんどの学生は、「そうですね、確かに考えをまとめるのは苦手かもしれません」などと返事すると思います。もしそういった返事ではなく否定された場合には、はっきり「私はそう思いながら聞いていました」などと伝え、問題意識を持たせましょう。
当然のことながら、言及したところで急にまとめて話せるようになったり、こだわりが解消したりするわけではありませんので、具体的な対処としては、(1)発言を求める質問を事前に提示し回答を準備してきてもらう、(2)発言順を後回しにして書いてまとめてから発言させる、(3)発言を時間で区切る、(4)発言中に話がそれたら教員から指摘する、(5)授業中に発言を求めない代わりに書かせて提出させる、などの方法の中から本人に選択させるのが良いと思います。