卓球部

卓球部 全日本大学総合卓球選手権大会・団体の部

2015年07月27日

7月16~19日

愛媛県武道館

全員卓球で3年ぶりのベスト4! しかしアマチュア最強の愛工大には完敗

筑波大戦で勝利し、チームメイトとハイタッチをする定松

 2年前に失ったベスト4の座を奪い返した。予選リーグ1位で決勝トーナメントを迎えると、ヤマ場である2回戦の筑波大に辛勝。勢いそのままに準々決勝は法大に3-0で勝利してベスト4を確定させた。準決勝は優勝した愛工大に宮本幸典(文2)の1セットしか奪えず0-3で完敗した。世界卓球日本代表8人の内5人がこの大会に出場しており、大学卓球のレベルは非常に高い。ベスト4に入れた喜びもあったが、それよりも優勝校との実力を思い知らされた大会でもあった。

 予選2試合に快勝した後、決勝トーナメントの抽選が行われた。前回ベスト8だった中大は第5~8シードの抽選となった。4チームの主将でくじを引く順番の抽選をした結果、徳永大輝主将(商4)は4番目だった。前回ベスト4の明大、愛工大、早大、法大のどこかと準々決勝を行うことになる。法大は春季リーグ戦で2部に降格しており、「穴場」であった。次々に他大がくじを引き、最後に残ったシードが中大となる。余りものには福がある、その言葉通り中大は法大のブロックに入った。「いいところには入れた。でも2回戦で筑波大にあたるから簡単にはいかない」(徳永主将)とチームメイトに報告した。

 決勝トーナメント1回戦は中京大。1番の定松祐輔(文2)がフルセットでの勝利と苦しんだが、団体としては3-0で危なげなく勝利した。

 2回戦は最大のヤマ場である筑波大。今秋から関東1部に復帰したチームではあるが、インターハイ三冠王の坪井が加入したことで大幅に戦力アップした。1ダブルス6シングルスのリーグ戦では選手層に欠けるが、1ダブルス4シングルスのインカレでは強さが格段に上がった。1番手の徳永主将は2セット先取した後2セット奪い返されて最終ゲームへ。主将の意地を見せ11-5でこのセットを取りまずは役割を果たした。続いて登場したのは宮本で相手はエースの坪井。ラリーでは五分五分だが、チキータ(攻撃的レシーブ)に苦しめられる。1-2で迎えた第4セット、6-9と追いつめられるも逆転してこのゲームを奪う。しかし「最終ゲームの戦い方が甘かった」とエース相手に惜敗した。続くダブルスは大野泰士(文4)・大坂亮輔(文3)組。ここでも坪井に苦しめられ、先手を奪われる展開が続く。勝負所でのサーブミスも出てしまい1-3で敗れた。後がなくなった中大は大坂がコートへ。「坪井とダブルスまでは想定内だったので焦りはなかった」と第1セットを11-6でとり、実力差を見せつけストレートで圧勝した。ラストは定松。「ここ最近不調だったので心配していた」(鈴木監督)。相手も関東学生選手権ベスト8の斎藤と実力者。序盤からラリーが続く好ゲームとなったが、定松のほうが1枚上手だった。11-7、11-8、11-9で接戦をものにした。最後のポイントを取ると、定松はコートに倒れながら喜んだ。「(最近は)気持ちが弱くなっていたが、勝ててめちゃくちゃうれしい」(定松)と復調を予感させた。「いいきっかけになれば」(鈴木監督)と指揮官も手ごたえを口にした。

流れを引き戻した大坂

 準々決勝は法大との一戦。トップの徳永主将は苦手のカットマン相手だったが、実力差を見せつけた。ドライブでコースをつき、浮いた球をスマッシュで決めるパターンで得点を重ね、最後まで圧倒。会心のストレート勝ちで流れを作った。「筑波、法政とトップで起用して、勝利だけでなく主将らしいプレーでチームを引っ張ってくれた」(鈴木監督)。2番手の宮本は連続でエースとの対戦となった。恵まれた体格から放たれる球は大学屈指の威力を誇り、サーブもいろいろな種類・位置から出されてやりづらい相手だ。1セット目はリードを許すが、終盤に逆転し先制する。ここからは宮本の独壇場だった。丁寧なレシーブで相手に攻撃をさせず主導権を握る。途中から相手の気持ちも切れて、11-7、11-4のストレートで勝った。ベスト4進出に王手をかけて、ダブルスを迎えた。最初のセットを奪うが、2セット目は13ー15で落としてしまう。続くセットを取ってあと1セットに迫るが勝負は最終セットへ。膠着した展開だったが11-8で勝利した。筑波大戦とはうってかわって、選手たちは安堵の表情を見せた。

安定感のあるカット打ちで快勝の徳永主将

 大会最終日、午前9時に準決勝はスタートした。相手は愛工大。今春、社会人の強豪チームが所属する日本卓球リーグで学生初の優勝を達成した文字通り「アマチュア最強軍団」である。トップは宮本の相手はダブルエースの一角の吉村真。全日本選手権で優勝経験があり、現在世界ランク20位の難敵だ。卓球専門誌が取り上げる程サーブの回転・コースがわかりづらい。硬さの見えた第1セットを落とすが、2セット目を奪う。しかし、次のセットからはスマッシュのミスも目立ち、「何をすればいいかわからず混乱した。ラリーになるまでのところに大きな差があった」(宮本)と相手のペースについていけず1-3で敗れた。第二試合は同じく2年の定松ともう一人のエースの吉田。今春の世界卓球にシングルスで出場して勢いに乗っている選手だ。昨年の個人インカレでも対戦しており、リベンジの場となるか。ラリーに強い相手に「得点源がなかった。世界レベルは上のまた上だと感じた」(定松)と圧倒され0-3で敗北した。後がなくなって迎えたダブルスも苦戦が続く。持前も攻撃力も影を潜め、サーブレシーブで崩された。2セット目をジュースの接戦で落とすとそのまま立て直せずストレートで敗戦した。

バックハンドで返球する宮本

 ベスト4に入るも、愛工大には歯が立たなかった。「筑波大戦ではチームの底力を見せれた。愛工大のトップレベルの選手とやってどう感じたか、世界レベルの選手だからしょうがないと思っているようじゃ男じゃない」(鈴木監督)と振り返る。また、同時進行で行われていた明大ー早大では早大が昨年のチャンピオンの明大から大金星をあげた。「エース以外は早大の選手も中大と同じ実力。でもこういったところで明大のエース格の選手にいい勝負をして勝っているのだから、もっと戦えたし、悔しい」(大坂)と気持ちを露わにした。しかし収穫もあった。昨年はメンバーに入っていなかった宮本がチームの中心になりつつある。「サーブレシーブがよくなって、エース級の選手にも勝てるようになってきた。今年はお前にかけると言ったら、練習への意欲も変わってきたし、もっと伸びると思う」(鈴木監督)と期待を寄せる。「トップレベルの選手に勝たないと、明大・愛工大には勝てない。ベスト4で満足せず、夏はもっと鍛えていく」(宮本)と自覚も出てきた。また、コーチの白神俊佑氏(平成20年度卒)も「10月の全日学(個人インカレ)をひとつの目処に、体作りをしていきたい」と語る。  「中大の体育館は空調設備がなくてとにかく暑い。暑さに負けず練習して、秋にいい結果を残せるよう頑張っていきたい」(定松)。苦しい夏を乗り越え、実りのある秋を迎えたい。

◆試合結果◆

決勝トーナメント

1回戦

○中大3-0中京大●

定松3-2三浦

宮本3-1伊藤

大野・大坂3-0杉本・村松

 

2回戦

○中大3-2筑波大●

徳永3-2片岡

宮本2-3坪井

大野・大坂1-3坪井・斎藤

大坂3-0三浦

定松3-0斎藤

 

準々決勝

○中大3-0法大

徳永3-0矢野

宮本3-0村井

大野・大坂3-2村井・南波

 

準決勝

●中大0-3愛工大○

宮本1-3吉村真

定松0-3吉田

大野・大坂0-3吉田・吉村和

 

◆大会結果◆

①愛工大

②早大

③明大

中大

 

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部