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日本政府施策(スタートアップ育成5か年計画)の抜粋
スタートアップの育成は、「日本経済のダイナミズムと成長を促し、社会的課題を解決する鍵」として認識されており、政府は2022年11月に「新しい資本主義」の実現に向けた取り組みとして「スタートアップ育成5か年計画」を発表しました。これは日本のスタートアップを大幅に増やすための戦略であり、本計画により、2027年までの目標としてスタートアップへの投資額を10兆円規模にまで引き上げることなどが盛り込まれています。
〇我が国を代表する電機メーカーや自動車メーカーは戦後直後に、20代、30代の若者が創業したスタートアップとしてその歴史をスタートさせ、その後、日本経済をけん引するグローバル企業となった。
〇本年をスタートアップ創出元年とし、戦後の創業期に次ぐ、第二の創業ブームを実現する。そのために、スタートアップの起業加速と、既存大企業によるオープンイノベーションの推進を通じて、日本にスタートアップを生み育てるエコシステムを創出する。
〇スタートアップ・エコシステムの創出にあたっては、ガラパゴス的思考に陥ることなく、グローバル市場に果敢に挑戦するスタートアップを生み出していくという視点を持つこととする
〇起業を望ましい職業選択と考える人の割合は、中国では 79%、米国では 68%であるのに対し、日本は 25%と、先進国 ・主要国の中で最も低い水準にある。
〇日本で起業家を増やすためには、10代、20代といった若い時期からスタートアップの起業を志す人材の育成を進めていく必要がある。
〇我が国の大学におけるスタートアップ創出支援については、スタートアップに対する事業化支援や施設提供、起業家教育を実施している大学の割合は依然として少なく、これを改善する。
〇実際に起業を行おうとする者に対し、その起業家が有する技術や知識を効果的にビジネスへとつなげられるようなサポートを行う枠組みを充実させる。
〇起業を志す若手人材を選抜してシリコンバレーに派遣する派遣事業について、今後、派遣規模を5年間で 1,000 人規模に拡大する。その際、学生や女性起業家を含めた幅広い人材を募集する仕組みとする。また、シリコンバレー、ボストン、ニューヨーク、サンディエゴ、オースティンといったイノベーションの拠点となっている米国各都市や、イスラエル、シンガポール、北欧など世界各地における、スタートアップ、ベンチャーキャピタル、アクセラレーター等でのインターン研修等を追加する。さらに、シリコンバレーとボストンに日本のビジネス拠点を新設する。
〇大学発のスタートアップ創出を後押しするべく、全国各地の研究大学は、「1大学につき50社起業し、1社はエグジットを目指そう」という運動を展開する。
〇半数近くの大学生がスタートアップへの就職も希望しているという現状も踏まえ、希望する学生への起業家教育やメンター・アクセラレーターからの支援を受ける機会を提供することが重要である。
〇大学へのインキュベーション施設の整備を行う。また、大学の技術シーズと、大企業における経営人材をマッチングするための取組を進める。
〇グローバルスタートアップキャンパスを創設し、海外大学等との共同研究や研究者交流等を先行的に実施し、迅速にスタートアップ創出に取り組む。また、これらの取組を通じて、アカデミックな分野にとどまらず、スタートアップやベンチャーキャピタルでの活躍も含め、グローバルに活躍する博士課程学生や若手研究者の育成を図る。