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グローバル・パーソンメッセージ vol.074 パリオリンピック・パラリンピック出場の白門アスリート達
2025年02月14日

PARIS 2024 パリオリンピック・パラリンピック開催記念特別編
2024年7~9月に開催されたパリ五輪で、日本は金20、銀12、銅13と合計45個のメダルを獲得し、金メダル数、メダル総数ともに海外で開催された五輪では過去最多となりました。本学からは、オリンピックに在学生1名と卒業生15名、パラリンピックに在学生1名、合計17名の選手が出場しました。
閉幕後の10月11日(金)、多摩キャンパスを主会場に行われた出場選手の懇談会と報告会には、4名の選手が来校、3名の選手がオンラインで参加しました。選手達はオリンピック・パラリンピックの感想や今後の抱負、パリでの試合の様子や選手村でのエピソードなどを語りました。グローバル・パーソンとして世界の舞台で戦った白門アスリート達のメッセージをご紹介します。
Global Person Message
[ボクシング]岡澤 セオン 選手
SEWON OKAZAWA|ボクシング 男子ライトミドル級(71kg)|2018年法学部卒

改めてスポーツの力・オリンピックの力を感じました
オリンピックが他の大会と何が一番違うかというと、やはり世の中の人にどれだけ見てもらえているかだと思っていて、本当にたくさんの人に応援してもらえたパリオリンピックは、すごく幸せな経験でした。改めてスポーツの力・オリンピックの力を感じました。
また、パリオリンピックでいろんな競技を観てきて、フランスの人はスポーツの楽しみ方を知ってるという感じがすごくしました。盛り上がり方を知ってるし、どの競技に行っても楽しんでいました。アマチュアボクシングは分かりづらい部分があるスポーツですが、それもすごく楽しんで観てくれました。オリンピックという舞台のすごさもありますが、フランスの人達のその楽しむ気持ちがすごく感じることができて、いい場所でプレイができました。
Q. オリンピック期間中、苦労したことや大変だったことは?
負けたのが一番大変でした。それと試合会場と選手村をつなぐバスにエアコンがなくて、いつも汗だらだらで向かっていました。ボクシングの選手は気性が荒い選手が多いので、外国人の中にはドアを壊すんじゃないかってくらい暴れている選手もいて、バスの中がカオスでした。熱いし暴れているし、これはどう対処することもできなかったですね。
[ローイング]宮浦 真之 選手
MASAYUKI MIYAURA|ローイング(ボート)男子軽量級ダブルスカル|2019年法学部卒

国際大会では自分の思い通りにいかないことが多いので臨機応変に対応
私自身初めてのオリンピックでしたので、どういう舞台かというのは漠然と想像はしていました。実際にオリンピックの舞台では、観客の数、規模の大きさ、各国のかける思いなど、想像をはるかに上回る舞台で、圧倒されそうになりましたが、中央大学をはじめ日本からの多くの声援をいただきまして、なんとか最後までやり切ることができました。
結果としては16グループ中14位と非常に厳しい結果ではありましたが、今回の大会を経験することで個人でもそうですし、日本のボート界として何が足りないのか明確になりました。そういう部分を自分が選手としても、選手を終えてからも、中央大学の漕艇部をはじめスポーツ界に何かしら今回の経験を還元できたらと思っています。
Q. オリンピック期間中、苦労したことや大変だったことは?
ローイング競技は選手村からバスで1時間の場所に会場があったため、エアコンのないバスにあたるとスチームサウナのようになり、窓の内側が結露して…という状況でかなり大変でした。選手村に2週間くらい滞在しているうちに、だんだん移動や混雑にも慣れてきて、混雑を避けながら自分のトレーニング時間を確保できる時間に移動したり、混雑しているバスはやり過ごすなどしていました。
国際大会では似たような経験があり、大きな国際大会では自分の思い通りにいかないことが多いので臨機応変に対応すること、自分のコントロールできない部分はコントロールしようとしすぎないことが大事だなと感じました。それがオリンピックでは非常に必要だなと思いました。
■後輩へのメッセージ(中央大学[スポーツ振興]WEBサイトより)
オリンピックで行われる競技スポーツは画一的なルールを基に成立します。これは昨今取り上げられている多様性と対照を成すものと感じるかもしれません。しかし、私はこの画一的なルールが多様性を強調する部分もあると感じています。ローイングであればルールを基に最速を競います。ルールにより一定の制約があるからこそ、体格差や漕ぎのスタイル、練習内容など速さへのアプローチの違いを感じます。競技を通して「違い」を尊重し合う経験を何度もすることで、自身の視野を大きく広げることができました。
中央大学というコミュニティでは、競技スポーツほどの画一性は無いと感じますが、それでも一定の画一性を有すると思います。この画一性のなかではより「違い」を感じ易いのではないのでしょうか?
このような視点で、中央大学で学ぶ仲間との交流から得られるものに目を向けて見てはいかがでしょうか。
[フェンシング]永野 雄大 選手
YUDAI NAGANO|【金メダル獲得】フェンシング 男子フルーレ団体 |2021年法学部卒

フランスの人達はスポーツの盛り上げ方・楽しみ方をよくわかっていた
皆さんのサポートなしでは自分はまずオリンピックに出場することも難しかったでしょうし、ましてやメダルを獲ることも考えられなかったと思うので、本当に感謝しております。次のロスオリンピックでは個人・団体共に金メダルを持ってここに帰ってこれたらいいなと思っているので、これからも是非応援よろしくお願いします。
前回の東京大会は無観客で独特な緊張感がありました。オリンピックってこんな感じかと思っていたのですが、今回は歓声がすごくて、東京大会と比にならないぐらい緊張しました。今まで試合してきた中でこの歓声の多さは初めてでした。また、フェンシングはルールが難しいけれど、フランスの人達は盛り上げ方・楽しみ方をよくわかっていました。
Q. オリンピック期間中、苦労したことや大変だったことは?
自分はリザーブだったので選手村に入れなくてホテルから通っていたのですが、エアコンがなく、暑くて夜は眠れない日がありました。その時は帰りたいなと思いました(笑)
■後輩へのメッセージ
学生の皆さんは、何か自分の好きなこと・熱中できることを見つけて、それを頑張っていってほしい、頑張っていけば何かいいことがあるんじゃないかなって思います。
[フェンシング]上野 優佳 選手
YUKA UENO|【銅メダル獲得】フェンシング 女子フルーレ団体|2024年法学部卒

フェンシングの発祥の地フランス・パリのグランパレで試合ができて嬉しかった
パリオリンピックに行く前に“必ずメダルを獲ってきます”と言って臨んだ大会だったので、自分自身とてもプレッシャーを感じていました。東京オリンピックではメダルを獲得できず悔しい思いをしていたので、今回はメダルを獲ってくることができて嬉しく思っています。
東京オリオンピックでは無観客の開催となってしまいましたが、今回は有観客でたくさんの観客がいる中で試合をすることができました。フランスはフェンシングの発祥の地なので、フェンシングを知っている方が多くいる中で、グランパレという舞台で試合できたということは嬉しかったですし、とてもいい経験になりました。でも銅メダルとなってしまったので、次のロスオリンピックでは個人でも団体でも金メダルを取れるよう頑張っていきたいと思います。
Q. オリンピック期間中、苦労したことや大変だったことは?
東京大会の時は人が入っていなかったので自分の叫び声しか聞こえませんでした。今回は歓声が大きすぎて、自分が点を取って叫んでいてもまわりには聞こえていないし、「はじめ」の声が聞こえなくて何回も試合を止めたことがありました。同じように審判の「はじめ」の声が聞こえづらくて苦労している選手がたくさんいて、そういう意味ではやりづらかった大会だったかもしれません。
■後輩へのメッセージ(中央大学[スポーツ振興]WEBサイトより)
夢や目標を持っていても達成することが難しかったり、無理だと感じてしまうことがあるかもしれません。ですが、今回メダルを取って感じたことはとにかく諦めずに周りの応援してくれる人や、自分を信じて進み続ければ夢や目標の達成に限りなく近づけるし、達成するチャンスも出てくるということを改めて感じたので、今立ち止まったり、前に進むことができていない人は諦めないで前を向き続けてほしいなと思います。
[フェンシング]古俣 聖 選手
AKIRA KOMATA|【銀メダル獲得】フェンシング 男子エペ団体|2020年法学部卒

思い悩んだ学生生活があったからこそ獲れたメダル
パリオリンピックが初めてのオリンピック出場でしたが、オリンピックの影響力がこんなに大きいんだということを改めて感じることができる大会となりました。出場が決まった時と、メダルを獲得した時に、たくさんの方からSNS等で応援と祝福のメッセージをいただきまして、これだけたくさんの方々に応援していただいているんだということを感じることができ、すごく良い経験ができたなと思っています。
自分にとっては学生時代になかなか思うような結果が出せずに、思い悩んだ学生生活があったからこそ、メダルが獲れたと思っているので、中央大学の皆さまには大変感謝しております。まだ銀メダルなので、ロスオリンピックではもう一つ上の結果が出せるようにまた4年間頑張っていきます。
Q. オリンピック期間中、苦労したことや大変だったことは?
エアコンのないホテルで滞在していたので、暑さには苦しみました。永野選手とは同じホテルだったので、試合が始まる前に一緒にシチューを作って仲良く交流しました。
[ハンドボール]杉岡 尚樹 選手
NAOKI SUGIOKA|ハンドボール男子|2017年商学部卒

フランスと同様に日本でもハンドボールが盛り上がってくれたら
ハンドボールは36年ぶりの自力でのオリンピック出場で、やはりヨーロッパ勢がかなり強いといわれている中で、予選の相手も常にヨーロッパ勢だったのですが、1点差のゲームが2回と日本の力を十分に示すことができた大会だったかなと思います。だた振り返ってみると5戦全敗というのは、結果が求められる代表選手としては厳しい大会だったと思います。
今後について、自分のクラブでしっかりパフォーマンスを発揮していきたい、その先に代表があります。9月からハンドボールの新リーグの『リーグH』が開幕していますので、まずはそこに集中して、リーグH初代チャンピオンとなれるようにしっかり頑張っていきたいと思います。『リーグH』も観ていただけたら嬉しいです。
東京では無観客、今回のパリでは有観客で、相手は全でヨーロッパ勢だったため、アウェーな雰囲気になるのかなと思ったけれど、ヨーロッパではハンドボールは人気で観客の目が肥えているため、いいプレーには日本のプレーでも拍手してくれました。ハンドボールに対する熱やメジャーなスポーツなんだということを感じることができ、変に緊張することなく、大舞台でも楽しくプレーができました。あれくらいの環境や雰囲気で、日本でもハンドボールが盛り上がってくれたらいいなと感じました。
■後輩へのメッセージ(中央大学[スポーツ振興]WEBサイトより)
何か目標を立てて仲間や友達と協力してチャレンジするというのは学生時代の良い思い出となるので、色々なことに失敗を恐れずチャレンジしてほしいと思います!
[ハンドボール]部井久アダム勇樹 選手
ADAM YUKI BAIG|ハンドボール男子|2022年法学部卒

まずはオリンピック常連国になることからがスタート
東京オリンピックとパリオリンピック、2大会続けて出場させていただきました。在学中に、大学の皆さまの協力を得て、ハンドボール留学という形で本場フランスでハンドボールの経験を積ませていただく等、たくさんのサポートをしていただきありがとうございました。また大会中も、大会前も、たくさんの応援メッセージや連絡等をいただき、すごく力になりました。
目標としていたベスト8には届かず、予選敗退という形になってしまいましたが、ハンドボールはまずはオリンピック常連国になることからがスタートだと思っているので、今はスタートラインに立てていると思います。ロサンゼルス、またその次と続けて出場していくことで、ハンドボールのメジャー化、日本のハンドボールの成長につながるのかなと思っております。経験を次につなげていきながら、大学にこの経験を還元できればいいなと思っています。
■後輩へのメッセージ(中央大学[スポーツ振興]WEBサイトより)
大学4年が終わった時に、何でも良いから何かやり切ったと思えることがあると、その後の人生が変わってくる。ただ大学生活を送るのではなく、近い将来、遠い将来の目標をしっかりと見据えて取り組んでいくことが大切だと思います。
[パラリンピック水泳]日向 楓 選手
KAEDE HINATA|パラ水泳50m背泳ぎ、混合200mメドレーリレー7位入賞など|理工学部1年

日向選手は後楽園キャンパスからオンラインで参加
東京とパリ、2大会連続で出場しました。パリでは観客がいたということで熱狂した大歓声の中でレースをして、自分の泳ぎを最大限発揮することができてとても良かったと思っています。結果としては自分の思ったような結果ではなかったんですけど、自分の泳ぎができて、そこは悔いの残らないレースができたと思います。また4年後、ロス大会を目指して頑張りますので応援よろしくお願いします。