熱い戦いを見せてくれた16名の白門オリンピアン
2024年7月26日~8月11日に開催されたパリオリンピックに、中央大学から16名(在学生1名、卒業生15名、うち1名はリザーブで選出)が代表選手として出場し、その懸命にプレーする姿から多くの感動が生まれました。
大会期間中、たくさんの応援をいただきありがとうございました。
選手たちの活躍・経験は、中央大学のレガシーとして受け継ぎ、学生たちが自己の目標を達成しようとする際の道標となることを願っております。
以下に白門オリンピアンの活躍の詳細をご紹介します。
パリオリンピック出場選手の活躍
【陸上競技】
男子200㍍予選 力走する飯塚選手(左)(写真提供:共同通信社)
飯塚 翔太(いいづか しょうた) 選手
学 部:2014年法学部卒業(現所属:ミズノ)
【男子200m 敗者復活戦1組4位】
ロンドン、リオ、東京、そしてパリと、オリンピックに4大会連続出場の飯塚翔太選手。今回は陸上選手団のキャプテンも務めました。
男子200m予選に出場しましたが、20秒67(+0.2)の5着。今大会から導入された敗者復活戦に挑みましたが、20秒72(+1.0)の4着となり、準決勝進出は果たせませんでした。
4回の五輪出場は男子個人の陸上選手では既に最多タイですが、飯塚選手にはロサンゼルスオリンピック出場も期待されます。飯塚選手のご活躍を今後も応援よろしくお願いいたします。
【競泳】
女子800㍍リレー予選 力泳する第1泳者の池本選手(上)(写真提供:共同通信社)
池本 凪沙(いけもと なぎさ) 選手
学 部:法学部法律学科4年在学中(イトマン所属)
【女子4×200mフリーリレー 予選1組6位 全体13位】
東京五輪に引き続き、2大会連続のオリンピック出場となりました。女子4×200mフリーリレーの第一泳者として力強い泳ぎを見せましたが、日本チームは予選1組6位、全体順位は13位となりました。
本学在学中に2回(1年次と4年次)のオリンピック出場歴を持つ池本選手。パリから帰国後のインカレでは個人でフリー100m・200mの2冠を達成しています。今後も様々な大会での活躍が期待されますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします。
【ボクシング】
男子7㌔級2回戦 ヨルダンの選手(左)と対戦する岡澤選手(右)(写真提供:共同通信社)
岡澤 セオン(おかざわ せおん) 選手
学 部:2018年法学部卒業(現所属:INSPA)
【男子ライトミドル級(71㎏) 予選T16出場】
ボクシング男子71キロ級の2回戦から登場した岡澤選手。ヨルダンのゼヤド・エアシャシュ選手と対戦し、序盤から打ち合いになりましたが、2対3の判定負けとなりました。
2021年の世界選手権で金メダルを獲得している岡澤選手。今後も様々な大会での活躍が期待されますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします。
【ハンドボール】
日本―スロベニア戦 前半、シュートを決める部井久選手(中央)(写真提供:共同通信社)
【ハンドボール男子 予選Aグループ6位 全体11位】
杉岡 尚樹(すぎおか なおき) 選手
学部:2017年商学部卒業(現所属:トヨタ車体)
ポジション:レフトウィング(LW)
部井久アダム勇樹(べいぐ あだむ ゆうき) 選手
学部:2022年法学部卒業(現所属:Zeekstar Tokyo)
ポジション:レフトバック(LB)
杉岡選手、部井久選手とも、東京五輪に引き続き2回目のオリンピック出場。
〈試合詳細〉
一次リーグ初戦はクロアチアとの対戦。杉岡選手と部井久選手は揃ってスタメンから出場。前半は日本がリードしていましたが、後半に追い上げられ、【日本29-30クロアチア】1点差で惜敗となりました。
次の強豪ドイツとの対戦は【日本26-37ドイツ】で敗れました。
3戦目の対戦相手は東京五輪銅メダルのスペイン。杉岡選手、部井久選手がスタメン出場しましたが、【日本33-37スペイン】で敗れました。
4戦目は【日本28-29スロベニア】で惜敗。この時点で残念ながら1次リーグでの敗退が決定しました。
最終戦、2024年ヨーロッパ選手権銅メダリストのスウェーデンには【日本27-40スウェーデン】で敗れましたが、杉岡選手が9得点、部井久選手が4得点を挙げる活躍を見せました。
日本代表「彗星JAPAN」は目標の準々決勝進出は果たせなかったものの、は1988年ソウル大会以来9大会ぶりにアジア予選を突破して自力での五輪出場を果たし、ハンドボールの盛んな欧州の強豪が居並ぶグループで奮戦を見せてくれました。
杉岡選手、部井久選手の応援を今後ともよろしくお願いします。
日本―スウェーデン 前半、7㍍スローを決める杉岡選手(右)(写真提供:共同通信社)
〈杉岡選手 本人からのコメント〉
オリンピックを終えて強豪ヨーロッパ相手に1点差のゲームをするなど善戦することができました。が、結果を求められるのが代表チームなので5戦全敗予選リーグ敗退という結果は重く受け止めなければなりません。ただ日本代表は着実にステップアップしていると感じましたし、この悔しさを忘れずオリンピックに出場し続けてメダルにチャレンジし続けることが大事だと思います。オリンピックで得たこの素晴らしい経験をこれからの競技生活に活かしさらに高みを目指していきます。
開会式、閉会式や選手村での生活で印象に残ったこと(他選手との交流など): 選手村での生活は他の国際大会では味わえない独特のお祭りムードがあって他競技の選手と交流しやすいです。とくに印象に残っているのは海外アスリートの食堂での食事内容です。サラダ、肉魚類中心にヘルシーなものをチョイスしている印象がありました。飲み物もジュース類はとらず水をとり食事面に関してとても意識高く日ごろから取り組んでいるんだな、と感じましたしそういった競技に対する姿勢は見習うべきところが沢山ありました。
中央大学の在学生に伝えたいことなど:パリオリンピック沢山の応援ありがとうございました。大学時代を振り返ると長年低迷していた中央大学ハンドボール部を仲間たちと協力しインカレ3位まで導いたことが思い出として強く残っています。
何か目標を立てて仲間や友達と協力してチャレンジするというのは学生時代の良い思い出となるので、色々なことに失敗を恐れずチャレンジしてほしいと思います!
パリ五輪を終えて今一番やりたいこと:この2か月メンバー選考合宿から本大会まで本当にプレッシャーがかかる時間が長かったので、キャンプがてら山に行って何も考えずにボーっとしたり美味しいものを大自然の中で一杯食べたいです!
今後の抱負(パリ五輪の経験を今後にどう活かしたいか、など): 長期での目標はまだ決まっていないので、まずは目の前の所属クラブでのリーグ戦に集中したいと思います。所属クラブにこの経験を還元することはもちろん、オリンピックで見えてきた自分の課題を克服し精神的にも1人のアスリートとしてさらに成長したいと思います。
〈部井久選手 本人からのコメント〉
勝てなかった悔しさがありました。予選突破したかった。36年ぶりにアジア予選を優勝しパリオリンピックに自力出場できたことは、とても嬉しかった。東京に続いて2大会続けてオリンピックに出場できた経験は自分のハンドボールのキャリアにおいて、とてもプラスになった。
開会式、閉会式や選手村での生活で印象に残ったこと(他選手との交流など): 中央大学出身のフェンシング日本代表江村さんと大学の授業以来の再会できたことは、嬉しかった。同じ大学出身者として、彼女の活躍はとても刺激になった。開会式はあいにくの雨でしたが、セーヌ川での開会式でフランスの街並みを楽しめた。また中央大学在学中に留学させてもらっていたフランスに、代表選手としてオリンピックに参加させていただき、改めて大学時代も素晴らしい経験をさせていただいていたんだなと感慨深かった。
中央大学の在学生に伝えたいことなど:大学4年が終わった時に、何でも良いから何かやり切ったと思えることがあると、その後の人生が変わってくる。ただ大学生活を送るのではなく、近い将来、遠い将来の目標をしっかりと見据えて取り組んでいくことが大切だと思います。
パリ五輪を終えて今一番やりたいこと:オフがあったら海とか山とか川とか、自然を感じられるところでリフレッシュしたい。
今後の抱負(パリ五輪の経験を今後にどう活かしたいか、など): オリンピック常連国となり、上位チームとなるためにまずはコンスタントにオリンピックに出場し続ける。日本のハンドボールのレベルを上げていきたい。
【バレーボール】
キャプテンの石川選手(写真提供:シル・スーサ・ヴィム・ペルージャ)
関田 誠大(せきた まさひろ) 選手
学 部:2016年法学部卒業(現所属:ジェイテクトSTINGS)
ポジション:セッター
石川 祐希(いしかわ ゆうき) 選手
学 部:2018年法学部卒業(現所属:シル・スーサ・ヴィム・ペルージャ(イタリア))
ポジション:アウトサイドヒッター(キャプテン)
富田 将馬(とみた しょうま) 選手
学 部:2020年文学部卒業(現所属:大阪ブルテオン)
ポジション:アウトサイドヒッター
【バレーボール男子 決勝トーナメント進出 7位入賞】
東京五輪に引き続き、石川祐希選手はキャプテン、関田誠大選手はセッターとして、各試合スタメンで出場しました。富田将馬選手はリザーブとしての選出で、出場はありませんでした。
〈試合詳細〉
(予選第1戦)【日本2-3ドイツ】フルセットにもつれ込む激闘の末、惜敗となり、黒星スタートとなりました。
(予選第2戦)【日本3-1アルゼンチン】東京五輪銅メダルのアルゼンチン相手に、大会初勝利を飾りました。石川選手のフェイクセットや、175cmの関田選手のブロック等、印象的なプレーも多い一戦でした。
(予選第3戦)【日本1-3アメリカ合衆国】試合には敗れましたが、セット率で決勝トーナメント進出を決めました。
(準々決勝)【日本2-3イタリア】強豪イタリアを相手に、日本は2セット先取、3セット目も日本がマッチポイントを取って4強入りに王手をかけましたが、その後イタリアに3セット連取され、逆転の惜敗となりました。最終順位は7位でした。
本学多摩キャンパスではドイツ戦、アルゼンチン戦、イタリア戦でパブリックビューイングを実施し、会場一丸となって、スクリーン越しに日本代表選手たちに熱いエールを送りました。
パリオリンピックのメダルは獲得できませんでしたが、歴代最強と称される日本男子バレーボール界を牽引し続ける彼らを今後とも応援よろしくお願いします。
セッターの関田選手(写真提供:ジェイテクトSTINGS)
〈関田 誠大選手 本人からのコメント〉
2大会オリンピックに出場できて光栄に思います。
たくさんの声援の中、勝つ姿を見せたかったがこの結果に対しては非常に悔しいです。
開会式、閉会式や選手村での生活で印象に残ったこと(他選手との交流など): 他国の選手や他競技の人たちが多くいたので色々刺激になりました。
中央大学の在学生に伝えたいことなど:より高みを目指して頑張って欲しいです。
パリ五輪を終えて今一番やりたいこと:のんびり過ごす時間があればのんびり過ごしたいです。
今後の抱負(パリ五輪の経験を今後にどう活かしたいか、など): やりきったというよりはより上手くなりたいと思うようになりました。なのでこれからはさらにバレーボールに向き合っていきたいです。
リザーブの富田選手(写真提供:ⓒOSAKA BLUTEON)
〈富田 将馬選手 本人からのコメント〉
試合に出場することは出来ませんでしたが、VNL(FIVBネーションズリーグ)などの国際大会と比べ、各国の応援の迫力が違うと感じました。また、各国の選手もこの大会にかける思いが強く、普段とは違う雰囲気の中での試合でした。
開会式、閉会式や選手村での生活で印象に残ったこと(他選手との交流など): スケジュールの関係で開会式と閉会式は出られませんでしたが、選手村ではピンバッジの交換など他国の選手との交流がありました。
中央大学の在学生に伝えたいことなど:努力すれば目標に近づくことができます。小さな目標でもいいので目標設定をして、そこに向けて頑張ってください。失敗することもあると思いますが、諦めなければ必ず自分自身の成長と成功に繋がります。
パリ五輪を終えて今一番やりたいこと:家族で旅行に行くこと。
今後の抱負(パリ五輪の経験を今後にどう活かしたいか、など): 自分自身としてもチームとしても悔しい思いをしたので、日々の努力を継続し、チャンスがあればロサンゼルスオリンピックを目指します。
【フェンシング】
パリ五輪フェンシング女子フルーレ団体で銅メダルを獲得した日本。左から宮脇花綸選手、上野優佳選手、菊池小巻選手、東晟良選手(写真提供:共同通信社)
上野 優佳(うえの ゆうか) 選手
学 部:2024年法学部卒業(現所属:エア・ウォーター)
種 目:女子フルーレ(個人・団体)
【フェンシング女子フルーレ個人 T32出場】
【フェンシング女子フルーレ団体 3位銅メダル(女子フルーレ史上初メダル】
個人戦は初戦で敗退するも、女子フルーレ団体で銅メダルを獲得しました。
団体戦は、準々決勝に【日本45-30ポーランド】で勝利し、準決勝では【日本39-45イタリア】に敗戦。3位決定戦では接戦を繰り広げ、最終の第9セットで1ポイント差にまで追いつかれるも、最後は上野優佳選手が1ポイントを守りきり、【日本33-32カナダ】で勝利、日本のフェンシングの女子で初となる銅メダルを獲得しました。
強豪ひしめく中、最後まで奮闘し悲願のメダルを獲得した女子フルーレ団体メンバー(東晟良選手、上野優佳選手、宮脇花綸選手、菊池小巻選手)に大きな拍手を送りたいと思います。
パリ五輪フェンシング女子フルーレ団体で銅メダルを獲得し喜ぶ日本。左から宮脇花綸選手、上野優佳選手、菊池小巻選手、東晟良選手(写真提供:共同通信社)
〈ご本人からのコメント〉
パリオリンピックは2度目のオリンピックでしたが、東京の時は無観客だったので全然違う雰囲気で審判の声が聞こえなかったり、観客の声などで個人戦は自分の試合に集中することがとても大変でした。個人戦は初戦で負けてしまい、団体戦では何としてでもメダルを獲得したいという気持ちで挑みました。苦しい試合ばかりで3位決定戦も今までの試合の中で1番緊張した試合でした。今はメダルを獲得することができてほっとしている気持ちが強いです。
開会式、閉会式や選手村での生活で印象に残ったこと(他選手との交流など): 開会式は初めて船の上に乗って行いました。初めての経験でとても楽しかったですが、雨が降っていたのでそれだけがとても残念でした。選手村の部屋は体操やトランポリンの選手と同じ部屋だったのでお互いを応援しあったり、競技の話をしたりと普段交流することのない選手とたくさん話すことができ、貴重な経験をすることができました。
中央大学の在学生に伝えたいことなど:夢や目標を持っていても達成することが難しかったり、無理だと感じてしまうことがあるかもしれません。
ですが、今回メダルを取って感じたことはとにかく諦めずに周りの応援してくれる人や、自分を信じて進み続ければ夢や目標の達成に限りなく近づけるし、達成するチャンスも出てくるということを改めて感じたので、今立ち止まったり、前に進むことができていない人は諦めないで前を向き続けてほしいなと思います。
パリ五輪を終えて今一番やりたいこと:今はゆっくり休息を取って、美味しいものを食べたりお世話になった人たちにメダル報告をしたいです。
今後の抱負(パリ五輪の経験を今後にどう活かしたいか、など): 今後は2028年のロサンゼルスオリンピックで個人・団体で金メダルを獲得することを最大の目標に
ワールドカップやグランプリ大会でも結果を残していきたいと思っています。そして、私たちの世代でフェンシングを今よりもっと多くの人に知ってもらいメジャーな競技にしていけるように頑張りたいと思っています。
フェンシング女子サーブル団体で銅メダルを獲得した(左から)福島史帆実選手、高嶋理紗選手、尾崎世梨選手、江村美咲選手(写真提供:共同通信社)
江村 美咲(えむら みさき) 選手
学 部:2021年法学部卒業(現所属:立飛ホールディングス)
種 目:女子サーブル(個人・団体)
【フェンシング女子サーブル個人 T32勝利(T16出場)】
【フェンシング女子サーブル団体 3位銅メダル】
日本選手団の旗手という大役も務めた江村選手。世界選手権を連覇し、追われるプレッシャーを抱えながら臨んだパリ五輪。個人戦は2回戦敗退となりましたが、個人戦での悔しさを団体戦にぶつけて、フェンシング女子サーブルで初となる銅メダルを獲得しました。
世界ランキング8位の日本は、世界2位のハンガリーに【日本45-37ハンガリー】で勝って準決勝に進みました。準決勝では世界3位のウクライナに【日本32-45ウクライナ】で敗れ3位決定戦へ。
3位決定戦は、東京2020の女子サーブル団体で銀メダルの世界1位・開催国フランス代表との対戦。激闘の末、最終9セットで江村選手が逃げ切り【日本45-40フランス】で勝利し、見事に銅メダルを獲得しました。
最後まで奮闘し悲願のメダルを獲得した女子サーブル団体メンバー(江村美咲選手、高嶋理紗選手、福島史帆実選手、尾﨑世梨選手)に大きな拍手を送りたいと思います。
パリ五輪の開会式で、セーヌ川をパレードする船上で日の丸を振る旗手の江村美咲選手(写真提供:共同通信社社)
〈ご本人からのコメント〉
終始自分らしいフェンシングができず苦しい大会期間でしたが、メダルが決まった瞬間はホッとしました。 それまで期待通りの活躍ができなくても応援し続けてくれた方々やチームメイトのみんなに感謝の気持ちでいっぱいでした。
開会式、閉会式や選手村での生活で印象に残ったこと(他選手との交流など): 日本のサポート拠点で中央大学卒業生の岡澤セオンさん、石川祐希さんとお話ししたことが印象に残っています。 他にも様々な競技の選手とお話しできたので、その選手の皆様が頑張ってる姿を見て私も力をもらいました!
中央大学の在学生に伝えたいことなど:応援ありがとうございました。 皆様もそれぞれの目標に向かって日々努力されていると思いますが、学生生活も楽しみながら、体調にも気をつけて頑張ってください! 応援しています。
パリ五輪を終えて今一番やりたいこと:気の許せる友人とのんびりゆっくり過ごしたいです。
今後の抱負(パリ五輪の経験を今後にどう活かしたいか、など): ゆっくり休んだ後は、ロス五輪でのリベンジに向けて再スタートしたいと思っています。 心技体それぞれに課題が残っているのと、パリ五輪で肌で感じたあの空気感に負けないくらい強くなってロスに向かいたいです。 また、五輪での勝ち負けばかりが評価されているように感じる場面が多く、もっとスポーツの持つ力や価値を広めたいと思いました。
パリ五輪のフェンシング男子フルーレ団体で金メダルを獲得した(左から)永野雄大選手、敷根崇裕選手、松山恭助選手、飯村一輝選手(写真提供:共同通信社)
永野 雄大(ながの ゆうだい) 選手
学 部:2021年法学部卒業(現所属:NEXUS FENCING CLUB)
種 目:男子フルーレ(団体 リザーブ)
【フェンシング男子フルーレ団体 1位金メダル】
永野選手はリザーブ選手として代表メンバーに選出され、決勝のイタリア戦が今大会初出場となりました。1点リードで迎えた終盤の第8セットに登場した永野選手は、5連続ポイントで相手を突き放してアンカーにつなぎ、優勝への流れを呼び寄せました。優勝が決まった瞬間は、男子フルーレ団体メンバー(松山恭助選手、飯村一輝選手、敷根崇裕選手)とともに、世界の頂点に立った喜びを分かち合いました。
男子フルーレ団体決勝 ポイントを奪い、雄たけびを上げる永野雄大選手(写真提供:共同通信社)
日本の男子フルーレ団体にとって、2012年ロンドン五輪の銀メダル(本学卒業生の千田健太氏も出場)以来の快挙、初の金メダル獲得となりました。
また、本学関係者の金メダル獲得は、1998・2006年冬季パラリンピックの大日方邦子氏(パラスキー)、1972年ミュンヘン五輪の木村憲治氏・横田忠義氏・嶋岡健治氏(バレーボール)、関根忍氏(柔道)以来となります。
パリ五輪のフェンシング男子エペ団体で銀メダルを獲得した日本。左から見延和靖選手、加納虹輝選手、山田優選手、古俣聖選手(写真提供:共同通信社)
古俣 聖(こまた あきら) 選手
学 部:2020年法学部卒業(現所属:本間組)
種 目:男子エペ(団体 リザーブ)
【フェンシング男子エペ団体 2位銀メダル】古俣選手はリザーブ選手としての選出ながら、初戦、準決勝、決勝の全てに出場し、男子エペ団体メンバー(加納虹輝選手、見延和靖選手、山田優選手)とともに、世界の強豪を相手にポイントを奪って勝ち点を積み上げ、自身初出場の五輪の舞台で素晴らしい活躍を見せました。
男子エペ団体準決勝で勝利し喜ぶ日本。左から加納虹輝選手、見延和靖選手、山田優選手、古俣聖選手(写真提供:共同通信社)
初戦、古俣選手は第5セット(2巡目)から出場し、第7セット(3巡目)では3ポイント獲得して相手を上回り【日本39-33ベネズエラ】、勝利しました。
第2戦の準決勝では、古俣選手は計3回のセットに出場し、第2セットと第4セットでは相手を上回るポイントを獲得。【日本45-37チェコ】で決勝進出を決めました。
決勝では、ハンガリーとの延長の大接戦、【日本25-26ハンガリー】で惜敗するも見事な銀メダルを獲得しました。
古俣選手は第3セットに出場し、4‐2で相手を上回るポイントを獲得し1点差に。第5セットも東京五輪銀メダリスト相手に2‐2の引き分け、第7セットは3連続ポイントなどで5-3と相手を上回り、チームポイントも再び1点差に詰める活躍を見せました。
女子1万㍍ 力走する五島莉乃選手(手前)(写真提供:共同通信社)
五島 莉乃(ごしま りの) 選手
学 部:2020年経済学部卒業(現所属:資生堂)
種 目:女子10000m
【女子10000m 決勝18位】
陸上女子10000メートル決勝は、25人で争われ、日本からは初出場の五島選手を含む3人が出場しました。5000メートル付近まで五島選手が先頭で集団を引っ張るなど、前半は日本選手が前の方で走る展開が続きました。中盤以降外国人選手のペースが上がり、最終的に五島選手は18位(日本勢で最高)、タイムは31分29秒48でした。
夢のオリンピックの舞台を日本の先頭で走り切った五島選手。今後も様々な大会での活躍が期待されますので、応援をよろしくお願いいたします。
〈ご本人からのコメント〉
夢の舞台での25周は本当に夢のようで、私の陸上人生の中で忘れることのできない時間となりました。絶えず鳴り止まない歓声や皆さまからの応援に励まされ、最後まで諦めずに走り切ることができました。このような素晴らしい経験ができ、感謝の気持ちでいっぱいです。
中央大学の在学生に伝えたいことなど:たくさんの応援ありがとうございました!
今後の抱負(パリ五輪の経験を今後にどう活かしたいか、など): 世界の壁は高かったですがいつか超えるために、また次の目標に向かって頑張ります!まずはクイーンズ駅伝に向けてチーム全員で頑張ります!
男子軽量級ダブルスカル順位決定戦 出場した宮浦真之選手(左)、古田直輝選手(写真提供:共同通信社)
宮浦 真之(みやうら まさゆき) 選手
学 部:2019年文学部卒業(現所属:NTT東日本)
種 目:男子軽量級ダブルスカル
【男子軽量級ダブルスカル 決勝C14位】
宮浦選手は、同じNTT東日本に所属する古田直輝選手とペアで、ローイング男子軽量級ダブルスカルに出場しました。予選では1組5位となり、敗者復活戦へ。敗者復活戦では2組5位。13~18位決定戦では2位となり、最終順位14位となりました。
パリ五輪の舞台で強豪国を相手に戦った宮浦選手と古田選手に大きな拍手を送りたいと思います。
軽量級ダブルスカルは2028年ロサンゼルス五輪の実施種目からはずれることとなりましたが、宮浦選手の今後のご活躍に応援をよろしくお願いいたします。
〈ご本人からのコメント〉
オリンピックの舞台に立つために多くの緊張や苦痛を経験してきましたが、これらの経験で得たもの全てを発揮する舞台として、今大会を位置付けました。そのためか、レースに伴う身体的や精神的苦痛、また結果に対する緊張はほとんどありませんでした。
結果は強豪国に惨敗し非常に悔しい思いです。しかし、過去の取り組み全てを発揮することはできたと感じています。
結果に対する悔しさや全てを発揮できた達成感含め、大きな充実感を得た大会でした。
開会式、閉会式や選手村での生活で印象に残ったこと(他選手との交流など): 選手村で生活をしている人の多くは、何らかの競技において優れた能力を有する選手たちです。少し部屋の外を出歩くだけで、有名な選手を至るところで見かけます。また、何気なくすれ違った選手も何らかの競技で優れた選手でしょう。
このように考えると、選手村という環境にとても興奮しました。また、私も選手村で過ごす選手の一人だと思えば、誇りを感じると共に身が引き締まる感覚でした。
離村直前に中央大学の後輩である自転車競技の今村駿介さんと2018年のアジア大会報告会以来、約6年ぶりに再会できたことはとても嬉しかったです。
中央大学の在学生に伝えたいことなど:オリンピックで行われる競技スポーツは画一的なルールを基に成立します。これは昨今取り上げられている多様性と対照を成すものと感じるかもしれません。しかし、私はこの画一的なルールが多様性を強調する部分もあると感じています。ローイングであればルールを基に最速を競います。ルールにより一定の制約があるからこそ、体格差や漕ぎのスタイル、練習内容など速さへのアプローチの違いを感じます。競技を通して「違い」を尊重し合う経験を何度もすることで、自身の視野を大きく広げることができました。
中央大学というコミュニティでは、競技スポーツほどの画一性は無いと感じますが、それでも一定の画一性を有すると思います。この画一性のなかではより「違い」を感じ易いのではないのでしょうか?
このような視点で、中央大学で学ぶ仲間との交流から得られるものに目を向けて見てはいかがでしょうか。
パリ五輪を終えて今一番やりたいこと:
・温泉旅行
・サ活(サウナ活動)
・制限のない食事。特に鮨。(オリンピックでは体重制限から減量を行っていたため)
今後の抱負(パリ五輪の経験を今後にどう活かしたいか、など): オリンピックを目指す過程で多くの経験ができました。さらに、オリンピックでは想像以上に多くの経験を得ました。今後は競技者として何を目指すかも未定ですし、そもそも競技者としていつまで漕ぐかも未定です。しかし、これまでに得た経験を何かに活かしたいという思いは強くあります。先ずは、どのような形で活かせるかを鋭意考えたいと思います。
パリオリンピックでは応援いただきありがとうございました。
男子マディソン 力走する今村駿介選手(右)、窪木一茂選手(写真提供:共同通信社)
今村 駿介(いまむら しゅんすけ) 選手
学 部:2020年法学部卒業(現所属:TEAM BRIDGESTONE Cycling)
種 目:男子チームパシュート・男子マディソン
【男子チームパシュート 予選10位】
【男子マディソン 6位入賞】
自身初のオリンピック出場となった今村選手は、男子チームパーシュートでは、最終順位10位で惜しくも決勝進出にはなりませんでしたが、リザーブ登録していた男子マディソンに数日前に起用が決まり、窪木一茂選手とのペアで、ハイスピードな試合展開の中を戦い抜きました。
日本チームとして男子マディソンの種目は初のオリンピック出場。欧州の強豪が出場し、ポルトガル、イタリア、デンマークがメダル獲得する中で、日本は15チーム中6位入賞と健闘。レース後半からポイントを積み上げ、一時はメダル圏内の3位に浮上し、世界強豪の中で日本の力を示す走りを見せました。
世界の舞台で戦い続ける今村選手。今後も様々な大会での活躍が期待されますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします。
〈ご本人からのコメント〉
チームパシュートでは目標タイムを出すことができず予選敗退となり、オリンピックの緊張感を味わう感覚もなく終わってしまいました。しかし、リザーブ登録されていたマディソンに出場することができ、もう一度オリンピックのワクワクする舞台に立てることが出来ましたが、これまでに経験してきた中で一番速い、レース平均速度を無我夢中で走り切った50kmでした。終わってみればとてつもなく苦しく、楽しい時間でした。
開会式、閉会式や選手村での生活で印象に残ったこと(他選手との交流など): 事前合宿の関係で、開会式には出席できませんでしたが、閉会式の前に大学の先輩であるボクシング競技の岡澤さんにお会いすることができ、フェンシングの古俣選手、江村選手にも会えて、パリの地で中央大学のつながりを感じられたことが嬉しかったです。選手村は、お祭り雰囲気の選手もいれば、パフォーマンス発揮のため食事に気づかう選手もいて、特別な空間だなと感じていました。僕はパンが好きなので、Boulangerieがあったのは、とても嬉しかったです!
中央大学の在学生に伝えたいことなど:在学中、遠征に行ってばかりで講義や友達と交流する機会が少なかったことを考えると、もっと多くの学生とコミュニケーションをとるべきだったと思いますし、講義内容も社会に出て必要な内容ばかりだったので、時間がかかっても勉強すべきだったと後悔しています。4年間多くの人に触れ合う機会でもあり、自分の新たな可能性に気づける時間でもあると思うので、毎日にワクワクしながら過ごしてほしいなと思います。
パリ五輪を終えて今一番やりたいこと:ヨーロッパが自転車は本場なので、
今後は新たな舞台にチャレンジをしてみたいなと思っています。
今後の抱負(パリ五輪の経験を今後にどう活かしたいか、など): 五輪で感じた思いは、特別なものがありました。悔しさの質というか、感情の深さ。どの大会も悔しい気持ちはありますが、4年に一度の舞台で勝ちたい思いの選手が全力でぶつかりあうからこそ生まれる熱量があったと感じました。これからの4年はまたあっという間に過ぎてしまうと思いますが、ロスの舞台に立ち、金メダルを獲得する自信を2028年に持っていられるよう、日々過ごしていきたいと思います。
カザフスタン選手と対戦する西本拳太選手(写真提供:共同通信社)
西本 拳太(にしもと けんた) 選手
学 部:2017年法学部卒業(現所属:ジェイテクトstingers)
種 目:男子シングルス
【男子シングルス 1次リーグ2戦勝利 決勝トーナメント進出】
オリンピックは初出場の西本選手。予選リーグ初戦はカザフスタンのドミトリー・パナリン選手と対戦し、世界ランキング10位の実力を見せつけ、ゲームカウント2-0で快勝。2戦目もカナダのブライアン・ヤン選手を2-0のストレートで破り、決勝トーナメント進出を決めました。
決勝トーナメント1回戦はタイのクンラブット・ビチットサーン選手との対戦。第1ゲームを制し、最後まで粘り強く戦いましたが、ゲームカウント1-2で惜しくも敗退しました。
世界の舞台で戦い続ける西本選手。今後も様々な大会での活躍が期待される西本選手、引き続き応援をよろしくお願いいたします。
〈ご本人からのコメント〉
大観衆の中で試合ができたことがとても幸せで最高な場所でした。
開会式、閉会式や選手村での生活で印象に残ったこと(他選手との交流など): 他競技の選手ともお話することができ、新たな学びを得ることができました。
中央大学の在学生に伝えたいことなど:大きな夢や目標に向かって、自分を信じて突き進んでください。
パリ五輪を終えて今一番やりたいこと:より強くなりたい。
今後の抱負(パリ五輪の経験を今後にどう活かしたいか、など): 2026年アジア大会の男子シングルスで金メダルを取ることです。
白門オリンピアンの活躍にご注目いただき、引き続き応援をよろしくお願いいたします。
One Chuo
想いは、ひとつ。