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【文学部グローバル・スタディーズ】「2024年度 マレーシア・シンガポール研修」体験レポート
2025年03月11日

マラッカの資料館にて(マレーシア)
事前のオンラインセッションで学んだことを現地で体験
現地に赴き、外国語を使用し、異文化を肌で体感する文学部のプログラム「グローバル・スタディーズ」。
2024年度後期に、事前学習としてマレーシア工科大学(UTM)・タイにあるタマサート大学と合同で計3回のオンラインセッションを行いました。セッションでは自国の文化の紹介や、文化の違いについて議論をしました。その学習の続きとしてUTMを訪問しました。UTMと中央大学は過去にも国際交流をしたことがあり、今回はおよそ2年ぶりの訪問でした。
現地学生との交流やセッションで学んだことを実際に体験することを通して、実践的に英語力の鍛錬を積み、異文化への理解を深めました。
■2024年度 文学部「グローバル・スタディーズ」
【日 程】2025年2月4日(火)~9日(日)
【引率者】文学部教授 若林茂則
【渡航先】マレーシア、シンガポール
【研修内容】マレーシア・ジョホーバル市のマレーシア工科大学(UTM)にて、マレーシアの歴史や教育・文化の講義を受講、現地学生との交流、学内ツア ー等を実施。文化村では現地の文化を体験。現地学生とマラッカへの訪問。シンガポールでは歴史的な名所などを訪問。

マラッカのセントポール協会礼拝堂にて(マレーシア)

マーライオンの前にて(シンガポール)
マレーシア(2月4日~2月6日)

私たちはマレーシアに3日間滞在しました。1日目は夕方に到着したので、宿の近くのレストランで夕食を食べ、少し街を散策して終了しました。
2日目はマレーシアのジョホーバルにあるマレーシア工科大学(UTM)を訪問し、マレーシアの国や教育制度、UTMについての講義を受けました。その後はUTMの生徒と交流し、校内案内をしてもらったり一緒に昼食を食べたりしました。午後はUTMの生徒と文化村へ行きました。そこでは、マレーシアの伝統工芸であるバティックペインティング体験をしました。これは、ろうけつ染めの技法を用いて手描きで模様を描くアートであり、そこに水で薄めた絵の具で色をつけていくというものです。その他にも、アンクルンという竹製の打楽器を使った演奏体験や昔ながらの駒遊び体験、カカオ豆の試食、スズの製造見学、結婚式の民族衣装鑑賞をしました。夜はジョホールバルに戻り、各々タ食をとりました。
3日目は、UTMの生徒たちと一緒にマラッカへ行きました。マラッカタワーに上ったり、セントポール教会跡へ行ったり、中華街の中心であるジョンカー・ストリートでニョニャ料理を食べたり、博物館に行って植民地時代に実際に使われていたコインを見たりしました。
この3日間を通して、オンライン交流で繋がったUTMの生徒たちと交流を深めることができたと同時に、マレーシアの国や文化にもたくさん触れ、多くの新しい発見をすることができました。

上:マレーシアの伝統楽器「アンクルン」を演奏しました
左:文化村でBatikを体験/右:UTM内にあるモスク

マラッカでマレーシア料理を食べました

UTMの学生とのプレゼント交換
シンガポール(2月7日~2月9日)

シンガポールに到着してホテルから歩いてマーライオン公園へ行き、マリーナベイサンズやマーライオンを背景に写真を撮りました。その後はグループに分かれて自由行動でした。それぞれガーデンズ・バイ・ザ・ベイやモールに行き、夜は全員でナイトサファリへ出かけました。日本と違い、檻の中にいる動物を見るのではなく檻や柵は極力使用せずに自然の地形や植物を利用して動物と観客の間に自然なバリアを作る工夫がされていました。
2日目も自由行動で、私たちのグループははじめに大きな観覧車へ足を運びました。乗車前にはタイムカプセルという施設でシンガポールが発展していく様子を映像や体験型のブースで知ることができました。観覧車に乗ってみると、全面ガラス張りのゴンドラで360°シンガポールの美しい景色を見ることができました。その後はアラブストリートに行き、モスクから聞こえるアザーンや中東料理屋が立ち並ぶ通りなどイスラム文化が漂っていました。また、マリーナベイサンズの展望台に登ったりセントーサ島へ行きスカイラインリュージュのゴーカートアクティビティを楽しんだりしたグループもありました。
夜にはホテルからチャンギ国際空港へと地下鉄で移動しました。空港で有名なレイン・ボルテックスは営業時間が終わってしまい見られなかったので、いつか見てみたいと思います。

シンガポールの街中とは違った雰囲気を味わえるアラブストリート

マリーナベイサンズ前で

シンガポールの植物園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」
【レポート&写真提供】文学部英語文学文化専攻3年:田谷拓巳さん、中島寿々花さん、野沢桃花さん
マレーシア・シンガポール研修を振り返って
野沢さん(文学部3年)

最終日のブランチ。みんなでシェアして食べました
今回このグローバルスタディーズに参加して新しい発見がたくさんあった。
多民族国家であるマレーシアでは、3日間という短い時間ではあったが4つの系統の民族の文化を尊重していることが過ごしてみて実感した。またマレーシア工科大学のクマラグル先生の講義を聞いて、母語が違っていても教育面でそれぞれの民族がどのような進学の選択ができるのかを知り、日本とは違った教育システムに驚いた。コロナを経て変化した学校の長期休暇をもとに戻そうとする動きは日本よりも柔軟であり、マレーシアの教育についてさらに知りたいと思った。
マレーシア工科大学の学生とは、もともとオンラインで交流はあったが直接会えることができてとても嬉しかった。また、オンラインとは違って直接会うことによって周りの環境や身振り手振り、細かい表情を見ることができて意思疎通がしやすかった。オンラインで話しきれなかったことを話したり、様々な場所へ一緒に訪れ、その場にまつわることを教えてくれたり、感謝の気持ちでいっぱいである。

宿泊したホテル前で全員集合!
シンガポールでも特有の文化を体感した。マレーシアとも日本とも違ったものを感じ、観光客も多かった。その中で英語が使えるということに感動した。シンガポール特有のなまりもあり伝わるまで言い方を変えて話してくれたり、私が話した英語は流暢ではなかったが最後まで理解してくれたりと出会った人々の温かさを感じるとともに、コミュニケーションをとることができてとても嬉しかった。
さまざまな人との交流や異文化体験を通して、マレーシアやシンガポールについての理解が深まり英語を使うことの難しさを実感し、とても学びの多い研修だった。この経験をきっかけに他の国の文化や教育について知りたいと思った。また、研修を通して英語力をさらに高めたいと思った。
田谷さん(文学部3年)

UTMの学食でカレーを食べました
私は今回が初めての海外への訪問であったが、日本にいるだけでは感じることのできない文化の違いを肌で感じた。外国で実際に英語を使用したこと、また現地で歴史を体感したことが印象に残っている。
この研修中は主に英語を使用して会話をした。英語を書き言葉を中心に勉強していた私は英語力に不安があった。しかしながらUTMの学生との会話では、細かい文法などは気にせずに、自分の伝えたい内容が伝わることが最重要であると実感させられた。
現地に足を運ぶことも、座学と同じくらい、もしくはそれ以上の価値があると思った。マラッカでセントポール教会や大砲を見て、ヨーロッパの国々が東南アジアに進出してきた過去が生々しく残っていた。港町という地理的特徴が大きく影響することを実感した。高校で学んできた世界史の知識が役に立つことに、大変感銘を受けた。
本研修は自分の語学力を向上させ、異文化への理解を深め、歴史を学び教養を高められ、大変貴重な経験となった。今後も幅広く世界各地を訪れ、自分の目でリアルを見て、さらに学びを深めていきたいと心から思う。
中島さん(文学部3年)

UTMの食堂でランチ
今回のマレーシア・シンガポール研修で行った海外の大学生と交流する機会は滅多にないので、貴重な体験をさせてもらったと思います。現地の人と直接交流することや、1日の終わりに新しく知ったことやそこから考えたことを小レポートとして提出することで、新たな発見や異文化体験を自分なりに考え、更なる調べ学習やより深い理解に繋げることができました。
最も印象に残っているのは、UTMの学生との交流です。事前に行われたオンラインセッションで話していたため、対面でも共通する話題があり、会話をしながら楽しい時間を過ごすことができました。ここでは、お互いの英語の発音が大きく違うことを実感したり、私たちが辛いと感じた料理をUTMの生徒たちはむしろ甘いと言っていたことに驚いたりと、交流がなければできない新たに発見をしました。
今回の素敵な機会を与えてくださった若林先生や、UTMの先生・学生の皆さんに心から感謝しています。