国際連携・留学

第1回 国際ガールズデー・国連デー記念イベント

第1回 国際ガールズデー・国連デー記念 ―実施レポート―
International Day of the Girl Child ・ United Nations Day

ドキュメンタリー映画『ソーラー・ママ』特別上映会
~ドキュメンタリーから開発アジェンダを考える~

2014年10月18日(土)、後楽園キャンパス5号館5333教室にて『国際ガールズデー・国連デー 記念イベント』が開催されました。  国際広報センターが主催する、ミレニアム開発目標・ポスト2015開発アジェンダに関する3回シリーズの啓発イベントです。  第1回目の今回は、10月11日の国際ガールズデー、10月24日の国連デーを記念。当日は有識者を交え、会場の皆さんと開発アジェンダについて考える貴重な機会となりました。

テーマ
女性の権利・教育/女性のエンパワーメント/自然エネルギー
南南協力/コミュニティー支援

プログラム
開演 
主催者あいさつ:根本かおる 国連広報センター所長 
共催者あいさつ:石井 靖 中央大学理工学部長 
来賓あいさつ:成澤廣修 文京区長
国連制作ショートビデオ
『ミレニアム開発目標(MDGs):数字は何を物語る?』上映
『ソーラー・ママ』上映
パネル・ディスカッション 質疑応答
閉会あいさつ:Beyond MDGs Japan 仲佐 保 事務局長
終了(協力者は『Stand Up Take Action』写真撮影)

国連制作ショートビデオ『ミレニアム開発目標(MDGs):数字は何を物語る?』

国連制作ショートビデオ『ミレニアム開発目標(MDGs):数字は何を物語る?』

本ビデオでは、2000年に採択された『ミレニアム開発目標(MDGs)』の成果を紹介。目標1:極度の貧困と飢餓の撲滅(1日1.25ドル未満で生活する人口と飢餓に苦しむ人口の割合を半減させる)などは成果があったものの、目標3:ジェンダー平等推進と女性の地位向上(すべての教育レベルにおける男女格差の解消)や、目標5:妊産婦の健康の改善(妊産婦の死亡率を4分の1に削減)では未だ大きな課題が残っているとのこと。貧困人口の3分の2が女性である事実も明かされました。

※ビデオは国連広報センター (UNIC Tokyo)のYouTubeチャンネルよりご覧いただけます。

ドキュメンタリー映画『ソーラー・ママ』


NHK「BS世界のドキュメンタリー」で放送された番組のひとつ。 ヨルダン初の女性ソーラー技術者として成長するラフェアの姿を追う。
インドにある『裸足の大学』では、読み書きができない貧困層の人々を中心に訓練を行い、技術者を育てている。 “子供がいれば村を出る確率が低くなり、技術が地域に定着しやすい”という理由から、 参加できるのは母親のみ。4人の子どもを持つラフェアは家族や村のため、ひとりインドに渡って研修を受ける。 ところが、保守的で理解のない夫の妨害に遭い、帰国を余儀なくされる。 それでも自立を諦めなかったラフェアは、ヨルダン政府環境省の協力を得て再びインドに旅立つ―。

【視聴後―有識者パネルディスカッション概要】


このドキュメンタリーの背景には、ジェンダー平等(さまざまな機会が男女平等に与えられ、性別にとらわれず自己実現のチャンスが得られる)と、女性のエンパワーメント(性別を理由に役割を固定されず、日常生活や人生において自己決定ができる)がある。 ラフェアさんのように、男女不平等な風習に疑問を持つ人は世界に数多くおり、声をあげることが変革につながっている。この声に対し、国際社会は協力して手を差し伸べることが重要である。

日本のジェンダーギャップ指数(GGI)は136ヵ国中105位(2013年)と高くない。
そんな中で日本のトップリーダーである安倍総理が、アジェンダ(行動計画)として女性問題を取り上げたことは世界中から注目を集めている。社会的な面から見ると、女性の登用が進んでいる企業の方が利益率が高いというデータも。そこには“多様な視点が加味される”という理由があり、女性の社会進出は男性にとっても社会にとっても着目すべきである。

日本のジェンダーギャップ指数(GGI)は136ヵ国中105位(2013年)と高くない。
そんな中で日本のトップリーダーである安倍総理が、アジェンダ(行動計画)として女性問題を取り上げたことは世界中から注目を集めている。社会的な面から見ると、女性の登用が進んでいる企業の方が利益率が高いというデータも。そこには“多様な視点が加味される”という理由があり、女性の社会進出は男性にとっても社会にとっても着目すべきである。

中央大学では、理系を目指す女性支援プログラム「WISE Chuo」を立ち上げ理工系出身の女173_rantan 性研究者・技術者の育成を応援している。さらに、女性の健康に関連する例を挙げると、「国際水環境理工学人材育成プログラム」などを通じて、水をきれいにする取組を行っている。諸地域に対し、水環境の改善を提案・実施できる国際的人材育成を今後も目指す方針。

ラフェアさんが参加したような太陽光発電に関する社会貢献の一環に、パナソニック株式会社が取り組む「ソーラーランタン10万台プロジェクト」がある。このプロジェクトでは、13億人が電気を使えない生活を送っていることを背景に、2018年までに無電化地域へ10万台のソーラーランタンを届けている。電気がなく夜間、勉強ができない子供たちや、出産の現場などに貢献している。

~ジェンダーの問題は貧困国だけでなく、日本にも存在する問題~
途上国と置かれる状況は異なるが、男女の役割・固定意識は日本にも潜んでいる。“男性の尊厳の尊重”、“女性が自立することへの抵抗感”などが日本にも存在し、一般的に、女性=弱い立場という風潮が強い。しかし、男性にも“働き手として家庭を守らねばならない”など、男性固有のジェンダー問題が存在する。簡単に文化が変わるものではないが、互いをパートナーとして支援、尊敬する必要がある。

モデレーター
根本かおる 国連広報センター所長
パネリスト
松川るい 外務省総合外交政策局女性参画推進室 初代室長
星 亮  パナソニック株式会社 CSR・社会文化グループ事業推進東京担当リーダー
大崎麻子 プラン・ジャパン理事/関西学院大学総合政策学部客員教授
加藤俊一 中央大学副学長/中央大学理工学部教授

 

当日、会場はほぼ満席。本学学生および一般の方が、多数、来場していました。 女性の権利・教育がテーマに掲げられながらも、半数が男性であったことも注目すべき点です。 熱心にメモをとる姿が見受けられ、質疑応答の時間には多くの質問が寄せられていました。 閉会後は貧困解決、MDGs達成を求める声を各国の政策に反映させる「STAND UP TAKE ACTION」のキャンペーンとして、撮影を行いました。

主催:国連広報センター 
共催:中央大学 
協力:中央大学理工学部WISE Chuo プログラム/Beyond MDGs Japan/NHK