第2回 国連デー記念イベント

第2回 国連デー記念 ―実施レポート―
United Nations Day

ドキュメンタリー映画『闘うセレブ ~U2 ボノの叫び~』特別上映会
~ドキュメンタリーから開発アジェンダを考える~

2014年11月2日(日)、後楽園キャンパス3号館3階中大高校小ホールにて『国連デー記念イベント』を開催しました。

本イベントは、国際広報センターが主催するミレニアム開発目標・ポスト2015開発アジェンダに関する全3回シリーズの啓発イベントの第2弾です。今回は、10月24日の国連デーを記念しています。

テーマ

開発資金とチャリティー/セレブリティーの関わり/南北格差/ガバナンス

プログラム
開演
主催者あいさつ:根本かおる 国連広報センター所長
共催者あいさつ:石井 靖 中央大学理工学部長
国連制作ショートビデオ
『ミレニアム開発目標(MDGs):数字は何を物語る?』上映
『闘うセレブ ~ U2 ボノの叫び~』上映
パネル・ディスカッション
質疑応答
閉会あいさつ:後藤敏彦 環境パートナーシップ会議(EPC)理事

ドキュメンタリー映画『闘うセレブ ~U2 ボノの叫び~』


NHK「BS世界のドキュメンタリー」で放送された番組のひとつ。アイルランドのロックバンド『U2』のボーカル・ボノを中心に、セレブたちがアフリカの貧困問題に取り組む姿が描かれている。
ボノは30年間にわたり、自らの知名度を活かして慈善活動に取り組んできた。1980年代にはアフリカ救済のためにチャリティー・ライブなどの大規模な募金活動に参加していた。しかし、貧困の原因が巨額な債務請求や不公正取引にあると気付き、政治家、企業家を巻き込みながらアフリカ救済のためにロビー活動をはじめる。

【視聴後 ―有識者パネル・ディスカッション概要】


上村氏、田村氏、塚越氏といった有識者の方々は、それぞれの意見を述べました。

以下、集約見解――
このドキュメンタリーには、チャリティーや寄付だけでは問題は解決せず、問題を生み出している大きな構造そのものを変えなければいけないというメッセージがあった。この構造に変化を与えるためには、資金を生むグローバルな公共政策が必要だろう。そもそも、巨額資金を握る強者、強国は、自分たちに有利なルールをつくって世界をコントロールしているという現状があり、現在はたった85人の富裕層が下層35億人分(世界人口の半分)に相当する資産を持っている。その裏側では6秒に1人の割合で子供が飢えて死んでいる。このような構造の中で巨額資金を生むために、グローバル・タックス(国際連帯税)という税制がすでに始まっている。この税制のおかげでHIV、AIDS、結核などの治療を受けられる患者が増えている。
また、大規模な募金活動で資金を集めるボノたちと、アフリカで支援活動をする人たちの間で、貧困救済に対する意見の相違がみられた。事実、ひとつの地域で生活を維持するインフラストラクチャーを整えるには、年間5~7百兆円もの巨額な開発資金が必要とも言われており、民間雇用は一番重要なお金の流れになる。だからこそボノたちが行ったような投資資金や債務帳消しへの参画だけでなく、途上国内で質の良い雇用を確保することが貧しい人々の支援に繋がる。ちなみに、97~98年頃の日本は、ODA(政府開発援助)において世界最大の援助国であった。現在は日本の経済的背景もあり世界第4位(13年度)に下がった。それでも日本の得意分野である防災面に関する支援が広がり、成果を上げている。

自分たちのボランティア活動を紹介した本学学生の本田さん(法学部政治学科3年)、北見さん(法学部法律学科4年)より、今回のパネルディスカッションについて――
「次世代代表である自分たち若者がアンテナを張って情報を収集、吟味し、自分の意見を持つことが大切だと感じました。そのためにも周りを刺激しながら勉強していきたい」(本田さん)、「これまで国際法の政策を学んできましたたが、知識だけでは支援の現場で役に立たないことがあるとわかりました。いろんな場所に出向いて意見を聞き、広い視野を身に付けたいです」(北見さん)と感想を語った。

~途上国の貧困問題は、先進国から派生している場合も~
今回のドキュメンタリーでは、貧困問題の背景にはアフリカにおける欧米の代理戦争や不平等な取引があり、途上国だけでなく先進国の問題でもあることが確認された。国民の関心を高めることは課題でもあり、一人ひとりが貧困撲滅に向け、世論として声を上げることが政府を動かすことに繋がるのである。

モデレーター
根本かおる 国連広報センター所長
パネリスト
上村雄彦 横浜市立大学学術院 国際総合科学群教授
北見瑛子 中央大学法学部法律学科
田村政美 外務省国際協力局地球規模課題総括課長
塚越保祐 世界銀行駐日特別代表
本田逸人 中央大学法学部政治学科

 

 

 

 

 

左より田村氏、塚越氏、根本氏、本田さん、北見さん、後藤氏、上村氏

あいうえお順・敬称略)

主催:国連広報センター
共催:中央大学
協力:中央大学理工学部白門祭実行委員会/Beyond MDGs Japan/NHK