陸上競技部

陸上競技部・第93回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会

2016年11月28日

10月15日 陸上自衛隊立川駐屯地~立川市街地~国営昭和記念公園

11位で88年連続出場途絶える

 10位で呼ばれたのは日大だった。選手たちは、ただただ立ち尽くしていた。11位で呼ばれた母校の名前が響く。  予選会からの出場枠は10校。20㌔のコースを各大学最大12人の選手が出場し、その上位10人の合計タイムで競われる。

▲陣地に戻り、結果発表を待つ空気は重い

 エースの町澤大雅(法4)が15位と健闘しタイムを稼ぐ。続いて相馬一生(文4)、堀尾謙介(経2)がそれぞれ33位、51位でフィニッシュした。しかし後方の選手が続かない。ゴールした選手たちが陣地に戻ってくるが、その表情は暗い。唯一、走り終えた1年生は笑顔で帰ってきた。しかし何度も予選会を経験してきた上級生には、この時点で分かっていたのかもしれない。「落ちる」と――。

▲力走する町澤

 2014年の箱根駅伝でシードを落としてから、3度の予選会を経験してきた。初めての予選会は12位、第90回の記念大会で出場枠が13校に広がったことで救われた。2度目は7位。チーム内10番手の選手が61分57秒と61分台でまとめ、集団走が奏功した。3度目は8位、中大は90回目の節目の箱根駅伝出場を決めた。

 原因は二つ。

 まずは、エースが欠けていたことだ。

 毎年、20位以内でゴールする“エース”が二人はいた。初めての予選会は須河氏(現・DeNA)と相場氏(現・中央発條)が59分台でゴール。2度目は新庄氏(現・HONDA)と德永氏(現・日清食品グループ)。3度目は德永氏と町澤。  そして今年。15位でゴールした町澤の次は、33位の相馬で、20位以内は一人だけだった。

 加えて集団走もうまくいかなかった。

 10位以内で、留学生がいた大学は創価大、拓大、日大の3校。しかし1、2位は日本人のみの大東大と明大。実力の高さもあるが、この2校はチーム内10番手の選手が二桁順位でゴール。中大が4人ゴールする間に10人がゴールした。チームの中でも長距離走の得意な選手が、ほかの選手のペースを作って付いて来させる。これが集団走で、個人で走るよりも、風避け、ペース作りといった点で走りやすい。

 中大は早々に集団が崩れると、個々のペースは上がらず終盤になるにつれて遅れてくる。集団走でラストスパートの力を残していた他大の選手は終盤さらにギアを上げることができたが、中大はずるずると遅れていくのみだった。

▲円陣を組む選手たち

 戦力は充実とまではいかないものの、夏季は十分な練習を積んできた。しかしエースは一人だけ、集団走も上手くいかない。  監督が変わり、舟津彰馬(経1)を1年生主将に据え、チーム内では競う雰囲気は高まった。中大として、春よりもレベルアップはできていたかもしれないが、他大と競う力はなかった。

 途切れたタスキを、つなぎ直すことはできない。ここからは、どうリスタートを切るかだ。一度予選落ちすると、新入生獲得にも影響があるだろう。それでもいい選手を連れてくるために、チームの雰囲気をどう上げていくのか。来た選手をどう育てのか。ここからは、監督、コーチの手腕はもちろん、大学としてのサポートにも懸かってくる。

◆試合結果

【総合結果】

①10時間8分7秒 大東大

②10時間8分17秒 明大

③10時間10分9秒 創価大

④10時間10分18秒 法大

⑤10時間11分47秒 神奈川大

⑥10時間12分12秒 上武大

⑦10時間12分36秒 拓大

⑧10時間14分9秒 国学大

⑨10時間14分45秒 国士大

⑩10時間16分17秒 日大

⑪10時間17分1秒 中大

【中大個人結果】

⑮   60分05秒 町澤

33位  60分34秒 相馬

51位  60分58秒 堀尾

99位  61分40秒 新城佑加(文4)

110位 61分46秒 二井康介(文1)

115位 61分52秒 舟津主将

144位 62分21秒 小池竣也(文4)

147位 62分23秒 渥美良明(経4)

157位 62分40秒 江連崇裕(経3)

159位 62分42秒 鈴木修平(法4) (↑ここまでがチーム順位に反映)

245位 64分05秒 竹内大地(法3)

281位 64分47秒 蛭田雄大(経3)

写真・記事:「中大スポーツ」新聞部