陸上競技部

陸上競技部・日本学生陸上競技対校選手権(11月号掲載記事)

2016年11月02日

 リオ代表飯塚氏のパワー乗り移った! 男子400㍍リレー(4継)決勝で、諏訪達郎主将(法4)、谷口耕太郎(商4)、川上拓也(法3)、竹田一平(経2)の中大が38秒92で優勝。同種目では昭和27~30年の第21~24回大会以来、本学61年ぶりとなる四連覇を飾った。3年前に今大会でアンカーを務めた飯塚氏はその後五輪銀メダリストに。4年後この4人の中から五輪金メダリストが誕生する可能性は十分にある。

▲3走・諏訪主将から4走・竹田へのバトンパスの瞬間。バトンを渡した諏訪はゴールラインを指差しながら力強く「いけーっ!」と叫んだ。

 これが「世界基準の中大」たる所以かー。ゴールラインを一番に駆け抜けたバトンの色はエメラルドグリーン。リオ五輪で銀メダルを獲得した同種目、日本代表が手に取ったものと瓜二つだった。

 母校の応援に駆け付けた飯塚翔太氏(平26卒・現ミズノ)も思わず唸った。1走の川上がトップでバトンをつなげると、一度も順位を落とすことなく4走の竹田がフィニッシュ。準優勝に終わった5月の関カレの雪辱を果たした。

 日本じゅうが歓喜した銀メダルも手放しでは喜べなかった。レースが始まろうとしていた同時刻、中大に居た4人はテレビ中継にかじり付いていた。「そのときは『日本を応援しよう』という気持ちだったけど、終わった後『走りたかったな』と複雑になった」(諏訪主将)。

 リオ五輪代表選考会となった6月の日本選手権。100㍍に出場した4人とも代表に選出されることはなかった。入学当初からこの大会を意識していたという諏訪主将は予選敗退。「終わったときは虚無感で自分が情けなくなった」。4年間思い描いてきた夢は一瞬で崩れ去った。

 「自分がこんなんじゃいけない」。決心したキャプテンがまず取り組んだのは意識改革。別の時間で調整していた下級生を積極的に自主練に誘い、共にバトン練習に励んだ。以前はインカレ出場選手のみで行っていた直前合宿は、今年から出場しないメンバーも一緒に参加。「サークルみたいな雰囲気だった」(谷口)練習を一蹴し、チーム全員で戦う意識を浸透させた。

▲ゴール直後の四人

 今大会で4年生は引退し、来季からは東京五輪の出場を争うライバルとなる。4人とも世界大会のメダル獲得経験があるだけに、日の丸への思いは格別強い。

 7月にU20世界陸上の4継で銀メダルを獲得した竹田。生活を懸けて競技に取り組んでいる海外選手を見て、「自分たちはハングリー精神に欠けているんだ」と気づかされた。目標は来年のロンドン世界陸上。「出るだけじゃなくて、銀以上のメダルを取って帰ってくる」。四連覇の偉業と同時に、バトンは次の世代へとつながれた。(手塚健太)

▽大会結果▽

400㍍リレー①中大②筑波大③日大

写真・記事:「中大スポーツ」新聞部