陸上競技部

陸上競技部 特別企画 日本選手権展望

2015年06月26日

6月26~28 新潟・デンカビッグスワンスタジアム

【特別企画】日本選手権展望

 日本最高峰の陸上競技の祭典、日本選手権が26日、新潟のデンカビッグスワンスタジアムで開幕する。中大からは10人がエントリー。今年も短距離を中心としたハイレベルな戦いが予想されている。8月に北京で開催される世界陸上の選考会も兼ねており、今年の陸上界を占う大一番になりそうだ。

▲大会まで1週間を切った20日朝、中大の陸上競技場では和やかな雰囲気で選手たちがウォーミングアップのジョグをこなしていた

 100mには女部田祐(法4)、諏訪達郎(法3)、川上拓也(法2)、猶木雅文(法4)の4人がエントリーした。昨年100㍍で3位に入った女部田祐(法4)は4月の織田記念陸上でレース中に肉離れを起こし、その影響で関東インカレを欠場した。先日の日本学生個人選手権大会では2カ月ぶりにレースに復帰。予選で10秒57を記録し、復調ぶりを示した。ベストの走りが出来れば表彰台争いに絡んでくる可能性は十分にある。

 川上は今シーズンに入って大きく成長した選手の一人。関東インカレ100m予選では10秒33をマークし2年ぶりに自己記録を更新した。元々スタートが抜群に得意な選手だったが、今年はそれをスムーズに加速につなげられているのが川上の強みだ。去年の世界ジュニアでは桐生(東洋大)らと共に4×100㍍リレーに出場し、銀メダルを獲得するなど世界の舞台での実績も十分だ。

 諏訪は自己ベスト10秒37を誇る。今年のユニバーシアード代表にも選ばれるなど、走りの安定感には定評がある。関東インカレ100mでも3位に0秒03まで迫る10秒41で4位入賞を果たした。川上や諏訪もまずは決勝進出を目指す戦いになりそうだ。

 200mには猶木、谷口耕太郎(商3)、日吉克実(文2)の3人がエントリー。20秒44の自己記録を持つ猶木はシーズン直前のけがの影響もあり、シーズン序盤は本来の走りから遠ざかっていた。転機となったのは先日の個人選手権。予選から冷静にレースを組み立て、準決勝を唯一の20秒台で突破した。決勝でも他を寄せ付けない見事なレースで優勝し、今大会へと照準を定めてきた。得意のコーナーで落ち着いた走りが出来れば当然結果も出てくるだろう。同じ東京高校出身の女部田と共に、悲願の代表入りへ。学生最後の集大成となる走りに期待だ。

 谷口も諏訪と同じく3年生。昨年に20秒45をマークした谷口は今年も絶好調だ。先日の世界リレーではアンカーとして、来年の五輪出場権獲得に大きく貢献した。大舞台でも物怖じせず自身の走りに集中出来るのが彼の持ち味。184cm・77kgと恵まれた体格を生かしたダイナミックな走りで日本の頂点を目指す。

 2年生の日吉は関東インカレで21秒の壁を破り20秒91の自己ベストをマークした。中学時代からトップ選手として桐生らと共に世代を牽引してきた日吉。今回の会場は3年前の2012年北信越インターハイでは好調を維持して桐生に勝利した地とあって相性抜群だ。今大会では上位進出とさらなる自己ベスト更新に期待がかかる。

 やり投げに森誉(文3)は去年の全日本インカレ優勝の実績を持つ。関東インカレ、個人選手権では惜しくも優勝を逃したが、その実力は去年の全日本インカレ優勝で証明済みだ。調子によっては、75m越えや80mの大台も可能か。400mハードルの田辺将大良(法3)はけがで出遅れたものの、個人選手権を制し今大会でも好レースが期待される。共に上位進出なるだろうか。400mハードルには他に松本健志(経4)、走り幅跳びには中村亮(法2)がそれぞれ出場する。

 100mには川面聡大氏(平24卒・現ミズノ)、100mと200mには飯塚翔太氏(平26卒・現ミズノ)らOBのミズノコンビも揃ってエントリーしている。また、今年卒業したばかりのマッスル根岸こと根岸紀仁氏(平27卒・現team Accel)も100mで出場予定だ。現役の大学生選手だけでなく、社会人選手と刺激し合えるのも、日本選手権の醍醐味。最高峰の舞台での選手たちの活躍から目が離せない。

写真・記事:「中大スポーツ」新聞部