バドミントン部

【展望】バドミントン部・全日本学生バドミントン選手権大会(西本拳太)

2016年10月15日

前人未到のインカレV4へ 西本「結果を残して、桃田に勝つ」

10月15日から千葉ポートアリーナをメイン会場として開催される第67回全日本学生バドミントン選手権大会(インカレ)。
世界ランキング43位の西本拳太(法4=埼玉栄)は史上初、男子シングルス4連覇の偉業達成を目指して、大会に臨む。

▲昨年は全日本総合で自身初の3位入賞を果たした。

 昨年は五輪や世界選手権に次ぐ、世界最高峰の大会であるスーパーシリーズに4度出場。国内最終戦の全日本総合では自己最高の3位に入るなど、充実したシーズンを送った。昨年12月には自身初の日本代表のトップチームに選出されるなど、名実共にトッププレイヤーの仲間入りを果たす。               

  迎えた今シーズン、思い描いていたインカレ4連覇、全日本総合初制覇の二冠の夢はシーズン序盤に一瞬で遠のいた。違法賭博問題への関与を認めたことで、1か月の活動停止処分と日本代表除外処分を受けた西本はしばらくコートを離れた。

「バドミントンなんてしてる場合じゃないと思った。ナショナルチームに居て、海外で試合することが大きなモチベーションだった。その中で、自分で何か見つけて頑張っていこうと考えた時に、結果を残し、応援してくれていた方に恩返して、また応援してもらえるように頑張るというのが宿命だと思った」(西本)。

▲初戦敗退に終わった日本ランキングサーキット大会

 処分以降は少しずつ大会を重ねて自信を取り戻していく。復帰戦となった5月の日本ランキングサーキット大会では初戦敗退に終わるも、9月の秋季リーグ戦、続く東日本インカレでは棄権を除き、出場したシングルスの試合で全勝した。

 東日本インカレ前には来季の所属先が実業団の強豪・トナミ運輸に決まり、競技に集中できる環境が整った。処分前は小学生から競ってきた同級生で、世界ランキング3位(当時)の桃田賢斗(現在も日本バドミントン協会より無期限の競技会出場停止処分を受けている)らが所属していた都内のNTT東日本を練習拠点としていたが、その後トナミ運輸の本社がある富山県に移った。

▲秋季リーグ戦に出場した西本は、トナミ運輸のリストバンドを身に付け出場

騒動から半年以上経った今でも、桃田に対する思いは胸の中にある。「同じチームに居たら桃田には一生勝てなかった。違うチームに行って、『桃田に勝ちたい』という思いを持って、これからも取り組みたい」。

  絶望の淵からはい上がっている最中だが、一度見失った二冠の夢は再び視野に入りつつある。「過去の自分と比べててもしょうがない。前(の競技力)に戻したところで、その時のレベルまでしかいけない。もっと進化して、変わっていけるように」。   4連覇の鍵は「如何に自分をコントロールできるか。自分でコントロール出来ることをしっかりやれるか」。己とじっくり向き合う時間が多かった中で、一歩引いて自分を客観視できるようになったという西本。まだ4連覇の景色は誰も見たことがない。かつてない挫折を経験したからこそ、西本が目にする景色は、かけがえのないものになるはずだ。(手塚健太)

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部