重量挙部

重量挙部・全日本大学対抗ウエイトリフティング選手権大会1日目(56㌔級)

2015年12月21日

12月18日 上尾市スポーツ総合センター

 

権田が連覇で有終の美、ルーキー砂山も堂々試技

 

 大学日本一を決めるインカレが、埼玉県上尾市のスポーツ総合センターで開幕した。大会初日のこの日、56㌔級に権田達也(法4)と砂山昂大(商1)が、69㌔級には笠井武広主将(商4)が出場した。権田は2年連続で同階級1位。砂山も自身が設定した目標の数字には届かなかったが、来季以降の飛躍を予感させる試技を見せた。

 

 

▲表彰式で笑顔を見せる権田

 

 場内が、打ち立てられた大会新記録に沸いた。2本目のスナッチでの快挙。しかし記録を作ったのは5月の個人選手権を制した実力者・権田ではなく、関大の本木だった。「(クリーン&)ジャークで巻き返すにしても、厳しいな」(権田)。この時点で8㌔差。昨年度の同階級を制した権田の連覇に黄信号が灯る。

 しかし本木に異変が起きる。初期設定より20㌔以上低い110㌔で1本目の試技を始めると、なんと2本目の115㌔を挙げたところで棄権。詳細は不明だが、権田にチャンスが回る形となった。

 その権田はジャークで2本目の132㌔をきっちりと差し、連覇を決めた。

 満足はしていない。「ラッキーというか、アクシデントによる繰り上げみたいになってしまった。ジャークも本来ならもっとできる自信はあったが蓋(ふた)を開けてみれば132㌔が精一杯」(権田)。それでも連覇という形には「結果としては最高」と笑顔を見せた。  

 

 

▲中学時代バレーボール部に所属。「コートを動き回り足腰が鍛えられた」とリベロでの経験が今も生きていると言う

 

 大学入学時を思い返しても、今の自分は想像できない。高校時代はインターハイや国体も優勝した経験を持つが「まさか2連覇できる選手になるとは」と自身の成長ぶりに驚く。今年は世界選手権の候補にも選ばれ「本当に名誉なこと」と胸を張った。

 卒業後も競技を続ける。世界選手権の出場を目標に掲げつつ、5年後の東京五輪に向けても「(そこを目指して)頑張りたい」と謙遜しながら意欲を語った。

 

 

▲砂山はルーキーながら堂々の試技を見せた

 

 来年度は権田が抜ける56㌔級だが、将来が楽しみなルーキーもいる。砂山はこの日「スナッチで点数を取るしかない」と得意の種目を武器に意気込んだが、目標の100㌔に5㌔及ばない95㌔に終わり「反省点は多い」と語った。

 1年生ながら立つ大舞台に当然緊張はあった。昨夜、就寝したのは日付を跨いで「4時くらい」。イメージトレーニングでは「なかなか良いイメージを持ってこれなかった」とメンタル面で不安を抱えていた。それでも本番では「なんとか大丈夫だった」と堂々の試技。ジャークでは自己記録を3㌔伸ばし、計5点を稼いだ。

 尊敬する先輩に、追い付き、追い越したい。同階級の先輩であり、今大会でも1位に輝いた権田は「憧れ」の存在だ。普段の練習でも「聞いたら教えてくれるし、いつも気を遣ってくれて温かい言葉を掛けてくれる」優しい先輩。この日も自身を奮い立たせる言葉を掛けてくれたと言う。尊敬する先輩だからこそ、いつかは越えるべき相手。自身が大学3年次となる2年後の国体、全日本選手権での対戦を見据え、「一番は権田さんを倒すことが目標です」とコメントした。

 個人の前に、まずはチーム。「来年は権田先輩の役割になれるように1位を取りたい」。この1年はスランプに陥る時期もあったが、監督を中心に周りの人間の指導で練習の質が明らかに変わったと語る。伸びしろたっぷりの砂山に、来季の飛躍を期待したい。

 

◆試合結果

56㌔級

①権田(スナッチ106㌔②、ジャーク132㌔①、トータル238㌔)

⑧砂山(スナッチ95㌔⑥、ジャーク115㌔⑧、トータル210㌔)

 

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部