硬式野球部

硬式野球部・東都大学野球秋季リーグ戦 対亜大3回戦

2016年10月03日

9月30日 神宮球場

「ストイック」吉田が逆転スリーラン 王者粉砕で今季初の勝ち点

▲5回裏、逆転の3点本塁打を放つ吉田

    123 456 789 RHE

亜 大=100 000 010=241

中 大=000 033 10X=792

[中]鍬原-保坂

[亜]高橋遥、山田義、中村稔、嘉陽-頓宮、佐久本

本塁打:〈中〉吉田(5回3点)

◆スタメン

1[一]土谷 恵介(法3=前橋育英)

2[右]飯嶌 幹太(商3=宇治山田商)

3[左]吉田 叡生(経2=佐野日大)

4[三]小河  諒(法4=桐蔭学園)

5[遊]松田  進(法4=国学院久我山)

6[二]新城  拓(文4=興南)

7[捕]保坂 淳介(商3=佐野日大)

8[指]廣谷 真也(経2=日大三)

9[中]水口 潤哉(商3=静岡商)   

P 鍬原 拓也(法3=北陸)

 昨季優勝校の亜大を相手に、中大が7対2と快勝を収め今季初の勝ち点を奪った。1点ビハインドの5回裏に3番吉田が逆転3点本塁打を放つと、6回には飯嶌の2点適時打が飛び出すなどその後も着実に加点。投げては先発の鍬原が散発4安打の2失点完投で、1回戦に続く完投勝利を挙げた。

▲本塁打直後の吉田(左から2人目)

 歓喜に沸くベンチに歓迎されても、険しい表情は崩れなかった。1点を追う5回裏、高めのボール球を右翼スタンドへたたき込む逆転の3点本塁打。「今まで調子が悪くて、チームに迷惑を掛けていたので」(吉田)。連勝で勝ち点奪取を狙った昨日の2回戦では、4打数無安打で2三振を喫した。寮に戻ってから秋田監督にアドバイスを貰い「ヘッドが下がらないように」スイングを修正。鬱憤(うっぷん)を晴らす公式戦初アーチに、思わず目が潤んだ。

 佐野日大高3年次は二塁手だったが、大学2年次から外野に転向。「3番・左翼」に定着し、春は打率.333を記録した。今季もここまでの7試合で.320と高打率を維持するヒットメーカーは、「練習の虫」とも揶揄(やゆ)されるほどの努力家。高校の先輩でもある捕手・保坂が「(吉田は)ストイックで練習が好きなようなやつ」と証言すれば、同じ外野手の飯嶌は「あいつが頑張って毎日練習してるのはみんな知っている。ホームランを打ってくれてうれしかった」と語った。

 左手に巻く「気迫」と刻まれたリストバンドは、昨季日大戦終了後に佐野日大高のチームメイト・田村海斗さんから貰ったもの。高校時代、共に一二塁間を守った仲間のプレゼントは「力になる」。174㌢と小さな強打者の一発に触発された打線は、7回に飯嶌の2点適時三塁打などで突き放した。

▲2失点完投でチームに勝利を呼び込んだ鍬原

 中1日での先発となった鍬原は「自分が一番ビックリ」と1回戦に続く完投勝利。エースの風格すら漂う右腕は「後半にかけて背中あたりからだるさを感じだ」と疲れを隠さなかったが、150㌔に迫る速球の力は最後まで衰えなかった。  「勝ったくらいで浮かれないですよ」と秋田監督はニンマリ。リーグ3連覇を狙う王者・亜大を下した意味は大きい。昨日の2回戦で沈黙した打線は面白いようにつながり、共にリーグ戦初スタメンの廣谷、水口も安打を放つなど新戦力もチームを盛り上げた。先発の鍬原は「1部に踏みとどまった挑戦者として、優勝した亜大から勝ち点を奪ったことは大きい」と手応えを掴む。すでに優勝の可能性は潰(つい)えているが、最下位の可能性はまだ残されている。小さくも大きい゛下剋上″を機に、残り2カードへ臨む。

◆コメント

秋田監督

(勝ち点を奪取したが)これから。まだ最下位の可能性もあるし、勝ち点を取ったくらいで浮かれちゃいけない。(松田主将のプロ志望届提出について)本人が出したいという意思を尊重した

松田主将

勝ち点が取れて良かった。初回を最小失点で抑えたのが大きかった。吉田もよく打ってくれたし、鍬原も本当によく投げてくれた。(プロ志望届を昨日出したが)もともとプロを目指してたので、出したからっていう特別な気持ちの変化はない

鍬原

2完投するとは思わなかった。自分が一番ビックリしている。後半は疲れで背中あたりの痛みや体がだるくなったりしたが、春優勝した亜大に勝ち点は自分にとってもチームにとっても大きい

吉田

昨日寮に帰ってから監督さんにスイングを確認してもらい上手く修正できた。ヘッドが下がらないように、上からたたく意識だった。今までチームに迷惑を掛けていたので自分の1本で流れを変えられてうれしい。

飯嶌

鍬原のピッチングになんとか応えることができてよかった。国学院も強い。一丸となって戦いたい。

水口

(初スタメン初安打)失敗を恐れず、思い切ってプレーしようと思った。負けられない一戦だった、チーム一丸となって勝ててよかった。

◆試合結果

中大7-2亜大●

※2勝1敗→勝ち点1を獲得

写真・記事:「中大スポーツ」新聞部