硬式野球部

硬式野球部・東都大学野球春季リーグ戦対拓大1回戦

2015年04月29日

4月28日 神宮球場

エースの風格!山手好投で難敵下す

 今季3カード目の相手は拓大。松田進(法3)の2点本塁打などで中盤に5点を奪うと、先発の山手幹(商4)が1失点完投の好投を見せ、5-1で勝利した。

 開幕から3カード連続で1回戦の先発を任された山手は、特別な思いを抱いて今日の登板に臨んだ。「広島から母親が見に来ていて、いい投球がしたかった。ただ、親が来ると成績よくなくて(笑)」。大学に入って2回目という、母が見守るマウンド。不安が的中したのか、初回の先頭打者にいきなり四球を与えてしまう。しかし続く打者が右飛を打ち上げると、飛び出していた一塁走者が帰塁できずに併殺が完成。「(あのプレーで)流れが変わった」。運とバックの好守を味方に付け、3回までを被安打1、与四球1で無失点に抑え、上々の立ち上がりを見せる。

 山手を援護したい打線は4回、1死一塁の場面で松田進(法3)。「1打席目でチャンスを潰したので、何としてでもここで返したかった」と振り抜いた打球は高い放物線を描き、左翼ポール際へスタンドイン。先制の2点本塁打となった。「神宮に来てから徐々に調子が上がってきて、自分のスイングをするということを心がけている。チャンスメイクになって下位打線から上位につないでいけるようにしたい」。昨秋自身初のベストナインを獲得し、今日の試合終了時点で打率.350超えと成長著しい背番号6のバットが火を吹いた。

 さらに5回には2死二塁のチャンスを作ると、3番・小河諒(法3)が左前適時打で3点目。「自分で追加点をあげれて良かった」と見事な初球打ちを見せた。中大打線の勢いは止まらない。後続が満塁の好機を演出し、打席には佐藤匠(文4)。「投手のためにも何とかしよう、点を取ろうと思っていた」。佐藤が放った鋭い打球は相手二塁手の正面へ。しかしこれが二失となり2人の走者が生還し、5-0となった。また佐藤は次打席で今季初安打をマークし「ほっとした」と笑顔。「この前もチャンスをもらったが無駄にしてしまったので、今回はアピールしてチームに貢献したかった」と強い気持ちをバットに乗せた。

 5点のリードを保ったまま、9回裏。リーグ戦初完封に向け、最終回のマウンドに上る山手に迷いはなかった。「先発の目標はやっぱり完全試合とかノーヒットノーランだけど、完封もなかなかできることではない。チャンスがあるならしたいと思って、監督に投げたいと言った」。しかし8回まで3安打に抑えられていた拓大打線が牙を剥く。中前打と左翼線への二塁打で無死二、三塁のピンチを招き、次打者の遊ゴロの間に三塁走者が生還。1点を返され、山手の完封の夢は潰えた。「9回はやっぱり(完封を)意識した」と悔しさを滲ませたが、後続を打ち取り1失点完投。エースの好投で5-1で勝利し、カードの初戦を取った。

 今季2回目の完投勝利を挙げた山手は被安打5、与四球2、球数はわずかに100球と見事な省エネ投球だった。これで3試合を投げ29回を自責点3。防御率0.93はリーグトップだ。風格すら漂う右腕の成長に、秋田監督も驚きを隠せない。「自分のピッチングを覚えたのかな。球持ちがいいのか、(相手打者の)タイミングをずらす。勢いのない球で、相手打者が打てないのは本当に不思議です」。当の山手も「経験を生かして、かわしていく投球を覚えた。ストレートは確かに遅いが、詰まらせる自信はある」と胸を張った。さらに自身で心得ていることがある。「味方が点を取った後は3人で抑えること。そこからリズムを作っていく」。その言葉通り、味方が得点を挙げた直後の4回、5回は共に3人で相手打線を片付けた。

 拓大が1部に昇格してからの3シーズン、中大が勝ち点を挙げたことはない。しかし神里和毅主将(法4)は「特に変わった対策はしていない。普通にやれば勝てる相手」と苦手意識はなかった。明日、勝利を収めれば4連勝。「明日も勝って勝ち点をしっかり取りたい」(神里主将)。開幕カードを落とし、すでに優勝争いから一歩遠ざかっている中大。悲願の東都制覇へ、負けられない戦いが続く。

 

◆コメント

秋田監督 打線は、いい形で取れた。5点を取り今日は負けないという気持ちがうちにはあった。山手は2点取られたら変えるつもりだった。ただ、完封って難しいですね

神里主将 (1番打者として2四球を選び)調子はそんなに良くないので、塁に出て少しは貢献できたかなと思う

山手 今日は先頭に四球を出してしまったが、(1回の右翼手・)泉澤のプレーで流れが変わった。野手がしっかり守ってくれて良かった。先発の目標はやっぱり完全試合とかノーヒットノーランだけど、完封もなかなかできることではない。チャンスがあるならしたいと思って、監督に投げたいと言った

小河 (チームの雰囲気)先制して、先発が抑えて、いい形になってるので雰囲気もいい

松田 (今季初アーチ)1打席目でチャンスを潰したので、何としてでもここで返したかった。ベストナインを獲ったことで警戒もされていると思うが、チャンスメイクになって下位打線から上位につないでいけるようにしたい。自分やっていかなきゃならないと受賞した時に感じた。

佐藤 初安打が出たのでほっとした。後はミスショットや体の開きが早いところを修正して、全打席安打を目標にやっていきたい

◆試合結果

  中大000 230 000=5

  拓大000 000 001=1

次の試合は東都大学野球春季リーグ戦対拓大2回戦(4月29日10:30~ 神宮球場)です!