硬式庭球部

硬式庭球部 関東大学テニスリーグ入替戦対亜大戦

2014年09月22日

9月20日 中大テニスコート
感謝感激雨あられ 有終の美を飾る
 リーグ5戦を終えて、2部2位の亜大との入替戦になった中大。亜大とは昨年も入替戦を戦って、勝利し昇格を決めた相手だ。
 
 第1ダブルスは中川航主将(法4)に代わり、それまでのリーグ戦同様鈴木大介(法4)と小坂絢太(商3)のペアに戻し挑んだ。相手の亜大は2部最終戦で1位の日大相手にダブルスを3勝しているため、苦戦が予想された。


 第2ダブルス、月村拓馬(経4)・杉浦勝貴(法3)組はリーグ戦で未勝利。しかしこの試合では、持ち味を発揮。月村がボレー、スマッシュをしっかりと決めれば、杉浦も安定したプレーで確実にポイントを獲っていく。そして最後の相手のリターンがアウトになり勝利を決めると、この試合がラストゲームの月村がラケットを投げ、喜びを表した。昨年の新進でベスト8を飾った際「相性はいい。このペアでインカレやリーグで活躍したい」と話した2人。その言葉通り昨年、今年のリーグ戦で活躍。インカレではベスト16に入り、今年の新進では前年を上回り優勝を果たした。今リーグ戦は不調で「ポイントゲッターにならないといけない自分たちが勝てなかったのは本当に悔しかった」(月村)。しかしプライベートでも仲の良い二人が、強気なプレーで最後にチームに流れをもたらす勝利をあげた。

 第1ダブルスの鈴木・小坂組はインカレでも敗れている仲村・小堺組と対戦。前年の入替戦では中川主将とのペアで勝利も上げていたが、中々優位をとれない。互いにサービスキープを続けて迎えた第9ゲームで、相手にブレイクを許してしまうとそのまま押し切られ第1セットを落とす。第2セットでも連続でブレイクを許すと、1つ返したものの、4-6になり敗戦となった。鈴木は膝や腰など体が万全の状態では無かったものの、取材時常に口にする「引かないで立ち向かう」という姿勢を見せ続けた。小坂も「愛している」と口にするほど、ペアとして以上に頼りにしあった。「専修戦しか勝てず悔しい」(小坂)。第1ダブルスで各大学の強豪との対戦が多かった二人。3年の小坂は来年誰とペアを組むことになるかまだ決まっていないが、ダブルスエースとして「インカレのダブルスで優勝したい」と話した。

 第3ダブルスは古田海人(商2)・西條一真(商2)組。今シーズン一気に頭角を現し春関、インカレ、リーグと駆け抜けてきた2人。第1セットは2-6としたものの、相手にリードされた第2セットは逆に得意のレシーブからの強打で勢いを見せつけ奪い返しセットカウント1-1とする。そして第3セット、0-40から追い付くなど粘り強さをみせ、試合はタイブレークへ。インカレで4試合連続スーパータイブレークを勝利した二人。しかし相手のサーブに押され、レシーブではじわじわとミニブレイクを許し4-7で競り負けてしまった。「自信がついた」(古田)。今シーズン戦う中で2人が得たものは大きいに違いない。2年チーフの西條は「課題は明白。それでも自信がつくシーズンだった」と話した。古田はインカレダブルスで優勝した兄、古田陸人(早大)という大きな目標を持ち、兄と同じように「単複両方で活躍したい」と誓った。来年、上級生となる2人は経験と悔しさをばねに活躍が求められる。
 善戦はしたものの1-2とリードを許してシングルスへとバトンをつないだ中大。シングルス4、5、6では次の世代を引っ張る3年生トリオが出場した。

 第6シングルスの須田昌賢(法3)は昨年の入替戦で、中大の一部昇格を決める勝利を挙げた。この試合では、第1セットをダブルスから連戦となる相手に先手を取られ落としてしまう。しかし第2セットではブレイクを許すも、疲労もあり動きが重くなった相手を攻めてブレイクバックすると、一気に自分の流れに持ち込もうとする。それでも第11ゲームに相手にブレイクチャンスを与えると、そこをしのげずに5-7でとられ敗れてしまった。「迷惑しか今年のリーグ戦はかけていない」と振り返った須田。今シーズンは中川主将の怪我等もあり、開幕戦を含めた3試合に出場したものの全敗となってしまった。しかし「この経験をいかして来年恩返しがしたい」と前向きに話す。この世代では唯一1年次からリーグに出続けていることもあり、責任感はあるに違いない。1年後どういった姿を見せてくれるのか期待だ。

 1-3となりあと1つ負けると後がなくなる状況。第5シングルスではリーグ戦で3勝した武内直人(商3)が出場。第1セット、第6ゲームにブレイクをするも「調子は良くなかった」と話したようにブレイクバックを許す。しかし追い付かれた直後に再度ブレイクをして、なんとか第1セットをものにする。第2セットでは相手のサービスから始まるゲームですぐにブレイクを許すと、相手に主導権を握られる。2ダウンで3-6となりゲームを落とす。そして第3セット。第3ゲームでブレイクを許すも第6ゲームでブレイクバック。5-4で第10ゲーム、武内レシーブ。先に40にしブレイクポイント。相手のボールがサイドラインを割り、このゲームを取り勝利した。「調子のいいままリーグに入れた」。その言葉通り勝敗が決する可能性もある4、5、6シングルスで安定した活躍を見せた武内。それでも「対大塚(法大)などは良い試合はできたけど最後の部分で大会で上位に入ってくる選手との違いが感じられた」と話した。次の世代の中心となる存在として「自分が率先して盛り上げるし、きつくも言っていきたい」とすでに風格を見せつつある。来シーズンは春関、インカレでの活躍も期待したい。


 そして第4シングルスの杉浦。第1セットは先にブレイクするも強打の相手にすぐにそれを返されてから、流れをつかめず落としてしまう。しかし「負けられなかった」(杉浦)。第2セットは連続でブレイクすると6-0とし、勝負は第3セットへ。両者2つずつブレイクし合い、どちらにも流れが傾かないままサービスをキープした杉浦が5-4とする。そして第10ゲーム。このセット3度目のブレイクチャンスをつかむと、それを決め切り勝利。ロングゲームをものにした。「最後は気力だけ」と話した杉浦。まさに最後は意地の張り合いの中での勝利だった。4年生が引退後新主将となる杉浦。「ぎりぎりの結果が多い。効率よく勝たないと」とまだまだ現状力不足を感じている。新主将としてどのようなチームにしていくのか。そして「大和田に負けていられない。3年生が頑張らないと」と個人戦の結果でも今後の奮起を誓った。
 3年生の活躍もありついに3-3とした中大。今シーズンエースとしてチームの柱となった大和田秀俊(法1)。そしてラストゲームとなる4年生。1年生の時から試合に出場し常に活躍し続けてきた鈴木、今シーズンは怪我で苦しんだものの、鈴木とともに重要な役割を果たしてきた中川主将。この3人に託された。

 第2シングルスで出場の鈴木はインカレベスト16の相手と対戦。しかし相手の実力は関係なかった。「調子は良かった」と試合後話したように、ファーストサーブがしっかりと決まりストロークでも相手に隙を与えない。一気にブレイクを重ねて第1セットは6-2、第2セットは6-0で勝利した。最後のマッチポイントにたどり着くまでに、自身の特徴でもある雄たけびを何度も上げた。「早く引退したいと思ってた」、そう話した後に「明日からテニスをしない生活が考えられない」と笑った。中学生の時から入るのが夢だった中大で、恩師北澤監督と共に歩んだ4年間。それはとても充実した時間だったに違いない。


 そして同じくラストゲームとなった、第3シングルスの中川主将。ここまで肘のけがもあり、下級生の頃から毎年リーグ戦で安定した成績を残してきたものの、今年は苦しんだ。この試合でも粘りが求められる展開となった。第1セット、先にブレイクするもそれを返され5-5から相手にブレイクを許し先にセットを獲られた。それでも「自分が決めたいし、決めないといけなかった」。第2セットは逆の展開で4-4で迎えた第9ゲームにブレイクし6-4とする。そして第3セット。最初のゲームをブレイクすると、そのまま両者サービスキープを続ける。そして5-3の第9ゲーム。ジュースまでもつれ込んだゲームで、相手のボレーミスを誘いマッチポイント。最後は相手がダブルフォルトをし試合終了。その瞬間「ホッとして力が抜けた、涙が止まらなかった」と、その場に倒れこみ大学ラストゲームを有終の美で飾った。「主将として最高の主将であったかと考えると、必ずしもそうとは言えない」。試合後そう話した中川主将。それでも「副将の月村だったり、しっかり練習する下の代が自分を支えてくれた」という。「来年以降も応援には来るし、この部活にお世話になったぶん恩返しできるようにしたい」と、主将としてチームを常に考えた発言は最後まで変わらなかった。

 そして今年彗星のごとく現れたエース大和田。第1セットでは第1ゲーム、第3ゲームとブレイクを許すも相手にキープをさせない展開。4ブレイクをし6-2でこのセットをとる。第2セット、この時点で鈴木が勝利し中川主将と大和田のどちらかが勝利すれば残留が決まる状況。そこで少し硬くなったか、第2セットでは相手エースに押し切られ獲られてしまう。そして第3セット、ここでも流れは相手にあり1-4とリードされてしまう。ここで中川主将も試合が終わり、残すはこの試合だけとなる。ここでエースとしての意地がでた大和田。「先輩たちの応援が力になった」と、そこから今までの劣勢が嘘のように、岡村(早大)や小野(明大)といった実力者を倒したストロークが決まるようになる。5連続でゲームを取り勝利した。今年は1年生ながらチームを引っ張った。「自分が負けると後味が悪くなってしまうので」。そう話すが、プレッシャーはとても大きかっただろう。「来年もまだ2年生で下級生ではあるけど、威張らず無言で引っ張っていきたい」。エースであることの宿命。残り3年間、大和田がどのような成長を見せるか。中大硬式庭球部の躍進にはその成長がカギとなるはずだ。
 この結果、ダブルス1-2、シングルス5-1、合計6-3で中大の勝利。苦しみながらも1部残留となった。

 1部ファーストシーズンとなった今年。予想以上に苦しい戦いが続いた。試合後、中川主将も「残留という形の入れ替え戦がこんなに厳しいものだとは思わなかった」と話した。来年はさらにシングルス、ダブルス両方に主力として出場してきた中川主将、鈴木にダブルスでレギュラーとして出場し続けた月村が抜ける。その穴は決して小さくはなく大きなものであるだろう。来年の新入生だけで穴埋めできるものでなく、現メンバーの底上げが求められる。今リーグではダブルスのみで出場の西條、古田の両2年生も「シングルスでも活躍したい」と話し、下級生はすでに前を向いている。

 絶対的王者早大を筆頭にした1部に君臨する4校、そして一昨年まで入替戦で勝てず悔しい思いをさせられてきた日大が専大に勝利したため、来年は1部に復帰する。目標とする王座進出にはいくつもの壁が存在するが、持ち前の明るさとチームの中の良さでのりこえていくことが期待される。

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 今季リーグ戦も中大硬式庭球部の選手の皆さん、マネージャー、関係者の方々に差し入れを含め多大なご支援、協力をいただきました。紙面上では書くことができないため、この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 またFacebookには随時リーグ戦写真も更新の予定です。
試合結果

【ダブルス】
●NO.1鈴木・小坂 0(4-6 4-6)2 仲村・小堺
○NO.2月村・杉浦 2(6-3 6-3)0 高山・橋本
●NO.3古田・西條 1(2-6  6-3 6-7(4))2 白井・秋山

【シングルス】
○NO.1大和田 2(6-2 3-6 6-4)1 仲村
○NO.2鈴木 2(6-2 6-0)0 田中
○NO.3中川 2(5-7 6-4 6-3)1 白井
○NO.4杉浦 2(4-6 6-0 6-4)1 小堺
○NO.5武内 2(6-4 3-6 6-4)1 橋本
●NO.6須田 0(3-6 5-7)2 秋山

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部