法学研究科 博士後期課程 政治学専攻の朴 シウン(パク シウン)さんが、EIASM公共セクター学会*で発表を行いました。本記事では、朴さんによる発表内容の紹介や発表にあたってのメッセージをお届けします。
*13th International EIASM Public Sector Conference - Public Service Accounting, Accountability and Management(第13回国際ヨーロッパ高等経営研究機構の公共セクター会議 - 公共サービスの会計、アカウンタビリティおよびマネジメント)
EIASM公共セクター学会について
EIASM公共セクター学会は、公共サービスの会計、アカウンタビリティ、管理に関する課題を議論するために開催されました。現在、気候変動、移民、格差拡大、パンデミックなど、社会が直面する多様な問題に対処するには、公共セクターのみならず、政府や国際機関による協調的な対応が求められています。また、デジタル化や市民参加の進展に伴い、国家と市民の関係も再構築されつつあります。このような変化が進む中で、本学会では、公共価値の創造や測定、公共セクターにおけるパフォーマンス測定について議論が行われました。今年度の学会は、スウェーデンのストックホルム大学で開催されました。
EIASM Conference
Stockholm Universtiy(ストックホルム大学のキャンパスの入り口)
Stockholm City hall(ストックホルムの市庁)
発表の概要について
近年、公共セクターにおけるデジタル化が進む中で、文化施設、特に博物館や美術館のデジタル化が注目されており、多くの国々では多様な側面から支援が行われています。例えば、イタリアでは「The National Recovery And Resilience Plan (PNRR)(2021年)」、日本では「文化芸術推進基本計画(第2期)(2023年)」、韓国では「Digital New Deal 2.0(2021年)」および「Digital Platform Government(2022年)」を通じて、文化施設のデジタル化が進められています。 このような背景のもと、本発表では、イタリア、日本、韓国の博物館におけるデジタル政策と国家予算を比較分析しました。博物館政策を担当する各国の行政機関や政府機関の違い、国家戦略、予算配分の側面から、各国がどのように対応し、どのような特徴を持っているのかを調査し、その結果を発表しました。発表後には、3か国(日本、韓国、イタリア)の比較がもたらす効果や、デジタル化の定義、データ収集方法に関する質問を頂きました。
発表にあたって
今回の国際会議は、私にとって3回目の対面での参加でした。これまで参加した学会の中でも規模が大きく、非常に多様な専門領域の研究者が集まっており、大変貴重な経験となりました。今回の参加を通して、多様な視点やアプローチに触れることができ、自身の研究にも大きなインスピレーションを受けました。さらに、他の研究発表を聴くことや、多様な参加者との交流を通じて、多くの学びを得ることができました。今回の学会参加を通して得た知見を、今後の研究に活かしていきたいと考えています。