大学院

【究める vol.95】在学生の声 中尾 友香さん(文学研究科 博士前期課程)

2022年06月15日

「究める」では、大学院に携わる人々や行事についてご紹介します。第96回となる今回は、「在学生の声」として文学研究科の中尾 友香さんにお話を伺いました。大学院でのご自身の研究をはじめ、進学した理由や大学院で得られる体験など、大学院の様子が伝わる様々なエピソードが載っています。ぜひご覧ください。

自然豊かな眺めを望む。北門までの一画


中尾 友香(なかお ゆうか)さん


研究科:文学研究科
専 攻:教育学専攻
課 程:博士前期課程
学 年:2年

大学院でのご自身の研究について教えてください

教育学の中でも社会教育・生涯学習の分野を研究領域としています。学校教育から見ると、ややニッチな領域なので、どんなことをしているのだろうと思われるかもしれません。ざっくりいうと学校外での教育や学習を主に取り扱っています。具体的には、当時の史料等を用いながら、1970年頃の多摩地域の社会教育施設(主に公民館)では、どのような学習が展開され、どのような人々が学んでいたのかを研究しています。とりわけ、学習者の中では女性に焦点を当てています。現在の私たちの社会では「学校」は非常に大きな存在感を放っていると思いますが、そうした「学校」を相対化するような社会教育・生涯学習の分野は広大でとても面白い研究分野だと思って取り組んでいます!

大学院へ進学した理由と、中央大学大学院を進学先に選んだ理由を教えてください

進学理由としては、もう少し勉強してみたいなと思ったというのが本音です。大学学部生の時期を経て、私は何かひとつ、これについては語れる!というものを持っているだろうかと考えたときに、残念ながら何も十分に語れないと思いました。そして、これから先を生きていくために「語りうるもの」が欲しいと思ったのが進学理由です。中央大学を選んだのは、指導教授の方のご研究分野や、研究の環境の充実度合いからです。

実際に入学してみて、大学院はいかがでしたか

凄く大変です(笑)
たかだか2年の就学延長と思われるかもしれませんが、入学時と現在では、思考の方法がまるで変わったように感じます。振り返ってみると、入学当時は予想だにしなかった力が、日々の学びの中で身についていたということが一番素敵なことだと思っています。

大学院での授業はどのように行われていますか

少人数の授業が多く、場合によってはマンツーマンの授業もあります。私が受けている授業では、基本的には、文献の講読が主です。かつて私が通っていた学部の授業では、少人数の授業は少なかった印象があります。そのため、学部のころよりも院は密度が濃い印象があります。

中央大学大学院に進学してよかったことについて

教育学専攻では、教育学分野の中でも専門分野の異なる先生方が多くいらっしゃいます。そのため、教育という事象を様々な視点から見ることが出来ます。先生による視点の置き方の違いから、授業内でいただくコメントも異なります。そうした教育学の幅を見ることができたのは、中央大学大学院に進学してよかった点です。また、授業も少人数で展開されるため、非常に密度の濃い時間を過ごすことができます。さらには、授業以外にも共同研究室の環境の良さや、TAやライティング・ラボでの経験といった院生の研究能力を向上させるような仕組みが充実していて、広く門戸が開かれていることも挙げられます。これらの経験を振り返ると、中央大学大学院へ進学して心から良かったなと思っています。

授業以外の時間は、どのように過ごしていますか

平日は大学院の授業以外では、研究や、学部生の授業へTAとして参加させていただいたり、ライティング・ラボでチューターとしても勤務しています。土日は在宅の仕事やアルバイトを組み合わせて生活しています。

大学院進学を目指すみなさんへ

大学院は大変なこともかなり多いと思います。同時に、進学する前には想定していなかったほどの自身の成長をも感じることができるように思います。誰しもにおすすめできる道ではありませんが、自分の思考そのものを批判的に見つめ直すことのできる貴重な機会が得られると思います。もし、専攻の研究室や先生方、院生さんや研究対象の本などを見たり読んだりして、何かきらきらと光るものを見つけたらぜひ!院進学の扉を開けてみてください。自分自身の枠を思い切り広げてくれる楽しい「他者」に出逢えると思います。

 

※本記事は、2022年6月時点の内容です。