大学院

【究める vol.93】研究科委員長に聞く大学院での学びと研究⑦(瀧澤 弘和 経済学研究科委員長)

2022年05月24日

瀧澤 弘和 経済学研究科委員長

 

「究める」では、大学院に携わる人々や行事についてご紹介します。
今回は前回に続き、「研究科委員長に聞く大学院での学びと研究」というテーマで、大学院についてや学部との違い、研究の特徴などについて研究科委員長へインタビューした記事をお届けします。今回は経済学研究科の瀧澤 弘和(たきざわ ひろかず)委員長にお聞きしました。
受験を検討している方や大学院という場所に関心をお持ちの方は、ぜひお読みください。

大学院とはどのようなところか

かつての大学院は研究者を養成する場でした。大学教員になったり、研究所に努める人たちですね。こうした人たちに対して、専門領域における過去の研究や研究手法の理解を深めて、自ら新規な研究成果を残せる研究者になるための訓練を提供する場でした。もちろん現在もその機能は維持していますが、今日では、社会の中の実際の場面で「アカデミックな手法」を活用する人たちを育成するための場にもなっています。たとえば最近の実験や統計学の手法などは汎用的で応用可能性が大きいと思います。応用可能な知識が高度化するとともに、そのような知識を活用する場面が広がっていく趨勢にあるので、大学院はより社会に開かれたものになっていくと思います。

大学院での研究で求められること

出来るだけ早く、学んだ知識を自分のものとする独自の勉強法を身につけることが第一歩です。たとえば数学であれば、自分でノートを作成し、それを何度も見返して徹底的に頭に入れていくなどの工夫が必要です。その基礎の上に研究が成立します。

研究者志望の方の研究ということで言うと、よく知られた未解決問題を解いたり、新規な問題を発見したりすることがもっとも確実に業績を残す方法ですが、それは難しいかもしれません。でも、ほかにも多様な研究の余地が存在することを実感することが重要です。世の中はわからないことだらけですから。社会科学であれば、社会のさまざまな問題に目配りをして、学んだことと現実の問題との関係について常に考えていることが何より重要だと思います。

学部と大学院の違い

学部でもカリキュラムに従って学ぶなかで、それぞれの学問分野の独自な思考方法(センス)に晒されますが、それを実感したり、言語化したりするのは難しいと思います。大学院の場合、過去の研究をより深く理解するプロセスを通して、その分野固有の問題へのアプローチの仕方を身につけていきます。そして、研究者志望の方の場合には、その上に自分の研究を付け加えていき、高度職業人を志望する方の場合には、そのアプローチを現実の問題に応用していくわけですね。ですから、大学院では各分野のセンスやアプローチの仕方に対して、より自覚的になると思います。

大学院進学を目指すにあたって

結局は、自分独自の勉強方法を身につけることがもっとも重要だと思います。学部のときこそ、そのような勉強方法を試みる場面が数多くあるのではないでしょうか。たとえばレジュメやノートの作成方法などはもっとも基本的です。こうして勉強を重ねていくと、自分自身の物の見方が自然に変化していることにも気づくはずです。このとき、知識は単なる知識ではなくて、自分の考え方・生き方にも影響するような、より深いものになっていることに気づくはずです。学部のときには、こうしたプロセスを楽しみつつ、自己変革するような経験が何より重要だと思います。プレゼン大会に出場するなどして、是非、楽しんでもらいたいですね。

 

※本記事は、2022年5月時点の内容です。