大学院

【究める vol.77】修了生の声(法学研究科 博士前期課程)

2022年03月25日

修了生の声(法学研究科 博士前期課程)

 

 

セルバラットナム ダニエル さん

法学研究科 博士前期課程 国際企業関係法専攻を
2021年度に修了しました。

 

 

 

大学院時代の研究について

私は、博士前期課程の 2 年間において以下の 2つのテーマについて、研究しました。
(1)「ドイツ国際私法におけるタラーク離婚の課題」
(2)「国際私法における児童婚の課題」
前者は大学院研究年報に掲載する論文として、後者は修士論文として、提出しました。

大学院へ進学した理由を教えてください

私は法学研究者になりたいと考えています。そのために、とりわけ重要と思われる以下の3つの能力を向上させるために、大学院へ進学しました。

(1)語学能力の向上
日本において法学研究者は、法的論点について検討するにあたり、外国法を手掛かりにすることが、伝統的になされています。外国の法律や裁判例は、独特の用語や表現方法があります。そのため、それらを読解し、理解する能力を得ることは、大学院へ進学した理由の一つです。

(2)法的思考能力の向上
法学研究者になるにあたり、法的思考ができるということは、基礎的なことになります。学部時代は、様々な法分野を表面的に学習しました。しかし、より高い次元で法的思考能力を獲得するためには、研究分野を絞って、さらに細かく学ばなければならないと思いました。このようなことは、まさに、大学院における少人数の授業や論文執筆において必要とされる能力です。そのため、法的思考能力を獲得するということは、大学院へ進学した理由の一つです。

(3)論文執筆能力の向上
法学研究者にとって、論文の執筆は基礎的な作業となります。論文は単に新規性のある内容を含むのみならず、論理的にも整理されたものである必要があります。しかし、大量の情報を論理的に整理して執筆するということは、難しいことであると思いました。そのため、論文執筆能力を向上させることは、大学院へ進学した理由の一つです。

中央大学大学院へ進学した理由を教えてください

(1)設備の充実
中央大学には、広くて快適な中央図書館があります。また、大学院図書館や比較法研究所の書庫には、 様々な専門的な本が保管されています。これらの設備は、研究をする上で非常に大切であると思いました。また、大学院生用の情報処理室には、パソコンやスキャナーなどもあり、非常に充実している設備でし た。これに加えて、大学院生には、研究室が割り当てられるので、極めて快適な環境で研究をすることができると思いました。そのため、中央大学の大学院へ進学を決めました。

(2)指導の充実
私の指導教授の先生は、学部時代から丁寧に個別指導をしてくださっていました。大学院へ進学しても、丁寧にご指導いただくことができると考えたので、中央大学の大学院へ進学を決めました。

ご自身にとって大学院はどのような場でしたか

(1)語学力の向上
私の専攻している科目は、国際私法です。国際私法は、伝統的にドイツ法から強く影響を受けました。そのため、国際私法を研究する者として、ドイツ語について勉強する必要があるました。私は学部生の頃、第二外国語としてドイツ語を履修していなかったこともあり、ドイツ語の習得は課題となりました。しかし、指導教授の先生が、毎週、丁寧にご指導してくださったおかげで、ドイツ語の裁判例や立法資料なども読むことができるようになりました。

(2)法的思考力の向上
大学院においては、法律を理解するにあたり、文言のみならず、立法趣旨や立法過程、外国法との比較、 裁判例における解釈など、様々な視点から検討することの重要性について、学びました。このようなことは、法的思考能力の向上になったと考えています。

(3)論文執筆力の向上
論文は思い付きで書くのではなく論理的に丁寧に組み立てなければなりません。そのため、論文を論理的に組み立てていくという作業を通じて、論理的な思考や体系的思考を身に着けることができたと思います。

中央大学大学院へ進学してよかったことについて

私は、前期課程において、2つの研究会に参加していました。そこで自分の研究に対する指摘を頂くことも あり、また他の研究者の研究を知ることもできました。

(1)国際関係法(私法系)研究会 同研究会では、国際私法、国際経済法、国際取引法の観点からの研究報告を聞くことができました。自分とは異なる分野の研究を聞くことは、視野を広げるためにも貴重な機会でした。また、同研究会において、 私は 2 回報告をさせて頂きました。その際、他の参加者様から貴重なご指摘を頂きました。そのようなご指摘は、研究する上で、大変有意義な視点となりました。

(2)国際関係法研究会 同研究会では、主に国際公法の視点から様々な研究報告を聞くことができました。また、報告者は中央大学以外の研究者による場合もありました。同研究会に参加し、様々な報告を聞くことで視野を広げることができたと思います。

大学院時代の印象に残っている出来事について

私が学部生の頃、学校の敷地内に【イノシシに注意】という看板を見かけた記憶がありました。確かに、学校 の敷地内に自然豊かな山のような場所はあるのですが、イノシシがいるかは半信半疑でした。私は動物が好きなので、イノシシに会ってみたいと思いつつ、何年も自然豊かな山のような場所を探し回ったのですが、イノシシを見つけることはできませんでした。しかし、最近、コロナの影響により、登校する人数が激減しました。そのため普段は人間を警戒しているであろうイノシシの行動範囲も、いくらか広がっているのではないかと考えました。そして、自然豊かな山のような場所で、イノシシを探していたところイノシシと思われる足跡を見つけることができました。長年探し求めていたイノシシには会えませんでしたが、少なくともイノシシがいることを知ることができて感動的な瞬間でした。とはいえ、警戒心が強いイノシシと直接会うことは、今後の課題となりそうです。

修了後の進路について

中央大学博士課程後期課程へ進学する予定です。

受験生へのメッセージ

中央大学大学院での研究は、とても有意義な時間であると思います。時間を有効活用するためには、事前に入念な計画を立てることが大切であると思います。とはいえ、計画通りにならないことも、必ずあると思いますので、健全な範囲での楽観的視野を持ちつつ、研究することが充実した大学院生活へつながるのではないかと思います。私は、後期課程へ進学しますので、もし興味がある方がいれば、是非お声掛けください。

 

※この記事は、2022年3月時点の内容です。

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