大学院

【究める vol.67】⽊村崇是さん(文学研究科 英⽂学専攻)の研究が、ボストン言語発達学会でPaula Menyuk Awardを受賞しました

2021年11月30日

ボストン言語発達学会から授与された賞状とともに


木村 崇是(きむら たかゆき)さん
文学研究科 博士後期課程 英文学専攻 在籍

文学研究科 博士後期課程 英文学専攻に在籍している木村 崇是さんが、アメリカのボストン⾔語発達学会にて、評価が⾼かった研究に贈られるPaula Menyuk Awardを受賞しました。

ボストン⾔語発達学会は、⼼理⾔語学、⺟語獲得、第⼆・第三⾔語習得、⾔語処理など、⾔語発達に関する研究を広く扱う学会で、1000⼈以上の⾔語発達研究者が参加する、この分野では最⼤規模の国際学会です。

研究内容について、木村さんにお聞きしました!

【受賞発表タイトル】
“Selection and Reassembly of Uninterpretable Features in L2 Acquisition:Evidence from Wh-questions”

今回受賞した研究は、若林茂則先⽣のご指導の下に⾏った博⼠論⽂の研究の⼀部で、⽇本⼈と中国⼈英語学習者によるwh 疑問⽂の習得を調査したものです。

学校教育でwh 疑問⽂について明⽰的に教わる事実は「wh 語は⽂頭に置く(移動させる)」程度ですが、実は学習者は教わっていない抽象的な知識を知らぬ間に⾝に付けています。今回の研究では、⽇本⼈・中国⼈英語学習者を対象に実験を⾏い、彼らがどのような知識を⾝に付けているのか調査しました。

実験の結果,学習者は⺟語の知識でもなく、教わってもいない抽象的な⾔語知識を作り出して英語のwh 疑問⽂を形成していることが明らかになりました。また、英語が上級レベルになると、⽇本⼈学習者と中国⼈学習者はどちらも英語⺟語話者と同様の知識を習得できることが明らかになりました。

⽇本語と中国語、英語は、どれも異なる⽅法でwh 疑問⽂を形成するため、異なる⺟語をもつ学習者でも同じ知識の習得に⾄るというのは興味深い発⾒です。また、第⼆⾔語習得理論では、⽇本語や中国語を⺟語とする英語学習者は、英語のwh 疑問⽂を習得できないと⾔われてきたため、本研究は理論的にも重要な⽰唆をもたらします。

 

木村さんの研究については、こちらの記事もご覧ください。