原 周緑さん(経済学研究科 博士前期課程 2020年度修了)
原 周緑(ゲン シュウリョク)さん
2020年度に経済学研究科 博士前期課程 経済学専攻を修了しました。
大学院でのご自身の研究内容をはじめ、
大学院での学びや研究を通じて身につけたことについて
お答えいただきました。ぜひご覧ください。
大学院時代の研究について
私は「男女の労働時間が結婚・出生行動に与える影響に関する実証分析」について研究していました。日本では婚姻率が低下すると同時に、結婚した男女の出生数も低下して、両者相まって出生率を引き下げています。しかしながら、これまでの研究では働き方と結婚や出生行動の関係を明示的に関連付けて分析したものは多くありませんでした。そこで、私の研究では先行研究を踏まえ、「消費生活に関するパネル調査」のデータを利用しました。5648名の女性とその配偶者の労働時間、年収、学歴などの情報をめぐって記述統計分析とサバイバル分析を行いました。
ご自身にとって大学院はどのような場でしたか
私にとって、大学院は新しい知識・スキルを身に着けられる場所です。私が大学院に進学した理由は、大学院卒は学部卒よりよい賃金を貰えると思ったからでした。しかし、ゼミと授業を通じてあることを意識しました。企業が大学院卒の人に高い賃金を払うのは、大学院卒の人が高いスキルを持っているからです。この二年間、私は計量経済学などの授業を履修して、スキルを磨くことができて、就職活動にも役立ちました。大学院ではゼミだけでなく普段の授業中でもディスカッションやプレゼンテーションが頻繁に行われています。そこで学んだ知識を用いて、労働力不足や人口問題など複雑な社会問題に対しての理解を深めました。
また、大学院は学生同士で切磋琢磨して高め合える場所です。経済学研究科には様々な国からの生徒が集まっています。各国の文化や考え方、価値観を知って、見識を広げることができました。さらに、経済学研究科内だけでなく同じフロアの法学研究科や総合政策研究科の方々ともコミュニケーションができて、経済学以外の知識を学んで、多くの経験を積むことができました。
大学院時代の印象に残っている出来事について
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大によって、学生生活と就職活動に甚大な影響を与えました。キャンパスへの入構が制限されたり、景気の悪化で企業は採用枠を減少したり、様々な困難に直面しました。従来とは異なる方法のオンライン授業を実施するには不安がありましたが、大学からの機器や通信環境の整備などのサポートのおかげで、指導教授とスムーズなコミュニケーションを取れました。企業の説明会や面接のオンライン化が進んで、移動時間がなくなり、そのため研究に十分な時間が確保できました。コロナ禍において、勉強・研究と就職活動との両立が無事にできたことが私の大学院時代の印象に残っている出来事です。
修了後の進路について
2021年春から東京都内の大手IT企業に働くことになります。
受験生へのメッセージ
以前、大学院に進学するか就職するかを悩んでいた時期がありました。今振り返ってみると、大学院に進学してよかったと思います。問題に対する考え方の幅、知識の幅を広げることができて、専門的なスキルを身に着けて、楽しい学生生活を過ごすこともできました。コロナ禍で進路に迷う人がいるとは思いますが、大学院の進学も就職も、未来の自分が後悔しないように頑張ってください!
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