大学院

【究める vol.41】大学院生の生活⑧(文学研究科 博士前期課程2年)

2021年02月02日

「究める」では、大学院に携わる人々や行事についてご紹介します。
現役大学院生に院生生活や研究についてお聞きする連載「大学院生の生活」。今回は、文学研究科 日本史学専攻 博士前期課程2年次に在籍する大学院生にお話を伺いました。

歴史資料の保全活動にて作業をする様子

 

  研究科:文学研究科


   課程:博士前期課程2年


   専攻:日本史学専攻

大学院での研究活動について

日本近世の地域行政は、武士身分の役人のみならず、百姓身分ないし百姓身分出身の役人も含めて担われていました。そのような百姓身分ないし百姓身分出身の役人が、武士身分の役人とどのような関係を有しながら地域行政を担い、その地域行政はどのように変容していったのか、また、百姓身分ないし百姓身分出身の役人はどのように明治維新を迎えたのかについて研究しています。分析対象は主に地域に残された古文書(史料)であり、調査した古文書(史料)を解読し、分析・検討を行っています。

しかし、そのような地域の歴史を伝える古文書(史料)などの歴史資料が、近年続発する災害などにより失われる危機に直面していることが指摘されており、歴史資料の保全活動が各地で行われています。私も指導教授やゼミ生などとともに、被災した歴史資料などの保全活動に参加してきました。

地域に残された古文書(史料)を活用した研究成果を公表し、地域に還元することや、歴史資料の保全活動に参加することなどを通じて、地域や社会に貢献したいと考えながら、研究活動に取り組んでいます。

1週間のスケジュールについて

大学院生として、どのような1週間を過ごしているかについてお聞きしました。

  午前 午後(昼) 午後(夜)
授業★ 授業★ 研究
研究 研究 研究
研究 研究 研究
研究 研究 研究
アルバイト アルバイト 研究/自由
アルバイト アルバイト 研究/自由
アルバイト アルバイト 研究/自由


<Pick Up!>
★授業(月・午前~午後)
大学院の授業はゼミ形式で行われるものがほとんどで、私が所属しているゼミでは、主に、①研究報告、②論文講読、③史料講読が行なわれています。①と②では、報告に対してゼミ生全員で質疑・議論を行います。研究テーマや学年を越えた議論により、報告内容がさらに深まります。③では、ゼミ生全員で一つの史料を読み込むことで、史料や、史料から読み取れる事象について深く理解することができます。

1日のスケジュールについて

続いては1日のスケジュールについて、具体的に例を挙げていただきました。

~6:00 睡眠
6:00~7:00 朝食
7:00~11:00 研究/授業の準備
11:00~12:00 授業
12:00~13:00 授業/昼食
13:00~15:00 研究/勉強会★
15:00~19:00 授業
19:00~20:00 夕食
20:00~24:00 研究


<Pick Up!>
★研究/勉強会
私は博士前期課程に在籍しており、修士論文の提出に向けて、研究に取り組んでいます。具体的には、先行研究を整理し問題意識を明確にするとともに、長期休業などを活用して調査した古文書(史料)を解読し、分析・検討を行っています。
また、大学院生を中心にして、自主的な勉強会や研究会を実施することもあり、各自の研究報告の他に、新刊書の講読を実施したことがあります。

受験生のみなさんへ

大学院では、指導教授をはじめとした先生方や大学院生と、ゼミや勉強会、研究会などの場で議論しながら、研究を進めていくことができると考えています。大学院を目指している方と、今後大学院で、日本史学・歴史学や、歴史資料の保全、史料(史料群)、研究などについて議論ができれば幸いです。

 

※この記事は2020年12月時点の内容です。