大学院

【究める vol.28】研究科委員長に聞く大学院での学びと研究②(実積 寿也 総合政策研究科委員長)

2020年12月09日

実積 寿也 総合政策研究科委員長

 

本記事は、11月19日(木)に行われた総合政策研究科のオンライン進学説明会での実積 寿也 研究科委員長による説明をまとめ、再構成したものです。
大学院とはどのようなところか、学部との違いや授業の進め方、研究の特徴などについて、研究科委員長の立場からお話をいただきました。
受験生の方や大学院という場所に関心をお持ちの方は、ぜひお読みください。

大学院とはどのようなところですか。

大学院は、広大な学問分野を俯瞰した位置から見つつ、自分の専攻分野や論文分野に関する研究を深めていくところです。ですから、大学院とは「学部の延長線上で勉強する場所」という認識だとしたらそれは少し違うでしょう。学生であれば学部で面白いと思ったテーマを、社会人であれば社会で実際に直面する課題を深掘りする場所です。また、大学院は学部と違い、教員もまだやっていないことを学生が自ら切り開いていく場であり、教員と学生の関係も師弟というよりは、先導者とその同僚の研究者という意味合いが強くなります。

大学院での研究で求められることは何ですか。

まずは自分が何についてどういう研究をしたいのか、また将来何になりたいのかについてよく考えてほしいです。大学院の勉強は、標準的なカリキュラムがあるのではなく、自分が深めたいテーマに関する学習をオーダーメイドで作っていくものです。どのような問題に取り組みたいのかを明確にすることと、問題の症状ではなく、問題の原因を究明することが大切になります。そのためには、過去の研究者が行った研究を調べ、自分が設定しているテーマがその研究分野の中でどの段階に位置しているかを知ることも必要です。

総合政策学とはどのような学問ですか。

総合政策学とは問題を解決するための手段を探していく学問です。さらに、特定の学問分野だけではなく、複数の学問分野の視点から学際的なアプローチをするものです。1つの問題に対して様々な学問を使ってアプローチする必要があるため、要求される水準は高いといえます。研究を進める際には、様々な観点から問題の解決方法を検討し、実際に社会に役立つ回答を出すにはどうしたらよいかを考えていきます。

大学院進学を目指すにあたり、やっておいた方がよいことはありますか。

入学試験に出願する際は研究計画書を書くと思います。研究計画書は自分で悩んで書くことも大事ですが、ゼミの先生など、相談できる人に見てもらってください。自分ではよいと思っていても、第三者から見ると不十分な点がある場合もありますので、いろいろな人に見てもらうことをおすすめします。また、指導教授を選ぶ際は、自分が研究したいテーマと近い分野を扱っているかだけでなく、研究手法が似ていることも、1つの観点になると思います。