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「第2回 中大アントレキャンプ」で高校生が中大生のファシリテーターとアントレプレナーシップを学びました

社会課題を単なる「アイデア出し」ではなく「ビジネス」で解決することにチャレンジ!

中大アントレキャンプとは

2025年3月27日(木)、多摩キャンパス グローバル館 7階ホールにて『第2回 中大アントレキャンプ』が行われ、2025年4月入学予定者と中大附属高校の高校生が、専門の講師や中大生のファシリテーターと一緒にアントレプレナーシップ(起業家精神)を学びました。

本学ではアントレプレナーシップ教育を「不確実な状況で新しい価値に挑戦する精神を育てるための基礎教育」として、起業という限定的な活動に留めず、世界に通じるエコシステムのなかで力を発揮できるグローバルなマインドを持つ人材の養成を目指しています。
本イベントは高校生を対象に、社会課題の解決にチャレンジする1DAYワークショップです。課題を単なる「アイデア出し」ではなく「ビジネス」で解決することにチャレンジします。

ワークショップの様子

『第2回 中大アントレキャンプ』では、「世界を視野にいれた防災の課題をビジネスで解決しよう!」をテーマに、12チームに分かれ、チーム発表やポスターセッションに向けた準備に取り組みました。

午前中は、「社会問題について」「課題に対するインプット」「解決案をまとめる(アイデア出し)」の講義を受講。グループワークでは、課題や困りごとを掘り下げ、その解決に向けたアイデアを形にするために、グループで話し合いながら商品やサービスを考案しました。

お昼休憩の合間には、中大卒業生の国山ハセンさんとオンラインでつなぎ、参加者からの質問にお答えいただいたほか、励ましのメッセージもいただきました。
ハセンさんからは、「身近な課題や困っていることを、どうすれば解決できるかを考えることこそが、アントレプレナーシップにおいて大切だと思っています。ビジネスアイディアについて、仲間と話し合いながら考えてみてください。また、気持ちの面では、止められない衝動や気持ちを大切にしてほしいです。興味のあること、好きなことを大学生活の中で見つけ、ぜひ没頭してみてください。」と、大学での学びを心から応援する熱いメッセージが送られました。
本学からは、LAに拠点を移し起業されるハセンさんに向け、リアル中大エールが送られました。
学生とハセンさんのQ&Aの一部をご紹介します。

Q. 起業って楽しいですか?
ハセンさん:めちゃめちゃ楽しいです!
起業すると自分が全責任を負うことになるので、やりたくないことがないんです。今やっている全ての事が自分のビジネスのためのものにつながってくるので、日々ワクワクするし情熱をもって取り組める仕事のやり方だなと思います。
起業の面白さとして、チームを組んで大きなことを成し遂げることができることです。また、起業家精神というのはどんな会社にいようが、自分で考えて能動的に動くということだと思うので、それは大切にしていきたいと思っています。

Q. 新しい環境に適応するために気をつけるべき心持ちやマインドを教えてください
ハセンさん:新1年生は純粋に新しい環境を楽しんでほしいです。
過去の経験や価値観にとらわれなすぎず、興味を持ったことがあれば、まずは行動に移してみてください。自分の興味があることにどんどん挑戦していくことで、社会に出た時に点と点が線でつながり、その先のビジネスにつながることがあります。

午後は、考案した商品やサービスのブラッシュアップと発表に向けたグループワークを中心に行いました。ヒアリング調査で意見を集め、ビジネスとしての優位性や利益の仕組みを検討し、その内容をポスターにまとめました。そして、1分間のチーム発表を行った後、ポスターセッションで参加者と意見交換しました。

調査

チームごとに考案した商品やサービスについて、調査をスタートしました。会場にいるゲストやメンター、他の参加者に声をかけ、事前に準備した質問を使ってヒアリングを実施。「その商品やサービスを欲しいと思うか」「どんな点が良いか」「どこを改善すべきか」といった意見を集めながら、アイデアをブラッシュアップしていきました。

コンサルテーション

商品やサービスが持つ「優位性」を考えました。お客様にとって、すでにある商品やサービスよりも便利で魅力的なものであれば嬉しいし、選択肢が増えます。会社にとっても、他にはない価値を提供できれば、利益を生み出し、事業を持続させる可能性が高まります。
チームごとに「どのように利益を得るのか」を考えたうえで、経営アドバイザーに何度も相談に行き、ビジネスプランとしての完成度をさらに高めていきました。

ポスター制作

調査とコンサルテーションによりブラッシュアップした商品・サービスの内容をポスターにまとめました。「課題を持っている人が喜ぶものであるか」「人の共感を得られるものか」「単なるアイデアではなく持続可能なものか」を留意し、伝わりやすく魅力的なポスターを目指して制作に取り組みました。

チーム発表・ポスターセッション

1分間のチーム発表では、制作したポスターを活用しながら、限られた時間の中で内容を簡潔かつ分かりやすく伝えられるよう、各チームが工夫を凝らしました。どのチームも、自分たちのアイデアがしっかり伝わるよう、構成や演出、言葉選びにこだわりました。各発表の後には、参加者が30秒でギフト(コメント)を付箋に記入し、発表チームへフィードバック。
続くポスターセッションでは、参加者が気になるチームのブースを自由に訪れ、商品やサービスの考案者との意見交換が行われました。

参加学生の感想

高校生の感想

●制限時間がある中で、漠然としたアイデアを具体的な形にすることや、今まで考えてきた過程を知らない人に向けて、印象に残るように説明するのが難しいと思いました。一人では絶対できないことをグループで協力することによってできるようになったことと、仲間の大切さを学びました。

●理想像やアイデアがあっても、それを現実的に考えた際のコストや安全性を対処することが難しかったです。一人ひとりの意見を尊重することで、それぞれのいい点が組み合わさった、すばらしいものができることを生で体験ができました。

●商品の独自性を考えることや、1分間のプレゼンの中で商品の魅力を伝えるにはどのような言葉を選んだらよいのかを考えるのが難しかったです。たくさんの意見が出た中で、それらを融合させて一つの意見にした時、達成感を感じました。

●意見を出しやすくしたり、内容を詰めるために、グループのみんなが見ているゴールが同じであることを確認することが大切なんだなと思いました。

●様々な案が出た時に、実際どうなのか、現実的なものなのかを考え直すのが難しかったです。限られた短い時間でプレゼンする難しさや楽しさを学ぶことができました。

中大生ファシリテーターの感想

●今回、初めてメンターとして参加しました。リーダーでもなく、メンバーでもないという立場は思ったより難しく、自分の意見を言いたくなることや、方向性を誘導してしまっていないかと不安になることもありました。それでも、みんなといろんなアイデアを出し合いながら進めていく時間はすごく楽しかったです。

●メンターとしていい意見が浮かばなかったけれど、高校生のひらめきはすごいなと驚かされました。

●これからもグループワークをする機会があると思いますが、メンバー一人ひとりには、自分にはない魅力や強みがあると思います。そういった良いところを一つずつ吸収していくことで、自分も成長できると思います。

●初対面のメンバー同士で協力する中で、ビジネススキルだけでなく、コミュニケーション力も学べたのではないかと思います。この経験を、これからの学生生活や将来に活かしてもらえたら嬉しいです。

●情熱を持った仲間と出会える機会は限られているので、一つひとつの出会いを大切にしてほしいと思います。行動力を心がけ、情熱を絶やさず頑張ってほしいなと思います。