学生相談室

学生の皆さんへ【2023年度 学生相談室からのメッセージ Vol.5】

2024年03月01日

学生のみなさんへ

 

 3月は、暖かな日差しや桜に象徴されるような華やかな春のイメージですが、変化が大きく気ぜわしく落ち着かない季節でもありますね。学生の皆さんは、これまでの生活に区切りをつけ、進級や卒業を迎え、新しい対人関係の中に入るために不安を感じやすい時期でもあります。このところは突然春めいた日があると思えば、真冬の寒さに逆もどりし、体もついていくのが大変です。春は心身ともに厳しい季節です。

 

 私たちは、環境の変化に慣れるために、ある程度の時間とエネルギーが必要です。環境の中で体を動かして探索し、活動のイメージを心の中に作り上げ、おおよその見取り図を心の中に描けるようになると、今までよりも少ないエネルギーで活動できるようになります。それまでは必要以上に力が入り、不安や緊張を高めて新しい環境で注意深く行動しようとします。

 

 意識している以上に緊張を感じやすい季節に、手軽にできるリラックス法を紹介しましょう。みなさんは、「マインドフルネス呼吸法」をご存じですか。それは、呼吸に意識を向け続けることで、「今、この瞬間」に注意をとどめ続ける訓練でもあります。通学の電車の中、勉強の合間、待ち時間などに、いつでも手軽にできます。よかったらためしてみてくださいね。以下に手順を説明します。

 

①楽な姿勢で椅子に座りましょう。背筋を軽く伸ばして、浅めに腰かけるといいでしょう。手は太ももの上に軽く置きましょう。

②軽く目を閉じましょう。

③続いて、呼吸に意識を向けるようにします。鼻から入った空気が、すーっと肺まで入っていく感じをイメージして、ゆっくり呼吸してください。

この時、呼吸の回数を数えてみましょう。そうすると気が散りにくくなります。

「吸ってる…、吐いてる…、吸ってる…、吐いてる…」という風に呼吸を意識してもいいでしょう。

 

 他のことを考えてしまったり、雑念がわいてきてしまったりしたときは、その都度自分の呼吸に意識を向けましょう。始めは1分からでもいいので、日ごろから続けて5~10分までのばせるといいですね。毎日の習慣にすると、イライラした時にリラックスできたり、集中力・記憶力の向上にもつながります。そのほか、ネガティブな感情を減らす効果や、免疫機能の向上にも効果があるという科学的な効果もあるそうです。

 気ぜわしい時こそ、自分の体や呼吸の状態に目を向け、リラックス効果のみならず変化に対応していく力をつけていきましょう。

 

 

                             学生相談室(多摩キャンパス)

心理カウンセラー 長野麻美