バスケットボール部

バスケットボール部・第56回関東大学バスケットボール新人戦 準決勝 対日体大

2016年06月13日

6月11日 国立代々木競技場第二体育館

昭和55年以来の優勝へ王手! 三上と沼倉、対照的なルーキーコンビが旋風支える

 偉業へあと1勝に迫った。中大が準決勝に臨み、日体大を78-65で下して決勝に駒を進めた。#70沼倉壮輝(経1)が、第1ピリオドからリバウンド、速攻でチームを牽引。#14久岡幸太郎(商2)が束ねる「個性派集団」は、明日の青学大戦で36年前の再現に挑む。

▲中大に流れを引き寄せた#70沼倉

スターター

#13中村功平(総2)、#14久岡、#28鶴巻啓太(法2)、#33三上侑希(法1)、#70沼倉

 大量得点で一気に流れを引き寄せた。

 215㌢の大型留学生・ヌダリーを擁する日体大に対して、「厳しい展開になると思っていた」(荻野コーチ)第1ピリオド。そんな予想を打ち砕いたのが#70沼倉だ。前日のミーティング、「(相手の)留学生は戻りが遅い」という見解を頼りに、ヌダリーにマークを受けた#70沼倉は常に速攻の先頭を突っ走る。バスケットカウントを決めるなど、このピリオドだけで二桁得点。「タイトにつけば留学生も怒ったりするかなと思った」と、守備でもヌダリーをがっちりディナイし、満足なプレーをさせない。

 日体大が4分足らずでヌダリーをベンチに下げると、中大の猛攻が始まる。#33三上がバスケットカウントを含むスリーを連発。第1ピリオドを37-19で終えた。

 #70沼倉がファウル2つでベンチに退いた第2ピリオド。チーム随一のリバウンダーが抜け、「我慢」の時間帯になった。このピリオド、スリーが15本中0本と攻めあぐねたが、パスミスなどのターンオーバーは1。スローペースのセットオフェンスで時間を有効に使い、前半終了で32-43と失点を留めた。

▲#14久岡は40分間フル出場

 後半も粘り強く戦った。#28鶴巻はこの試合5得点と不調ながら、攻守で積極的にリバウンドへ参加。「助走を使えば高さを補えるかな」と工夫を凝らし奮闘した#28鶴巻を、荻野コーチも「(不調の時は)本来イライラしてしまうけど、(上級生に)立場が変わったことで調子が悪くても(リバウンドなど)他の部分でやっている」と評価する。その後も#14久岡が上手くゲームコントロールし、#33三上の連続スリーなどで62-44と引き離す。

 第4ピリオドでも#33三上が積極的にスリーを放つ。遠い距離から6本目、7本目とリングを射抜いた。インサイドでも#2大﨑翔太(総1)、#22足立翔(商1)、#70沼倉と1年生がしっかりとリバウンドに絡み、攻撃権を簡単に渡さなかった。78-65で試合終了。昭和55年以来36年ぶりの優勝へ、王手を掛けた。

▲24得点の#33三上は「シュート確率を3割台から4割台に上げたい」と語った

 対照的なルーキーが、”中大旋風”のキーマンとなっている。この試合チーム最多7本のスリーを決めた#33三上は明成高時代、八村塁(ゴンザガ大)や納見(青学大)、そして現在もチームメイトの#22足立らとともに数々の高校タイトルを獲得。一方、指定校推薦で入学した#70沼倉の実績は、#33三上らと比べて決して華々しいものではない。岩手代表として国体少年男子に出場した経歴は持つが、一関第一高では3年間県予選で敗退。入学前、#33三上や#22足立ら全国トップクラスの選手が中大に進学すると知ったときは「大学で試合に出られるか不安だった」と振り返る。

 しかし入学早々の京王電鉄杯(4月)、トーナメント(5月)から出場機会を得ると、この新人戦では中心選手として活躍。この準決勝でも18得点、12リバウンドという立派な数字を残した。荻野コーチも賛辞を惜しまない。

 「真面目で一生懸命。入学前は『岩手からいい選手が入ってくる』とは聞いていたが…。派手さはないが、走る、戻る、リバウンド、地味なところは本当に良くやってくれる。今の1、2年生は点を取る選手ばかり。そういう中で彼(沼倉)みたいなプレーヤーが入ってきて、チームのバランスがすごく良くなった」(荻野コーチ)

 決勝戦の相手、青学大には昨年の新人戦3回戦で敗れた。タレントが揃いの強豪チームを前に、荻野コーチは「楽しく一生懸命やる」と意気込む。決勝は今日、国立代々木競技場第二体育館にて16時から。中大にとって長く遠ざかっているタイトルは、手の届くところまできた。

◆コメント

観戦に訪れた2年前のエース・谷口光貴氏(平27卒・現東芝ブレイブサンダース)「みんな伸び伸びやって楽しそうだった。新人戦なので、決勝も楽しんでやってほしい」

◆試合結果

中大 78-65 日体大●

(37-19、6-13、19-12、16-21)

写真・記事:「中大スポーツ」新聞部