軟式野球部

軟式野球部・東日本学生軟式野球選抜大会1回戦 対愛知大名古屋学舎

2016年11月22日

11月20日 ダイワハウススタジアム八王子

明暗が分かれた一球。まさかの初戦敗退 でも、最後は胸を張り3年生引退!

▲最後は笑顔で大会を終えた選手達

 昨年王者として、東日本インカレに挑んだ中大。1回戦の相手は愛知大名古屋学舎。序盤から攻めるも「チャンスの一本がでない」(田中右真主将・経3)。両校無得点のまま、勝負は大会規定によるタイブレークへ。  先攻の中大は2点をとるも、その裏の初球で長打を浴び、まさかの初戦敗退となった。引退となった3年生、そして3年生を支えてきた下級生は、泣き崩れた。

▲先発の栗原

 秋リーグを2位に終え、「この悔しさは、東日本では絶対にリベンジして晴らします」(岩崎監督)。秋リーグから今日までは約3週間。その間の調整は「打線も繋がり、バットも振れいていていい状態だった」(田中主将)。できる準備をすべて行い、大会へ挑んだ。「序盤はいい流れで出塁できていたと思う」(秋山広樹・商3)。先攻の中大。初回は先頭打者の姫嶋和樹(商3)が安打で出塁するなど、4回までは毎回走者をためた。しかし得点にはつながらない。「点を取りたいところでとれない。一本でればよかったのに、そこへの工夫が足りなかった」(秋山)。

▲今枝。3年生投手二人で試合を作った

 先発は栗原崇人(文3)。「今までにないぐらい緊張した。2回からはしっかり抑えられたので、気持ちを切らさずにいった」(栗原)。7回被安打3で試合を作る。8回からは今枝宥人(商3)が登板。8・10回で先頭打者を出すものの、気迫の投球で抑えきった。

▲11回からはタイブレーク。姫嶋の犠飛で先制

 試合は延長10回を終え、0-0。大会規定により、11回から一死満塁のタイブレークとなった。先攻の中大は、1番姫嶋から。姫嶋が犠飛で先制すると、続く秋山は死球で再び満塁に。田中主将は押し出し四球を選び、追加点をあげた。  「タイブレークなんて初めて。2点取ってくれたので、四球だけは出さないように。初球からストライクゾーンで勝負しよう」(今枝)。今シーズン、頼れるリリーフとして、苦しい場面で投げることの多かった今枝。「僕が投げる時はいつも苦しいけれど、そうゆう場面を投げ続けることで慣れた。緊張したけど、今日も同じ気持ちで投げた」(今枝)。しかし「初球甘く入った」(今枝)打球は、外野フェンス直撃の長打となり、走者一掃。たった一球で、敗戦が決まった。「…言葉が出てこない」(今枝)。「予想外の展開で負けた。たった一球。あっという間だった」(田中主将)。

▲初球でまさかのサヨナラ負け

 試合後、選手はグラウンドで立ち尽くし、あふれる涙は止まらなかった。試合後のミーティングで、田中主将は「本当に悔しい。決勝まで、このメンバーでもっと野球をしたかった。でもこれが自分たちの実力。後輩たちは来年リベンジしてほしい」と言葉を詰まらせながら挨拶をした。  選手とは対照的に、今シーズンで引退する岩崎監督だけは、いつも通りの暖かい笑顔を浮かべていた。「最後の負け方は悔しい。けれど、彼らは2度目の日本一へ連れて行ってくれた。胸を張って帰ろう。ごくろうさんでした」(岩崎監督)。  岩崎監督の言葉に、次第に選手たちにも笑顔が戻る。「このメンバーで、練習できてよかった。軟式野球で、ここまで熱くなれるとは思わなかった」(田中主将)。選手達の笑顔は、今までで一番輝いていた。

 3年生はこの大会をもって引退となる。「3年生は面白いし、個性も強い」(栗原)。試合に出ていない選手も、ベンチをいつも盛り上げ、チームに流れを何度も呼び込んだ。春リーグ、全日本と優勝し「うまくいきすぎた」(田中主将)。しかしそこから一転して、秋リーグ、そして今大会も結果には恵まれなかった。「頂点をとった後、モチベーションの維持をすることは、すごく大変」(岩崎監督)。「入部して2部に落ちる悔しい思いもしたし、日本一も経験できたので、とても充実していた」(姫嶋)。

 「1、2年生は、来年絶対にこうゆう思いをしないように、今日からしっかり考えてほしい。今日の悔しさは3年生のいいお土産。この悔しさを覚えてくれていれば、今日の負けは絶対に無駄にはならない」(岩崎監督)。3年生、岩崎監督の思いは、次の世代へと受け継がれていく。

◆試合結果

中      大=00000000002=

愛知大名古屋学舎=00000000003x=3

写真・記事:「中大スポーツ」新聞部