アメリカンフットボール部

アメリカンフットボール部 春季オープン戦 対関大

2014年05月03日

ラスト4秒の攻防に泣く
4月27日 対関大戦
関大千里キャンパス



オープン戦初戦は関大との対戦。新体制となって初めての試合ということで、序盤に堅さが見られたが、ディフェンス陣が奮闘し相手にタッチダウンを決めさせない。しかし、3本のフィールドゴールを許し、結果7‐9で惜敗した。

ディフェンスで相手の全身を防ぐDB#29小春浩樹(経2)

 関大のキックオフで試合が始まる。第1クオーター序盤、関大に先制点を許す。中大からの攻撃だが前進できずにパントで攻守交代。すると、関大はランプレーで前進しフィールドゴールを決めた。立ち上がりに先制された中大は、WR#21新城雄基(文4)へのパス成功で流れを引き寄せようとするも、相手のタックルに阻まれ、QB松井諒(商2)からのパスも通らず攻守交代となった。悪い流れの中、DL#43佐藤将貴(法1)がタックルを決めてチームを鼓舞する。攻守交代の後、RB#33佐久間峻(商2)のランプレーやWR#11鈴木崇浩(法4)へのパスが成功しファーストダウンを獲得する。しかし、木島へのパスが渡った間に反則を取られたのを皮切りに2連続でパスを失敗し、パントに追い込まれる。ここで鈴木が「相手のディフェンスが来てなかったから自分の判断で走った」とパントからランに切り替える。そしてそのままファーストダウンに成功。ビックプレーで流れを引き寄せた。ところが、北村がランプレーで前進するも、フォースダウンで中大選手がホールディングをとられ10ヤード後退を命じられる。結局パントを余儀無くされた攻守交代したところで、第1クオーターが終了した。

 第2クオーターが始まると、関大の攻撃をタックルで防ぎ、パントに追い込む。RB#1北村光至(商3)は「リターンしやすいボールがきた」と、パントボールをキャッチした後で一気に走りゴール手前までのロングランを決めた。ところが反則を取られてしまい、北村のプレーは取り消され、攻撃権も相手に移動した。追い上げムードをくじかれてしまったが、ディフェンス陣が粘りを見せる。ランプレーで攻められ、2度のファーストダウンを許すも、タックルや相手のパスミスを誘発しパントに追い込んだ。攻撃権を得た中大だが、ランプレーで攻めるも前進できない。LB#52江里口潤(文2)がQBサックを決めて相手にパントさせた後の攻撃でもパスが通らず、ランプレーでも前進しきれないまま前半終了。

タッチダウンを狙い快走を見せる北村

 第3クオーターは関大からの攻撃だが、パントで攻撃権が中大に移ると、RB#19萩原誠人(法4)がランプレーでファーストダウンを獲得する。このまま得点したい中大だが、ここでインターセプトを取られてしまう。そして、ランプレーで攻め込まれ、3回のファーストダウンを許した後、フィールドゴールを決められて追加点。0‐6と1タッチダウン差とされてしまった。第3クオーター終盤、追いつきたい中大だが、悪い流れを断ち切ることができない。北村がランプレーでファーストダウンを獲得するが、その後のフォースダウンでパスが通らず攻撃権を失った。

 第4クオーターに入ると、中大は松井に変えてQB#2須河涼平(法2)を投入。攻撃の司令塔を変えて相手に揺さぶりをかけるも、QBサックを決められてしまう。攻めあぐねる試合展開の中で、ディフェンス陣が再び奮闘する。タックルでランプレーを防ぐと、相手の放ったパスをLB#47松永省吾(経4)がインターセプト。攻撃権が中大に移る。萩原がファーストダウンを獲得し長内へのパスプレーでボールを運ぶと、WR#81木島正太郎(経3)が再び交代した松井からのパスをキャッチし、そのままフィールドを駆け抜けた。タッチダウン、そしてトライフォーポイントも決めて7点を獲得。残り5分を切ったところで逆転に成功した。その後の関大の攻撃もパントに追い込み、勝利は目前かに見えた。しかし、最後の関大の攻撃、パスで攻めてくる中、前進を防げない。残り4秒の時点でゴール手前まで運ばれてしまう。ここで、3度のタイムアウトを取り相手に集中力を欠かせる作戦をとるが、作戦は実らず、相手の放ったボールはゴールに吸い込まれていった。フィールドゴールの3点が入り、7-9とラスト4秒で逆転を許し、敗北を喫した

◆コメント

――仁木監督「詰めが甘かった。新チームになってもベーシックなプレイを心掛けさせたが、まだまだ不十分。2月からやってきていた基本的なことをもっと詰めてやるしかない。QBに松井を起用したのはぼぼ固定していて、1年生だも佐藤を使ったが、上級生だけでなく下級生にも期待している。試合は最後タイムアウトをとって相手を苛立たせようとしたが、残念ながら効果はなくフィールドゴールを決められてしまった。ディフェンスは大健闘だと思う。攻撃はフォルススタートはなかったが、他の反則は多い。まだまだ甘い。そういった人的ミスがあるというのは練習が足りない証拠だ。フィールドゴールは敢えて狙わず、タッチダウンを多く決めるようにしていた。ただ、それもパスをきちんと決めないとタッチダウンには繋がらない。春はあくまでお試し期間だが、次の相手は法大。秋の初戦であるしチャレンジャーとして挑みたい。」

――DL#9内海来主将(商4)「もっと、もっとという印象。けど、オフェンスが点を取れたことなど良いところもあった。去年だったら取れていなかったと思う。ディフェンスがタッチダウンを決められてないことも良いところ。磨いたらもっと強くなれるはず。1年の佐藤はいい選手。期待のルーキー。これからかなりでかい戦力になる。俺も戦力になるようにさせるし。俺もあいつのおかげで強くなれる。切磋琢磨していきたい。うちのチームはもっともっと前半から全開でいかなきゃダメ。後半乗りきれてない部分もあった。全員が声を出して一つになりきることができたらもっと強くなれる。試合中にこれ全員が声を出したらいけるぞと思うことがあった。フィールドにいる選手から「ベンチ声出していこうぜという声が出たが、今年からやり始めた。グラウンドにいる出てる選手出てない選手関係なしに全員がRACCOONSだし全員が勝つために気持ちを持ってるからこれをもっと表に出していけたらなと思ってやるようにしてる。今日の試合で未熟さを感じた。もっとONEになれる。変に慢心するんじゃなくて、挑戦者ということを自覚できた。この敗戦をバネにして次の法政戦に挑む。この敗戦で練習に取り組む意識が変わると思う。練習中に試合のことを僕は強く意識しているが、それがまだまだ全員に行き渡ってない部分があったと思う。そういう面でも皆危機感を覚えたと思う。新入生や2年生など経験の少ない選手も得られたものはあると思う。法大戦、一つになって勝ちます。」

――萩原「“オフェンスを一から作る”ということで始まった一年、実践は初めてだったが、まだまだタイミングだったりパワー不足だったりを感じたので完成度を高めていかないとなと思った。ディフェンスがあれだけ止めてくれたのにオフェンスがそれに応えられずに前半点が取れなかった。申し訳ないという気持ち。前半の鈴木崇浩がパント蹴ると見せかけて走り込んで雰囲気は良く、こちらに流れが来そうだったがあれを点に結びつけられなかったのが悔しい。オフェンスの現状を全員が肌で感じることができたのが収穫。あと2週間後は法大戦なので、その間に各自の課題を潰してできることをやっていこうと思う。法大戦ではRBが走って流れを作っていきたい。」

――鈴木「負けた。新チームを楽しみにしていた部分もあり不安な部分もあったが、この試合結果では駄目だ。相手は世界選抜でベストメンバーを欠いていたにもかかわらず負けたのは、自分たちの取り組みの甘さかはなのか、取り組んだけれども足りなかったからなのかきちんと反省すべきだと思う。ただ方向性は変わらず、スローガンのワンへ、一丸となって行かなければならない。例年になく、能力に関しても運営に関しても4年生が中心のチーム。まず4年生が動いてみせることを心掛けている。攻撃のスローガンはブリッツ。前に前に進むという積極的な姿勢で、ビックプレーで流れを持ってこれるようにしなければならない。次の試合、今日の反省を踏まえてオフェンスがリードして勝てる試合にしたい。」

――松永「フィールド圏内にボールを運ばれたのが敗因。最後きちんと相手を止められていたら勝ったかもしれない。インターセプトを決めていい流れを引き寄せたというのに、それでも相手に流れを戻してしまい、悔いが残る。スカウティングをして、関大に臨んだが、あくまで通過点のつもりだった。それでいて負けてしまった。今日みたいな試合をしているようでは、法大と戦った時にゲームにならない。ディフェンスで流れを持ってこれるような試合をしたい。新チームになって下の学年も意見を言えまとまりがあるチームだと思う。今年のスローガンはワン。1つになりつつあるし、雰囲気もよいと思う。また1年生も戦力になるのが期待されている。チーム全員が同じ気持ちで試合に臨んでいきたい。」

――北村「陣地まで攻めても得点出来なかった。春のオープン戦、それも初戦ということで、手探り状態だった。RBは3人で交代して出場したため、相手にアジャストするのに時間がかかってしまった。練習ではケガ防止のため、一昨年くらいからタッチフット形式で練習している。そのため、試合でフルタックルに圧倒されてどこか萎縮してしまったのかもしれない。ディフェンスも練習ではフルタックル出来ていない。ケガ防止のためとはいえ、もう少し人に強くなるようにするべきだと思った。オフェンスはプレイや練習などシステムが変わった。1つタッチダウンがとれたのはよかった。ただ、バック陣がタッチダウンを決めれなかったのは課題で、次はタッチダウンを決めたい。」

――木島「タッチダウンはラッキーボールだった。それ以外の場面でパスを取れていなく、自分の仕事を果たせなかった。課題として得られたものはパスキャッチの重要性。普段自分のやっている、胸にきたボールをとるということが出来なかった。練習では出来ていても細かいところを詰めないといけない。試合のために練習しているのだから、プレッシャーをかけてやっていきたい。次は法大で、今日みたいなプレーは出来ない。試合まで時間がないが、ない中でも皆で仕上げていきたい。」

――松井「オフェンスのコーディネーターが変わって本当に”ゼロからのスタート”だった。相手も関大ということで新しいオフェンスを試す絶好の機会だった。しかしまだまだ詰めきれて無い部分が、精度の低さとなってこのスコアになってしまった。作戦というよりも足の出し方や相手が突いてきたらどうするとか、そういう類があやふやな部分が多い。まあ、そういうミーティングでの詰めの甘さ。昨年まではワンポイントでしか出てなかったが、今年はスターターで緊張はしてなかったが力を出しきれてなかった。次は100パーセントの力を出す。詰めは甘かったが、手応えはあった。スカウティングで用意したランプレーがそのまま出たりとか、パスにおいても昨年にはない概念のものができたりしてそれをしっかり通せた。今年のオフェンスはこんなもんじゃない。しっかりやってきたことを出せれば上位校にも勝てると思う。今日の自分らは100の力で戦う。これで格上の法大に対してどれだけやれるか、勝ちにこだわれるかが問題になる。点を取って勝つことにこだわる。」

――佐藤「関西の強豪相手にスターターで出た訳だが、自分としては、スピードは通用するなあという感想。ただ、課題はフィジカル面。今後トレーニングでそこは克服していく。大学のアメフトはスピード感が高校とは違う。けどこれは慣れればついていける。ちゃんと勉強しなきゃいけない大学なのでこれからは出れる授業はちゃんと出て、勉強して4年で卒業したい。今日の試合で得られたものは、関西のトップレベルを体感することができた。逆に言ったら”このレベル”なので、自分のレベルを伸ばせば関東の上のレベルには絶対に勝てると思う。良くも悪くもいろいろ学べた。法大戦は出れると思う。自分のレベルに与えられた仕事をこなしてビビらずにやっていけたらと思う。」

写真・記事:「中大スポーツ」新聞部