大学院

【究める vol.126】烏 英嘎(ウ ヤンガ)さん(文学研究科 博士後期課程)が日本家族社会学会で発表しました

2023年09月25日

          学会会場・神戸大学前にて

文学研究科 博士後期課程 社会学専攻に在籍している烏 英嘎(ウ ヤンガ)さんが、第33回日本家族社会学会大会で発表を行いました。
本記事では、烏さんによる発表内容の紹介や発表にあたってのメッセージをお届けします。

 日本家族社会学会ホームページ
 第33回大会

発表タイトル

結婚難に陥っているモンゴル人男性のライフストーリー分析

ー内モンゴル東部農村地域の事例研究からー

 

 

発表について

ライフストーリー分析を通して、結婚難に陥っている未婚男性が自分の人生をいかに振り返り、自分の結婚難の状況をいかに意味付け、解釈し、それがどう変化しているかについて発表しました。
未婚男性本人の2回にわたる人生の物語や、重要な他者である母親の言動による未婚男性の結婚意識への影響を分析しました。その結果、2017年の第1回目の調査時には、未婚男性は結婚に至るまでのハードルが高いことを実感していましたが、2023年の第2回目の調査時には、付き合うまでのハードルも高くなり、同時に付き合って結婚に至るまでのハードルがさらに高くなっていることを自覚していました。しかし、出会いのルートが拡大していることから、自分もいつか結婚できるだろうと、未婚男性は受け止めています。また、未婚男性自身の結婚難への意味付け、解釈やその変化は、本人によるもののように見えますが、実は母親が重要な他者として、その言動が意識的であれ、無意識的であれ、影響を与えていたことがわかりました。

発表を終えて

  

会場からは、「調査対象者の未婚男性が女性側の結婚要求をどう思っていますか」「息子の恋愛事情を親がよく知っているのは、モンゴルでは当たり前ですか」「モンゴル農村地域の男性の結婚難と、漢族男性の結婚難の異なる点はなんですか」という質問をいただきました。はじめの2つの質問の回答に関しては、質問した方に納得していただけましたが、最後の質問の回答に対しては、私が考えていた相違点が、実は漢族男性の結婚難問題にも見られるという指摘をいただきました。今後も先行研究をしっかり整理し、研究を進めていきたいと考えています。