報告会場入口
商学研究科 博士後期課程 商学専攻に在籍している鎌田 修全さんが、韓国流通学会(Korea Distribution Association: KODIA)で報告を行いました。
KODIAとは、流通関連の学問を研究することで流通産業の発展に資することを目的として、1994年3月に設立された韓国の学会です。学問界と産業界の専門家約1,500人の会員が所属しており、日本流通学会(JSDS)とは学術交流を行っています。
本記事では、鎌田さんによる報告内容の紹介や報告にあたってのメッセージをお届けします。
報告について
発表の様子
<報告タイトル>
Product Differentiation Strategy for Agricultural Products and Their Current Situation ―A Case Study of Japanese Apple―
<概要>
農産物の製品差別化戦略について、日本のリンゴを事例として報告を行いました。現在、日本のリンゴは、品種を用いた製品差別化戦略が主流となっています。こうした産地戦略について、本報告では、産地、卸売市場、小売業に関する統計データ活用と各主体へのインタビュー調査を踏まえ、現状とその課題を明らかにすることを試みました。
報告にあたって
初めての海外学会報告ということもあり、本番でいくつかの課題を残したものの、報告と質疑応答を通じて自身のリサーチクエスチョンをさらに明確化させることができました。質疑応答では、リンゴの同産地同品種間価格差、とりわけ高価格帯商品の価格形成要因について質問を受けましたが、それにより「これまでの研究では産地間競争に分析の主眼を置いてきたため、産地内競争の考察が十分ではなかったのではないか」という気付きを得ました。
また、定性的な研究手法については、KODIAの先生方から興味深いとの評価を頂きました。今後は、現在の強みを生かしつつ、分析対象に合わせて他の研究手法も柔軟に選択できるよう、自身の引き出しを増やしていく必要があるだろうと考えています。海外学会報告には、今後もチャレンジしていきたいです。
最後に、今回の報告に向けてご指導頂いた木立先生、井上先生には心から感謝を申し上げます。
担当教員からのコメント
発表に同行した商学研究科の井上 真里(いのうえ まさと)教授からコメントをいただきました。
コロナ禍で途絶えていたJSDSとKODIAとの研究交流が2023年から復活することになり、それにふさわしい報告者を確保すべく鎌田さんにお声掛けしたところ、お忙しいにもかかわらず快く引き受けてくださいました。初の海外学会報告を堂々と務め、商学研究科としても名誉なことだと思います。解決すべき研究課題があるということは今後大きく発展する可能性があるということで、引き続き頑張ってください。