大学院

【究める vol.92】栗原 仰基さん(商学研究科 博士前期課程)の論文がSmall Business Economics誌に掲載されました

2022年05月18日

商学研究科 博士前期課程2年の栗原 仰基(くりはら こうき)さんが執筆した論文が、Small Business Economics誌 に掲載されました。栗原さんは、「中小企業の資金調達」をテーマに研究しており、この論文は、栗原さんと指導教授である本庄 裕司教授(商学研究科)による共同論文です。

本記事では、論文記載にあたって寄せられた栗原さんと本庄教授からのメッセージをご紹介します。

※栗原さんは、2021年度(2022年3月)で博士前期課程を修了しています。本記事に掲載している内容は、在学時に執筆いただいたものです。

  1. Small Business Economics 誌について

Small Business Economicsは、アントレプレナーシップと中小企業における理論的、実証的研究を掲載しています。特に学者、実務家、政策立案者のための経済的、社会的関連性に重点を置いていて、ジャーナルのインパクトファクター(SSCI) は、8.16(2020年)で、経済学分野で376誌のうち第7位に位置しています(参照:Journal Citation Reports)。

論文の概要について

<著者・タイトル>
Yuji Honjo & Koki Kurihara, “Graduation of initial public offering firms from junior stock markets: Evidence from the Tokyo Stock Exchange”

<概要>
新規株式公開、すなわちIPO (initial public offering) は、若いイノベーティブな企業にとって、研究開発投資の資金を確保するために重要と考えられている。本稿では、東京証券取引所の2つのベンチャー向け新興市場、「マザーズ」と「ジャスダック」を対象に、株式を公開した企業(以下、「IPO企業」)のIPO後の行動とパフォーマンスを分析した。本稿は、生存分析を応用して、IPO企業の本則市場への市場変更の決定要因を検証した。推定結果から、若くして株式を公開した企業や高い研究開発集約度をもつ企業は、これらの新興市場から本則市場へ市場変更する傾向はみられていない。また、高い時価総額をもつ企業は、本則市場に市場変更することを示した、本稿の検証結果の1つとして、10年ルールの公表前に上場した企業のサンプルを用いて推定した場合、10年以内に本則市場への市場変更を求めた「10年ルール」を導入したマザーズにおいて本則市場への市場変更の増加傾向がみられている。さらに、新興市場から本則市場へ市場変更した企業の株価パフォーマンスについて、全体的に高い傾向がみられている。

論文はこちらからご覧いただけます

掲載にあたって

自分がこつこつ研究してきたものが評価されて嬉しいです。これまでサポートをしてくださった、共著者であり、指導教員である本庄先生には感謝しています。これからも、世の中のためになる論文を書いていきたいと思います。

本庄教授からのメッセ―ジ

大学院生がインパクトファクター付きジャーナルに受理されることはたいへんですが、若い人は吸収能力が高いので、栗原くんのように大学院生のうちにチャレンジすることをおすすめします。

ご自身の大学院での研究について教えてください。どのようなテーマで、どういった研究に取り組みましたか。

スタートアップやベンチャー企業と呼ばれる若い企業についての研究をしてきました。特に、これらの企業がどのように資金調達をするのかの研究をしてきました。現在はイノベーションの分野にも興味があります。

 

※本記事の内容は、2022年3月時点のものです。