大学院

【究める vol.76】修了生の声(経済学研究科 博士後期課程)

2022年03月17日

修了生の声(経済学研究科 博士後期課程)


佐藤 佑一(さとう ゆういち)さん

2021年度に経済学研究科 博士後期課程を修了し、
博士(経済学)を取得しました。

<博士論文タイトル>
面源汚染と環境課税に関する研究 ー寡占・複占モデルを用いてー

大学院時代の研究について

大学院時代は、理論経済学のゼミに所属していました。研究テーマは、面源汚染とよばれる環境汚染の一種を減らすためにはどのようにすればよいかについてで、これは環境経済学でもテーマとなっています。寡占・複占モデルに環境課税の変数を導入した研究手法を用い、最終的に面源汚染を減らすことができるかどうかを証明しました。加えて、面源汚染を減らすための最適税率が存在するかどうかを導出したほか、寡占・複占モデルにおける動学的安定性についても証明しました。

中央大学大学院への進学を決めた理由

人生の中で何をしたいか、何をしているときが労力を使う時でも前に進むことができるかを考えた時に、色々と考えた結果、研究者という選択肢が挙がりました。加えて、経済学部時代から親しみのある中央大学の恵まれた教授陣、資料環境、勉強環境に憧れて入学を決意しました。

ご自身にとって大学院はどのような場でしたか

研究活動を通じて、研究するとはどういうことかを学んだ場でした。ここでは2つ、例を挙げたいと思います。

第1に、研究活動は、既存の文献や資料、理論を読み込み、それを発展させ、新しいことを主張するということだと学びました。語弊を恐れずに申し上げますと、あまり難しく考えすぎるのも研究が進まない要因ですし、他方で、すでに言われていることとは違うことを自身の研究では提唱する必要があります。この2つの点を考慮に入れて、どうバランスをとって研究していくかを学びました。

第2に、研究活動においては様々な研究会・学会に参加することで、新しいことを学ぶことができると感じました。独りで籠って考える方もいらっしゃいますが、私は、様々な分野の方々と話をしたり、研究会に参加したり、学会で発表することを通じて、自身の研究の改善点を洗い出すことができました。決して独りではすることができず、様々な意見を伺うことによって、自身の研究が完成したと思っております。

中央大学大学院へ進学してよかったこと

まず、教授陣の手厚いサポートが印象に残っています。特に、指導教授には、毎週ゼミを通じて様々な理論を教えてもらったこと、様々な課題を出していただいたこと、加えて、論文の方向性に迷ったときにどう考えるべきかの構えを教えてくださったことに、大変感謝しております。また、副指導教授の先生方、退任された名誉教授の方々、その他研究会で知り合うことができた先生方にも、様々なご指導をいただきました。

上記に挙げたとおり、中央大学には、分野を問わず、非常に丁寧な指導をしてくださる先生方が多く、とてもアットホームな形で指導をして下さる方が非常に多い印象を抱いております。次に、大学院事務室の方々や、経済研究所の方々にも大変お世話になりました。これらの方々のサポートもとても手厚いものであり、分からないことや迷ったことがあればすぐに伺うことができるという点で、多大なサポートをして頂き、感謝しております。

大学院時代の印象に残っている出来事について

人との交流が一番大きく印象に残っています。勿論、一人で研究活動をする時間をとることが前提です。ただ、それ以外にも、同じ経済学研究科の博士前期課程・博士後期課程を問わず、専門分野を問わず、性別を問わず、国籍を問わず、様々な方々と研究の内容を互いに話し合って、自らの論文内容に関して指摘をしあった上で、自らの論文内容を改善するという、非常に意義のある時間を過ごすことができました。

中大の経済学研究科に入学すると、複数人が入る共同研究室を貸していただくことができ、そこに本や資料を置くだけでなく、夜まで研究しながら、他の人とも話すことができます。時には、別の研究室の大学院生とともに、研究の話をしました。加えて、研究以外にも、時には外へ食事に行ったり、悩み相談をしたりなど、公私に渡る交流をすることもできます。加えて、授業をする部屋を借りて自発的に研究会を開いたこともあります。このように、学生同士の交流も盛んでアットホームな雰囲気であり、結果的に、研究の内容も、人間的な素養も高まるというのが、中央大学大学院の一番の特長だと思います。

修了後の進路について

修了後は、中央大学経済学部の任期制助教に着任し、授業をもちつつ、自らの研究に邁進していく予定です。博士論文のテーマとなった素材を引き続き研究していく予定ですが、理論に関しては博士論文の枠組みにとらわれずに、様々な手法・観点から研究をしていき、論文を執筆していきたいと思っております。

受験生へのメッセージ

人生、どこで何が起きるかわかりません。歴史上、感染症のパンデミックや大地震、および戦争が周期的に起こったことは知っていても、まさか自分の生きている時代の今まさに起こるなど予測が付かないことも多々あると思います。同様に、大学院に入ってからも、自分の思っていたように研究が進まず、悩むことも多々あると思います。しかし、そういう時にも、決してあきらめず、何かしらの方法を用いて、最終的に学位を取得することができ、自らの望む進路に進むという道を切り開くことを目指す場というのが、大学院という場の特徴になるでしょう。

中央大学の大学院、特に経済学研究科は、先生方も、周囲のサポートをしていただく方も、そして周りの学生も、皆アットホームな形で、皆さんを支えてくれるはずです。支えてもらいながら研究を進めていくことで、たくさんの新たな発見や素晴らしい人々に出会えることができ、最終的に新たな進路へと向かうことができることになるでしょう。自分自身がまさにその体験者です。

この文章を読んでくださった方々におきましては、一つでも中央大学大学院の魅力を感じ取っていただき、ぜひとも私達の後輩として、研究を頑張っていただけたら嬉しいと心から願います。

 

※この内容は、2022年3月時点のものです。

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