大学院

【究める vol.46】修了生の声(総合政策研究科 博士前期課程)

2021年03月31日

池田 惇名さん(総合政策研究科 博士前期課程 2020年度修了)

 

池田 惇名(いけだ じゅんな)さん

2020年度に総合政策研究科 博士前期課程 総合政策専攻を修了しました。

大学院でのご自身の研究や大学院ならではの経験、
将来へのつながりについてお伺いしました。
大学院に興味のある方はぜひご覧ください。

 

大学院時代の研究について

イギリス近代演劇の礎となる数多くの名作戯曲の創作によりノーベル文学賞(1925年)を受賞したアイルランド人劇作家ジョージ・バーナード・ショー(Shaw, George Bernard 1856-1950)の『ピグマリオン』(Pygmalion 1912)について、作品に描かれる女性観、男性観に照らしてその上演意義を分析・研究しました。

主に文献収集、映像分析がほとんどで、ショーの原作(戯曲テキスト)とそれに基づき製作された映画版『ピグマリオン』(アンソニー・アスキス、レスリー・ハワード監督1938年)、アメリカハリウッドのミュージカル版映画『マイ・フェア・レディ』(My Fair Lady ジョージ・キューカー監督1964年)の比較を通し、本来ショーが意図したテーマは何かを明らかにしました。また、現在のコロナ禍や大統領選後の混乱などで大きな転換期にあるアメリカの劇場文化の中で、エンターテインメント作品が政治などの時代背景に伴って変容した演出部分を注視していく意義を指摘しました。

ご自身にとって大学院はどのような場でしたか

好きなことをとことん探求できる万全の環境であると2年間を通して実感しました。特に私の研究科は人数が少なかったため、教員と一対一のマンツーマンで講義していただけたこともあり、一つ一つの授業が濃密で非常に贅沢な時間でした。

大学院時代の印象に残っている出来事について

英語のプレゼンテーション技法を学ぶ授業を選択したのですが、大学生時代とはひと味違うレベルアップした内容だったなと思います。留学生の同期と共に授業を受けたこともあり、互いに切磋琢磨して乗り越えた約半年でした。

修了後の進路について

食品の専門商社に就職予定です。大学院では海外文化を対象に歴史背景と照らし合わせた研究をしてきたので、文化に携わる仕事に就きたいと漠然と考えていました。就職先は、フェアトレードを掲げた輸入、製造、販売まで一貫して手掛けている企業です。ただ食品を販売するだけではなく、その裏に隠された文化やストーリーを届ける、という理念に共鳴し就職を決めました。

受験生へのメッセージ

現在も尚続いているコロナ禍で、大学院への進学に悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、自分の進みたい先に研究があるのならばぜひ一歩進んでみてください。大学院は、自分の関心や問題をとことん探求できる恵まれた環境である一方で、考え、自分の答えを導き出すという一筋縄ではいかない営みの場だと思います。その先には、必ず得るものがあるはずです。

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