「究める」では、大学院に携わる人々や行事についてご紹介します。
現役大学院生に院生生活や研究についてお聞きする連載「大学院の生活」。今回は、文学研究科 心理学専攻 臨床心理学コース 博士前期課程1年の川窪 貴代(かわくぼ きよ)さんにお話を伺いました。

川窪 貴代 さん
研究科:文学研究科
専攻:心理学専攻
コース:臨床心理学コース
課程:博士前期課程1年
研究テーマについて
誰かを許したり、許せなかったりした経験はみなさんあるのではないでしょうか。私はその「許し(forgiveness)」という概念に焦点を当てて研究をしています。今では許しが精神的健康を導くという知見も得られており、心理学の分野でも注目されはじめています。自分を傷つけた相手を許す、とだけいうと簡単に聞こえるかもしれませんが、誰かを許すということに至るまでにもさまざまな過程があることが考えられます。
そこで、修士論文では、許しが生起する心理過程(プロセス)について調査をすることにしました。面接法を用いて、他者から受けた被害経験や、その相手を許した・許せなかった経験について尋ねる、ということを検討しています。また、許しの対象となる相手との親しみの程度により、許しの心理過程が異なるかどうかについても調査する予定です。この研究を行うことによって、許しを用いた心理療法・介入が発展していく糸口をつかむことができるのではないかと考えています。
1週間のスケジュールについて
大学院生として、どのような1週間を過ごしているかについてお聞きしました。
午前 | 午後(昼) | 午後(夜) | |
---|---|---|---|
月 | 授業★ | 授業 | アルバイト |
火 | 授業 | 授業 | 授業 |
水 | 課題 | 課題★ | 研究 |
木 | 研究 | 授業 | 自由 |
金 | 授業 | 課題 | アルバイト |
土 | 自由 | 自由★ | 自由 |
日 | 研究 | 研究 | 自由 |
<Pick UP!>
★授業(月・午前)
大学院の授業は少人数双方向型のものがほとんどなので、より主体的で深い学びを得ることができます。また、学部生のときより授業の数自体は少ないですが、ひとつひとつの授業の比重が大きく、課題が出ることも多いです。授業だけでなく、課題に取り組む時間も必要になってきます。大変だと感じることもありますが、自分の興味のある分野なので楽しみながら勉強できています。
★課題(水・午後)
ゼミのTAを行うことも考えましたが、公認心理師のカリキュラムが加わったことにより、授業や研究と両立できる自信がなかったので、水曜日は課題を進めたり研究をしたりする日にしました。ひとことにTAといってもその内容によって忙しさなどは変わってくるので、担当の先生に色々聞いてみるといいと思います。
★自由(土・午後)
土曜日は、友人と遊びに出かけたり好きなことをしたりと、息抜きをする日にしています。その分、日曜日は少しでも研究に取り組むようにしています。土曜日に授業が入ることもあると思いますが、その場合日曜日にゆっくりするなど、自由に過ごせる日を一日でも作れるとリフレッシュできていいと思います。
1日のスケジュールについて
続いては1日のスケジュールについて、具体的に例を挙げていただきました。
1:00~8:00 | 睡眠 |
---|---|
8:00~9:00 | 朝食 |
9:00~1200 | 研究★ |
12:00~13:00 | 昼食 |
13:00~15:00 | 授業 |
15:00~17:00 | 課題★ |
17:00~19:00 | 授業 |
19:00~20:00 | 夕食 |
20:00~ | 自由 |
<Pick Up!>
★研究
演習などの授業は対面で行われることもありますが、今年度は基本的にはオンラインで授業を受けています。オンラインだと通学時間などが短縮されるため、その時間を他のことに使っています。午後から授業がある場合でも、午前中に授業がなければその時間を使って研究を進めることができています。
★課題
この時間は空きコマになっています。課題をする時間に充てることが多いですが、その日によって時間の使い方を変えています。疲れたなと感じたら休憩をとったり、前後の授業の予習や復習をしたりと、空きコマの過ごし方はさまざまです。プレゼンをする授業もあるので、その練習を行うこともあります。
受験生のみなさんへ
大学院では、自分が研究したいこと、関心のあることについて実践的に取り組むことができているので、とても充実した時間を過ごせています。大学でも心理学についてはたくさん勉強してきましたが、まだまだ新しく知ることがあり勉強の毎日です。今でも、大学で勉強したことと大学院受験のときに勉強したことはずっと役に立っています。受験勉強は大変だと思いますが、休息もしっかりとりながら頑張ってくださいね。みなさんのこと、応援してます!
※この記事は2020年12月時点の内容です。