大学院

【究める vol.34】大学院生の生活③(商学研究科 博士前期課程2年 藤田 健人さん)

2020年12月23日

「究める」では、大学院に携わる人々や行事についてご紹介します。
現役大学院生に院生生活や研究についてお聞きする連載「大学院の生活」。今回は、商学研究科 商学専攻 博士前期課程2年の藤田 健人(ふじた けんと)さんにお話を伺いました。

学生共同研究室にて

   藤田 健人 さん


  研究科:商学研究科


   専攻:商学専攻


   課程:博士前期課程2年

研究テーマについて

私は、企業グループ内のプリンシパル・プリンシパル・コンフリクト(PPコンフリクト)と会計情報の関係を研究しています。企業グループでは、親会社が少額の資金提供を行う外部投資家(非支配株主)とともに子会社を設立するケースがあります。親会社と非支配株主の利害が一致すれば問題は起こらないのですが、親会社が非支配株主の利益を無視した子会社経営を行う場合に親会社と非支配株主の間に利害対立が生じます。このような利害対立は、株主(プリンシパル)と株主(プリンシパル)の間の利害対立(コンフリクト)であることからPPコンフリクトと呼ばれます。

近年の研究ではPPコンフリクトが企業経営を非効率にすることが明らかになってきました。非効率性の例として、2019年にあったヤフーとアスクルの対立は記憶に新しいと思います。私は連結財務諸表に計上される非支配株主持分に注目し、会計情報を用いて企業グループ内で生じうる親会社と非支配株主のPPコンフリクトやその影響について分析しています。

1週間のスケジュールについて

大学院生として、どのような1週間を過ごしているかについてお聞きしました。

  午前 午後(昼) 午後(夜)
研究 研究 研究
研究  授業★ 研究
研究 研究 研究
研究  ゼミ★ 自由
 自由★ 自由 自由
研究 研究 自由
研究 研究 研究


<Pick Up!>
★ゼミ(木・午後)
ゼミでは論文の原稿や分析結果などを報告し、指導教授の山田哲弘先生からコメントをいただいています。先生が根拠を示しながら丁寧に教えてくださるので、納得しながら研究を進めることができています。また、先生はそれぞれの学生の進路に応じた指導をしてくださいます。例えば私のような研究者志望の学生に対しては、論文を査読に通すためのポイントなど、一人前の研究者になるために必要な知識や技術を教えてくださいます。

★授業(火・午後)
指導教員とは別の先生のゼミも受講しています。今年度は先生と先輩院生と私の3人で共同研究を行い、その結果を学会で報告しました。研究内容も研究の進め方もゼミで行っている研究と異なるので非常に勉強になっています。

★自由(金・午前)
金曜日はなるべく休んでリフレッシュするようにしています。以前は趣味のクライミングをすることが多かったのですが、最近は新型コロナウィルスの影響で外出しにくいので1週間分の深夜ラジオをまとめて聞いたり、撮りためたお笑い番組などを見たりして自宅で過ごしています。

1日のスケジュールについて

続いては1日のスケジュールについて、具体的に例を挙げていただきました。

~6:00 睡眠
6:00~7:00 散歩・朝食★
7:00~8:00 家事
8:00~12:00 研究★
12:00~13:00 昼食・昼寝
13:00~18:00 研究
18:00~19:00 炊事
19:00~20:00 夕食・家事
20:00~21:00 研究
21:00~22:00 自由
22:00~23:00 自由・入浴
23:00~ 睡眠


<Pick Up!>
★散歩
雨が降っていなければ、起床後すぐに20~30分間くらい近所を散歩しています。行きと帰りで同じ道を使わないようにするルールを設けて飽きないようにしています。散歩をするようになってから日中の集中力や睡眠の質が向上しました。

★研究
研究活動には、先行研究を調べて論文を読むこと、データを集めて分析すること、論文を書くことなどが含まれます。研究活動は主に多摩キャンパスの学生共同研究室で行っています。学生共同研究室では学生1人につき1つずつデスクと本棚が利用できるため快適に研究できます。ただし、最近は新型コロナウイルス感染症の影響で研究室を利用できる時間が限られており、自宅で研究を行っています。私の研究は特別な器具を必要とせず、最低限PCがあれば行うことができるので自宅でも行うことができています。

受験生のみなさんへ

博士前期課程では、先行研究で得られた知見を整理し、データや理論に基づいて新たな知見を明らかにするという研究活動の楽しさや難しさを味わうことができます。また、中央大学大学院には丁寧に指導してくださる先生方や充実したデータベースなどの、存分に研究活動を行うことができる環境が整っています。このような環境の中で受験生のみなさんと一緒に研究を行う日々を楽しみにしています。

 

※この記事は2020年12月時点の内容です。