中央大学について

2014年度(平成26年度)

2014(平成26)年度 学校法人中央大学事業計画
~「学生起点の大学づくり」を目指して~

Ⅰ はじめに

現在、我が国を取り巻く環境は、少子高齢化の進展、グローバル化の進展、雇用環境の変容、地域社会・家族形態の変容、格差の再作成・固定化、地球規模の問題など様々な課題が顕在化し、かつ加速し、先行きが不確実な状況にあります。
このような社会環境の中で、変化や新たな価値を主導・創造し、社会の様々な分野を牽引していく人材の育成が強く求められています。とりわけ、大学には、生涯にわたり学び続け、主体的に物事を捉え、考え、どんな状況においても対応できる課題探求・解決能力を有する多様な人材を輩出することが求められております。また、諸改革の推進を通じた教育の質の向上、学修支援機能の強化・充実、ならびにグローバル社会における国際的通用性の向上への対応を図るとともに、これらを着実に推進するための恒常的な点検・評価と内部質保証システムの構築が一層求められています。

本学は、グローバル社会の要請に的確に応え、存在感のある大学として持続可能な発展を目指しており、2012年度には、文部科学省「グローバル人材育成推進事業」の採択を得て、グローバルに活躍できる視点と能力を有する人材の育成に向けて、様々な意欲的なプログラムを展開しています。
さらに、本学の伝統と建学の精神である「實地應用ノ素ヲ養フ」を基にグローバル社会においてその存在感を一層高め、様々な分野においてリーダーシップを発揮して活躍のできる人材の育成に資するよう、質の高い教育プログラムや教育システム等の開発・導入に係る教育課程および教育方法の工夫改善に関する取組に着手しております。学生支援、地域・社会連携の工夫改善に関する取組等を主たる対象に「中央大学教育力向上推進事業」として位置付け、本学の教育力向上と活性化に向けて、全学を挙げて努めているところです。

毎年度の事業計画策定に際しましては、全学的な事業計画策定における中期的な基本コンセプトとして、「学生起点の大学づくり」を継続して揚げるとともに、全学を挙げて特に推進すべき課題を「重点事業方針」として定め、これを事前に学内に周知・共有することとしており、その上で、それぞれの組織が重点事業方針を見定め、取り組むべき「重点行動計画」を策定することで、大学全体として目指す方向性の共有化を図ることとしています。
これらの方向性を踏まえつつ、かつ本学が全学を挙げて積極的に継続して推進すべき2014年度の重点事業方針として、(1)教育の質の向上、(2)学生支援の更なる充実、(3)国際化の促進、の3項目を昨年に引き続き設定し、とりわけ教育面の充実を図る施策を重点的かつ継続的に推進することとしました。

2014年度は、これら重点事業方針はいずれも研究・教育機関たる本学が、恒常的に取り組むべき事項であることを本学の全構成員が十分に認識して、この重点事業方針に基づき策定した事業計画を確実に実行し、より具体的な成果を上げることが、本学を取り巻く社会からの要請に応えることであると考えます。
このような事項を十分考慮しながら、2014年度に本学が積極的かつ着実に実施すべき施策として取り纏めた「2014(平成26)年度 学校法人中央大学事業計画」は、以下のとおりです。

Ⅱ 重点事業方針

教育の質の向上

大学改革や質保証の方向性を踏まえ、グローバル社会において多方面で活躍できる人材を輩出するために必要な教育の充実や質の向上等に資するよう、2014年度においては、特に、① 学士課程教育の質の向上、② 大学院教育の高度化・実質化と質的向上、③ 組織的なFD活動の全学的推進、④「中央大学教育力向上推進事業」を活用した教育力向上、⑤キャリア形成支援の充実、などの諸施策に全学を挙げて取り組みます。

学修支援の更なる充実

学生が卒業後においても自らの資質を向上させ、社会的自立を図るために必要な能力の涵養に資するよう、学修支援セクションが有機的に連携して、学生の学修意欲の向上と人間力の醸成に向けた組織的な学修支援施策を実施することがますます重要になっていることから、2014年度においては、① 学びをやりがいにつなげる体制強化、② 学生が行うボランティア活動やインターンシップ等の地域・社会連携活動の支援、③ きめ細やかな学生支援(ワンストップサービスの実施等)、などの諸施策に全学を挙げて取り組みます。

国際化の促進

国際化の促進は、本学がグローバル社会の要請に的確に応え、存在感のある多様性を持った大学として、学術文化の発展に貢献し続けていくために、非常に重要な課題です。2014年度においては、① グローバル人材育成を通じた国際化に向けた取り組みの推進、② 国際的な研究活動の推進と研究成果の発信、などの諸施策に全学を挙げて取り組みます。

Ⅲ 2014(平成26)年度 学校法人中央大学事業計画

<大学会計部門の事業計画>

建学の精神、大学の理念・目的・教育目標の全学的浸透

(1) 建学の精神、大学の理念・目的・教育目標の全学的浸透・理解促進
①建学の精神、各教育研究組織の理念・目的・教育目標、アドミッションポリシー・カリキュ ラムポリシー・ディプロマポリシーの全学的浸透

教育の質の向上

(1) 学士課程教育の質の向上-学修効果を高めるための教育体制の充実-
①入学前後における基礎力向上教育
②全学的教育プログラムの更なる充実
③学部における諸改革等を通じた教育内容・方法等の質的向上(教育課程の国際的通用性の向上、学生の自主的な学習時間の確保を含む)
④グローバル人材育成及び外国人留学生の受け入れの全学的推進


(2) 大学院教育の高度化・実質化と質的向上
①大学院修士課程、博士課程(前期・後期)教育の実質化
②入学定員・収容定員に対する入学者数・在籍学生数の適切かつ厳格な管理
③国際水環境理工学人材育成事業の推進
④専門職大学院における教育内容・方法の改善・充実
⑤社会人の学び直しへの対応


(3) 組織的なFD活動の全学的推進
①学部における組織的なFD活動の推進
②大学院・専門職大学院における組織的なFD活動の推進


(4) 競争的資金(学内外)を活用した教育の質の向上
①競争的外部教育資金の獲得に向けた取り組みの全学的推進
②「中央大学教育力向上推進事業」を活用した教育力の向上


(5) キャリア教育の推進
①キャリア教育、キャリア形成支援の充実

学修支援の更なる充実

(1) 学びをやりがいにつなげる体制強化
①学修支援制度・体制の充実
②奨学金制度の改善・充実


(2) きめ細やかな学生対応
①就職支援の強化・充実
②学生サービスの向上ときめ細やかなスタッフ対応力の向上
③心と体の健康に係る管理体制の充実

研究力の向上

(1) 研究者養成制度の充実
①若手研究者育成システムの構築


(2) 研究活動の促進
①重点研究分野の形成と更なる研究支援体制の整備・充実
②各教育研究組織・各研究所における研究活動・成果発信
③学内研究費制度に基づく研究活動の活性化、競争的外部研究資金の獲得による研究活動の促進
④公的研究費の不正使用防止の徹底

中大ブランドの形成

(1) 資格取得支援の強化
①資格取得に向けた学修支援の推進(司法試験・公認会計士試験・教職・公務員試験等)


(2) 学術・文化・スポーツ振興
①学術・文化・スポーツ活動の促進


(3) 入学志願者の質的・量的強化
①入学志願者募集活動の強化
②適切かつ有効な入試制度の運用と安定的な実施体制の確保


(4) 戦略的な広報活動の推進
①教育・研究に係る活動及び成果の積極的な発信

総合学園づくりの促進

(1) 総合学園づくりの促進
①総合学園づくりの促進、附属学校との教育連携の更なる充実と積極的な情報発信

国内外におけるネットワークの構築

(1) ステークホルダーとの連携推進
①父母ネットワークの強化
②卒業生・修了生等とのネットワークの強化
③地域・社会とのネットワークの強化
④産学官連携活動の強化

教育・研究環境の整備

(1) 教育・研究環境の整備
①教育・研究活動等に係る教員評価制度の検討


(2) キャンパスの環境整備
①多摩キャンパスの教育・研究環境、アメニティの整備
②都心キャンパスの教育・研究環境、アメニティの整備

ガバナンスの再構築とマネジメント機能の強化

(1) 意思決定・マネジメント体制の整備
①全学的意思決定システム及び各種マネジメント体制の整備、各種規程の整備
②自己点検・評価に基づく自己改善メカニズムの高度化、各種認証評価への適切な対応
③事業計画をはじめとする主要PDCAサイクルの更なる推進


(2) 危機管理体制の整備
①コンプライアンスの徹底と危機管理体制の全学的強化(事件・災害・薬物・メンタルヘルス・ハラスメント対策、安全安心キャンパス整備等)


(3)中長期事業計画及びマネジメントシステムの構築
①中長期事業構想・計画の策定、中長期事業マネジメントシステムの構築と事業推進


(4) 財務基盤の強化
①中長期財務計画の策定、財政基盤の強化、募金活動の推進


(5) 組織の活性化
①組織の見直しと業務改善の推進、SD活動の促進

<独立会計部門の事業計画 >

中央大学通信教育部

(1) eラーニング環境整備
①オンデマンド配信システムのモバイル端末への対応を含むeラーニングの環境整備


(2) 学生の利便性に配慮した学習環境の提供
①大都市圏でのスクーリングの実施、ならびに全国各地での科目試験の実施


(3) 授業科目の新設を含む授業展開の拡充
①授業科目の拡充
②カリキュラム改善(卒業要件単位の変更等)

中央大学高等学校

(1) 教育施設・設備の整備
①教育施設・設備の整備ならびに各教科の教材・教具の更なる充実


(2) 特色ある教育の推進
①生徒一人ひとりの進路ならびに目標や習熟度に応じたきめ細かな教育への対応
②将来の職業や社会とのつながりを学び、大学進学に対する目的意識を情操するキャリア教育の推進
③土曜日を活用した基礎学力の向上と教科に留まらない実力の涵養


(3) 危機管理体制の整備
①防災・安全対策の強化及び緊急事態への対応

中央大学杉並高等学校

(1) 魅力ある教育活動の推進
①キャリアデザイン講座の充実
②国内研修(屋久島)の実施
③国外研修(オーストラリア・イギリス)の実施
④朝学習の実施を通じた基礎学力向上


(2) 教育施設の整備
①学習室及び空調設備の更新による施設環境整備


(3) 入学志願者に対する広報活動の充実
①学校説明会・グループ見学会の更なる充実


(4) 財政基盤の確立
①将来の施設設備の更新等、諸施策を支えるための資産形成と財政基盤の強化

中央大学附属中学校・高等学校

(1) 中央大学附属中学校・高等学校共通
①学校情報発信ならびに生徒募集体制の強化
○ステークホルダーに向けての情報発信の強化
○入試広報体制の強化
②国際交流の推進 ○国際理解を深めるための親善交流の促進


(2) 中央大学附属高等学校
①中等教育課程の質の向上
○新カリキュラムの遂行と中高連携教育の検証と改善
②施設・設備の整備
○安全・安心なキャンパス環境の整備
○教育施設・設備の整備


(3) 中央大学附属中学校
①施設・設備の整備
○安全・安心なキャンパス環境の整備
②特色ある教育の推進
○中・高大連携プログラムの実施

中央大学附属横浜中学校・高等学校

(1) 教育施設の円滑な維持管理の推進
①施設の運用管理体制と関連諸経費の効率的な見直し
②活発化する課外活動・学校行事に対応した施設設備の一層の整備
③情報環境ならびに教育設備の整備と更なる充実


(2) 危機管理対策の充実
①新校地・校舎における危機管理対策マニュアルの整備と防災訓練の継続的な実施
②災害時対応の備品、備蓄品の段階的整備の実施
③近隣共生に根ざした生徒登下校時における立哨によるマナー指導・安全確保の継続的推進


(3) 教育内容及び学修支援の充実
①「渡邊たま奨学基金」を活用した生徒への新たな教育・活動支援事業の導入
②「グローバル人材養成」への社会的要請と期待を踏まえた特色ある教育の推進
③カウンセリング体制の充実


(4) 教員組織の強化ならびに教育改革の推進
①計画的な教員組織の強化と整備
②教員研修の支援ならびに強化
③授業公開、授業評価の実施


(5) 入学試験関連業務の更なる充実
①入学試験管理システムの再構築
②入学試験問題の質的向上
③安定的な入学試験実施に向けた要員の確保

中央大学経理研究所

(1) 社会人実務教育の推進
①企業・団体の経理担当者向け会計分野実務講座ならびに会計・ビジネス研究会の更なる充実


(2) 資格取得支援の強化
①簿記検定試験・公認会計士試験に向けた学修支援の推進
②全学部新入生および附属中高生徒を対象とした簿記会計の知識普及と学修支援


(3) 会計研究成果の社会への発信
①機関誌『経理研究』の編集・刊行

中央大学収益事業会計

(1) 出版事業を通じた大学の研究成果の発信及び教育への還元
①積極的な出版企画による良書の刊行
②教科書、参考書の刊行及び販売の促進
③常備書店の拡大充実


(2) 学生の需要を的確に把握した学生サービス業務の推進
①自動販売機による営業活動の充実及びサービスの向上

 

以上