教育力研究開発機構

第3回教育力研究開発機構講演会(第23回中央大学FD・SD講演会)を実施しました。

2023年03月13日

第3回教育力研究開発機構講演会(第23回中央大学FD・SD講演会)を2023年3月10日(金)に実施しました。 本講演会は、ウエストロー・ジャパン株式会社による寄付講座として、「仮想地帯は無法地帯?法×メタバース」と題して、3名の講師による話題提供と6名の講師によるパネルディスカッションを行いました。 講演会は、リアル会場およびWebexを使用したハイフレックス型講演会として実施し、中央大学教職員・学生以外にも企業法務関係者や法曹関係者等各方面からご参加いただき、参加人数は189名でした。

<講演会概要>

講演会冒頭、加藤教授(理工学部)から、「メタバースの世界・認知の世界」として、簡単なシミュレーションを通じて、メタバース空間での対人距離と関係性について認知の観点から問題提起のお話をいただいた後、佐藤教授(法科大学院)からは、「サイバー空間と法~メタバース以前の状況~」として、インターネット型サイバー空間の越境性や契約ベースの私的サイバー空間の問題を通して、メタバース以前からの法的課題について話題提供がされました。3人目の話題提供者岩隈教授(国際情報学部)からは、「メタバースをめぐる法律課題」として、アーキテクチャと法とのバランスの重要性を踏まえた上で、アバター人格権法や物権的な情報財産権の構想について最新の議論の観点を紹介しながら講演いただきました。

第二部では話題提供のテーマに加えて、教育へのメタバースの活用も見据えながら、6名のパネラーによる意見交換が行われました。

<参加者からの感想>

・将来、弁護士を目指しておりメタバース分野を扱いたいと考えていましたが、具体的なビジョンがたてられず困っていました。しかし、本講演会にてどのような点で法的問題が生じ、弁護士が必要とされるか想像することができました。 ありがとうございました。

・メタバースと教育について考えていたところでもあったので、メタバース上で起きた問題について、法という観点から考える貴重な時間となりました。自分の中でぼんやりとした理解であったメタバースに関して、具体的事例や法律上の問題点を知り、理解がより深まりました。

・企業が開催するメタバースの研修とは違った視点で、研究者から見た法とメタバースのお話が聞けて大変勉強になりました。 とても勉強になりました。 

・法とメタバースを考えていく上で、人間の認知機能の面から考えを深めていく今回の講義導入は大変興味深い内容であり勉強になった。 また、今回のこの講義を通じて、近年のIT革命による時代の急速な変革に対応するために、課題の背景知識や現状の法制度、議論の過程などの予備知識を抑える必要性が解釈が必須の法学分野ではより増していくのではないかと強く感じた。

・「学部をまたがった」様々な分野の先生方からのパネルディスカッションも大変興味深く拝聴いたしました。 技術、法律、教育など様々な視点からのお話で興味深かったです。

・これから法律を学んでいく上でこのような法整備がなされていない先端分野も学んでみたいと思いました。

・現代の法秩序が主権国家の存在を想定し、国境があることを前提に成立しているものなため、現在の法制度をそのままメタバース空間に持ち込むことは、プラットフォームの特性から難しいことを学べました。また、メタバースを教育現場で活用すること、それについて人の認識の在り方が大切であることが分かり、大変興味深いお話を聴けました。