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5秒おきの撮影で昆虫の訪花が種子生産に寄与するタイミングが明らかに~ハスの花を用いた実験的検討~

2022年07月11日

 中央大学理工学部 教授 高田まゆららの研究グループは、昆虫による植物の送粉注1)研究における連続写真撮影の有効性を示す論文を発表しました。
 美しい花を咲かせる植物の多くは昆虫や鳥などの動物に花粉を運んでもらい受粉・結実しますが、花を訪れる全ての動物が送粉に有効とは限りません。花粉を運んでくれる動物であっても、その活動は開花期間の中で開花からの経過日数や時間帯、天候によって変動するため、短時間の観察から全体像を把握することは困難でした。そこで、天候に左右されずに5秒間隔で写真を撮影できる自動システムを用いて、ハチ、ハエ、甲虫など様々な昆虫が訪れるハスの花の開花全期間(約4日間)におけるほぼ全ての訪花を記録し、撮影した花の種子生産まで調査したところ、雨風がなく最適な気温の下で開花2日目の朝5~7時台に花を訪れるハチ類が多いほど種子生産が増えることが明らかとなりました。一方で、送粉昆虫を捕らえて餌にするスズメバチやクモ類などが頻繁に来る花では送粉昆虫の訪花が少なく、種子生産にマイナスの影響をおよぼしうることも示唆されました。

 

【研究者】
高田 まゆら    中央大学 理工学部 教授 (人間総合理工学科)
永井 美穂子    中央大学 理工学部 
樋口 洋平     東京大学 大学院農学生命科学研究科 准教授
石川 祐聖     東京大学 大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構 技術専門職員
郭 威           東京大学 大学院農学生命科学研究科 特任准教授
深津 時広     農研機構 農業機械研究部門 グループ長
馬場 友希     農研機構 農業環境研究部門 上級研究員

 

【論文情報】
雑誌名:Scientific Reports 12:11051(Springer Nature社)
オンライン掲載日:2022年7月11日、
論文タイトル:Periodically taken photographs reveal the effect of pollinator insects on seed set in lotus flowers
著者:Mihoko Nagai1, Yohei Higuchi2, Yusei Ishikawa3, Wei Guo3, Tokihiro Fukatsu4, Yuki G. Baba5, and Mayura B. Takada1
所属:1 中央大学 理工学部
   2 東京大学 大学院農学生命科学研究科
   3 東京大学 大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構
   4 農研機構 農業機械研究部門
   5 農研機構 農業環境研究部門
DOI: 10.1038/s41598-022-15090-0

 

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